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区分 輸入クラシック オールド
製作家/商品名 ホセ・ラミレス 3世 Jose Ramirez III
モデル/品番 Model/No. 1a  No.13502
001_joseramirez_03_179
弦長 Scale Length 664mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1979年
表板 Top 杉単板 Ceder
横裏板 Back & Sides ローズウッド単板 Indian
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ポリウレタン
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 3.3mm/6弦 4.7mm

[製作家情報]
100年以上続く歴史ある工房にして世界的にも有名なスパニッシュギターブランドのひとつ ホセ・ラミレス Jose Ramirez。ホセ・ラミレス1世(1858~1923)の時代から現在のホセ・ラミレス5世まで、1世紀以上に渡りスパニッシュギター製作史のなかで最も重要なブランドの一つとしてその名を刻み続けており、いまなおワールドワイドにマーケットを展開する工房です。

なかでもとりわけ評価が高く「Ramirez dynasty」 と言われるほどに豊饒の時代とされたホセ・ラミレス3世(1922~1995)の時期に製作されたギターは、革新的でありながら幅広いポピュラリティを獲得し、世界中のギタリストとギターファンとを魅了し続けました。1950年代末から1960年代、パウリーノ・ベルナベ、マリアーノ・テサーノスといった名職人が職工長として働き、高級手工品の品質を維持しながら大量生産を可能した独自の工房システムを確立します。そして1964年にこのブランドのフラッグシップモデルとして世に出した「1A」は、表面板にそれまでの松材に代わって杉材を使用、胴の厚みを大きくとり、横板は内側にシープレス材を貼り付けた二重構造、弦長は664mmで設定(通常は650mm)、さらに塗装には従来のセラック塗装からユリア樹脂のものに変更し耐久性を飛躍的に増すとともに、「ラミレストーン」と呼ばれる独特の甘く艶やかな音色を生み出し、真っ赤にカラーリングされた印象的な外観と相まってギター史上空前のポピュラリティを獲得することになります。

これらラミレス3世がクラシックギターに対して行った改革はマーケット戦略の面でも、また製作の面でも実に独創的でしかも時代の要請に十全に応じたもので、のちのギター製作全般に大きすぎるほどの影響を及ぼしたのと同時に、まさにクラシックギターのイメージを決定するほどに一世を風靡しました。

ラミレス3世の息子4世(1953~2000)は18歳の時に父ラミレス3世の工房にて徒弟として働くようになり、1977年には正式に職人として認められます。1988年には妹のアマリアと共にブランドの経営を任されるようになり、父の製作哲学を引き継ぎながら、より時代のニーズに則した販売戦略(エステューディオモデルの製作、標準的な650mmスケールの採用等々)を展開しさらにシェアを拡大してゆきますが、3世亡き後わずか5年後の2000年にこの世を去ります。

その後もアマリアを中心に柔軟な商品開発を継続しますが、2000年代以降はむしろ名手アンドレス・セゴビアの名演と共にその音色が記憶に残る3世と4世の時代につくられたモデルに人気が集中するようになり、特に製作を担当した職人のイニシャルが刻印されていた1960年代のものは往年のファンに現在も愛奏されています。

〔楽器情報〕
ホセ・ラミレス3世のフラッグシップモデル「1A」のインディアンローズウッド仕様、1979年製Usedです。このモデルの基本形は1964年に出来上がり、それは1986年頃を境として弦長を664mmから650mmに、またボディサイズやネック仕様もそれに即したサイズへと変更するまで同じ仕様で製作され続け、世界中で大変な人気を博しました。しかしながら1960年代から1980年代前半に至るまでの時期においても、やはり時代の要請に応じてかいくつものマイナーチェンジが行われており、それぞれ年代ごとに異なる特徴のあるギターとなっています。

1960年代の末頃から70年代のラミレスではネックのボディに対する差し込み角が深くなり、同時に指板は6弦側から1弦側にかけてかなりの傾斜角で設定され、その結果弦高値が低音から高音かけて一気に低くなってゆくような独特の演奏性を確立します。またこれによって全体の立体感と音圧における迫力が更に増大し、この時期のコンサートギターにおける一つの定式を作り上げたと言えます。

本作は1979年製作 ボディ内部には「17」の数字がスタンプされており、これはラミレス公式の職人リストによるとエンリケ・ボレゲーロ・マルコス Enrique Borreguero Marcos が製作を担当したことになります(エンリケはマヌエル・ラミレス工房でサントス・エルナンデスやドミンゴ・エステソと一緒に職人として働いていた製作家のモデスト・ボレゲーロの息子)。

当機で聴かれるのは非常なスマートさを感じさせる音響であり(迫力も豊かな鳴りも失われたという意味では決してなく)、特に1970年代半ばまでの同モデルにおいてしばしば見られるダイナミズム追及のあまりにバランスを欠いた個体とは異なる、ギターという楽器におけるごく自然な音響特性を備えたものとなっていることが特筆されます。ラミレスのそれまでの(1970年代半ばまでの)独特の生々しさを備えた音の肌理はここでは洗練され、繊細で、整い、軽快ささえも感じさせる響きとなっているのですが、「ラミレストーン」最大の特徴であるロマンティックな表情と艶やかな質感はそのままに、同時に奏者のタッチ感覚に寄り添うような高いリニアニティと演奏性が追及されているのは嬉しいところ。低音の音圧とほぼ同等かと思われるほどに強い高音、ポリフォニックな演奏における彫りの深い音響とそのきれいな余韻(倍音が程よくコントロールされている)、そして終止におけるきりっとした身振りも音楽的。ここには3世が開発した1Aというモデルの純粋に高いポテンシャルが、エンリケ・ボレゲーロという職人によって無駄なくそして円満に具現化されており、現代においても通用するクオリティを十全に備えた一本となっています。

表面板内部構造は1A モデルの基本形を踏襲しており、サウンドホール上下に一本ずつのハーモニックバー、そしてそのうち下側のバーの中央で(つまりサウンドホールのちょうど真下のところで)低音側から高音側に向かって下がってゆくように斜めに交差するもう一本のバーを設置。そしてボディ下部は6本の扇状力木がセンターの1本を境にして高音側に2本、低音側に3本を配し、ボトム部分でそれらの先端を受け止めるように2本のクロージングバーがハの字型に配置されています。ブリッジ位置には駒板よりも長いパッチ板が貼られています。レゾナンスはG~G#の間に設定されています。

割れや改造、再塗装などの大きな修理履歴はなく、表面板は指板脇やサウンドホール周りに軽微な傷があるのみ、また横裏板も衣服の摩擦や経年による自然な塗装のむらなどが見られるのみで良好な状態。表面板は力木の位置に沿ってわずかに波うちが見られるものの年代考慮すると標準的な症状で問題ありません。ネック、フレット、糸巻などの演奏性に関わる部分の状態も良好です。ネック形状は普通の厚みのDシェイプでフラットな加工がされており、指板は若干のラウンド加工がされています。弦高は3.3/4.7mm(1弦/6弦 12フレット)、サドル余剰は0.5~1.0mmとなっています。



新入荷 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

区分 輸入クラシック オールド
製作家/商品名 ホセ・ヤコピ Jose Yacopi
モデル/品番 Model/No. No.1455
001_Jyacopi_1_03_176_01
弦長 Scale Length 650mm
国 Country アルゼンチン Argentina
製作年 Year 1976年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:表板 セラック /横裏板 ラッカー
糸 巻:不明
弦 高:1弦 2.6mm/6弦 3.2mm

[製作家情報]
ホセ・ヤコピ(1916~2006)。スペインのビトリア生まれ。父親のガマリエル・ヤコピの工房に入り、18歳の時に最初のギターを製作しています。1949年には家族でアルゼンチンのブエノス・アイレスにほど近いサン・フェルナンドに移り住んで工房を開き、そこで生涯ギターを作り続けました。最初は父親と同様にアントニオ・デ・トーレスを規範とした伝統的なスペインギターを製作していましたが、移住する直前の1947年ごろから父親と共に発案した、通常とは逆方向に放射状に配置された扇状力木構造を採用するようになり、これがこのブランドの特徴となります。本国アルゼンチンではその需要の増大に対応するために工房品含め年間約300本のギターを出荷していた時期もありますが、最上位モデルはその1割ほどで、良質な材を使用して本人が製作しています。

非常に独特な音響と音色を備えており、中低音から低音にかけての重厚で柔らく、奥行きのある深い響きと引き締まって艶やかな高音との対比とバランスが素晴らしく、ポリフォニックな曲を演奏した時の立体感は他のギターでは味わえない魅力があります。また音色には南米的な澄んだ色気があり、これが古典と現代の両方の雰囲気を併せ持つことから、クラシック奏者からポピュラー音楽までの幅広いユーザーに愛されてきました。マリア・ルイサ・アニードやエドゥアルド・ファルーらが愛用し、また近年ではボサノヴァや南米音楽の愛好家にも絶大な支持を受けています。
現在は息子のフェルナンド・ヤコピが工房を継いでいますが、ファンの間ではやはり1960年代から亡くなる前の1990年代までのJose本人による楽器に人気が集中しています。

[楽器情報]
ホセ・ヤコピ製作 1976年製 No.1455 Usedの入荷です。1960~70年代の人気の高い時期の一本。ヤコピのイメージとして定着している琥珀色の塗装で仕上げられた外観はフォトジェニックで、全体にどっしりと落ち着いた佇まい。特徴的な低音は太く耳に柔らかい感触があり、対して高音は1音1音に芯がしっかり通った、明確で強い表情を備えており、その対比とバランスによる音楽的な表現力は他にはない魅力を放っています。内部構造は胴底のフットブロックを頂点とするように配された左右対称6本の扇状力木で、通常の扇状力木とは開く方向が逆になっているヤコピ特有の構造(センターのマッチング部分は力木の代わりに小さなパッチ板が十数枚貼られており、これもヤコピの標準的な仕様)。レゾナンスはGの少し下に設定されています。

特に割れ等の修理履歴はありません。弾き傷等の状態に関しても年代相応の状態。糸巻はオリジナルのものを装着しており、現状で機能的に良好です。


新入荷 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

区分 輸入クラシック オールド
製作家/商品名 パウリーノ・ベルナベ Paulino Bernabe
モデル/品番 Model/No.
001_Pbernabe_1_02_193
弦長 Scale Length 650mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1993年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option ハードケース(Crossrock)
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:表板 セラック /横裏板 ラッカー
糸 巻:不明
弦 高:1弦 3.0mm/6弦 3.6mm


〔製作家情報〕
パウリーノ・ベルナベ1世(1932~2007)スペイン、マドリッドの製作家。自身も演奏を能くし、タレガの高弟ダニエル・フォルテアにギター演奏を師事していたのは有名な話。製作家としてはホセ・ラミレス3世の厚い信頼のもと、同工房にて1950年代から1960年代にかけて職工長を務め、この巨大ブランドの黄金期を支えた最重要人物の一人として、まずはギター製作史にその名を残す存在となりました。その後1969年に独立してからは伝統的な製法に則りながらも独自のメソッドによる個性的なギターを作り続け、1974年にドイツ、ミュンヘンで開催された国際クラフト博覧会で金メダルを受賞。そして往年のギターファンにとってはなんと言っても忘れ難い、ナルシソ・イエペスが愛用することになる有名な10弦ギターを製作することになります。息子のパウリーノ・ベルナベ Jr(1960~)は幼少の頃より父の仕事姿に親しみ、17歳の時には正式に弟子入りし20年以上に及ぶ厳しい修行と共同製作の時期を経て、2007年に1世亡き後はこのブランドを引き継ぎます。その後現在に至る2世の時代は父親のブランドコンセプトを十全に継承しつつ、より時代のニーズに合わせた(コストパフォーマンスとプレイヤビリティの双方において)充実したラインナップを展開し、若手のプロギタリストの使用率も高くなっている。現在マドリッドを代表するブランドの一つとして高い評価を得ています。

〔楽器情報〕
パウリーノ・ベルナベ1世製作 1993年製 Used 状態良好1本が入荷致しました。ラベルにはLoto 15番地に工房を移す前のCuchilleros 8番地の住所が印字されており(現在はFontaneria 10番地にさらに工房を移転)、モデル名はありません。ベルナベは2000年前後から上位機種でも数種のモデルをカタログ化していますが(現在はConcierto、Especial、Torres、Imperial、Royalの5種。なおその下にはよりリーズナブルな価格帯でAtelier シリーズとProfessional シリーズも展開していますが、これらはいわゆるワークショップモデルとなります)、この時期はそうしたモデル展開はありませんでした。ブランドヒストリーを俯瞰するならば、Cuchilleros 工房時代はそうした広範なマーケティングを展開する前の、よりベルナベ本人の作家性が濃く現れていた時期だという見方も出来ると思います。2000年代のラインナップにも通底する構造などのコンセプトは既にこの時期に完成していますが、しかし特に音響や表現性においてやはり後年のモデルにはない、ベルナベ的個性をここに聴くことが出来ます。

ラミレス工房を後にして独立して以後様々な構造的試みを行ってきた彼ですが、ここでもクラシックギターとしては珍しいXブレーシングシステムを採用。サウンドホールの上側(ネック側)は通常の一本のハーモニックバーですが、下側はちょうどホールの真下で2本のハーモニックバーがX状に交差しており、その下を3本の力木が表面板の木目に沿って等間隔に平行に(つまり扇状配置ではなく)設置されています。ブリッジ位置には駒板とほぼ同じ広さの薄いパッチ板が貼られ、3本の力木のうちセンターと高音側の2本はそのプレートの上を通過し、低音側の1本はプレートの上下で分断しています。これら3本の力木の先端をボトム部で2本のクロージングバーが受け止めるようにハの字型に設置されており、ちょうどブリッジ部分をX状のハーモニックバーとで菱形で囲むような構造になっています。そしてX状に交差したバーは二本とも低音側にわずか1㎜ほどの高さで幅数センチの開口部が設けられており、また両横板のくびれ部からそれぞれ2本ずつの短い力木が斜めに下がってゆくように(ちょうど「X」の上半分と並行になるように)配置されています。
全体に大小の三角形と菱形を組み合わせたような幾何学的な配置で斬新とさえ言える構造ですが、19世紀のロマンティックギターからトーレスそしてホセ・ラミレスを通過して彼がたどり着いた、伝統的スタイルの高度なコンピレーションと解釈することもできるもの。レゾナンスはGの少し下で設定されています。

ベルナベらしい非常な音圧の高さを備え、全体に硬めな音ですが発音にはしなやかさがあり、しっかりとした引き締まった響き。上記のようなほぼ左右対称と言える構造からか、低音から高音までが同じフェーズで鳴り、自然に高音部が前景化してくる感覚があります。それゆえメロディラインが力強く響き、たっぷりと歌わせることができます。特筆すべきはその表情の機微と繊細で、あくまで上品さを保ちながら、曲想に応じて湧出するロマンティックな音色の変化がなんとも魅力的。

割れなどの大きな修理履歴はなく、表面板サウンドホールの高音側に細かな弾き傷、ブリッジ下1弦位置に弦とび跡、数か所の軽微な打痕や衣服等による摩擦あと等がありますが、年代考慮すると比較的良好な状態。ネックはほぼ真っすぐでちょうどよい状態。フレットはほんのわずかに摩耗していますが適正値の範囲内。ネック形状は普通の厚みのDシェイプ、指板はわずかにラウンド加工が施されており左手の演奏性を追及しています。


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区分 輸入クラシック 中古
製作家/商品名 グレッグ・スモールマン Greg Smallman
モデル/品番 Model/No.
001_smallmanG_02_189
弦長 Scale Length 650mm
国 Country オーストラリア  Australia
製作年 Year 1989年
表板 Top 杉単板 Ceder
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:マホガニー
指 板:エボニー
塗 装:ラッカー
糸 巻:シャーラー
弦 高:1弦 3.5mm /6弦 4.5mm

[製作家情報]
グレッグ・スモールマン Greg Smallman 1947年オーストラリア生まれ。トーレス以降、クラシックギターの製作法において最大の革新を成し遂げた製作家です。1970年代からギターづくりを始め、最初はスペインの名工イグナシオ・フレタなどの「伝統的な」スタイルで製作していましたが、やがて独自の発想による設計を模索し、実践することになります。ラティス構造と呼ばれる格子状に配置された表面板の力木構造と、まるで現代建築のように加工され配置された堅牢なバーの構造は独特極まりなく(それゆえ重量も従来のクラシックギターの2倍近くと重くなっています)、それまでのいわゆ扇状力木と平行に配置されたハーモニックバーという基本的な構造とは完全に異なる発想で造られています。そして表面板を薄く、横裏板を厚いアーチシェイプ仕様にすることで表面板の振動を最大限に音響化することに成功し、その結果発音の反応、音量、各音と各弦のバランス、ダイナミクスと遠達性、サスティーンが文字通り驚異的に向上しています。スモールマンによるとこの独創的な構造は子供の時に熱中した模型飛行機の構造原理からからインスピレーションを得ているのだそう。

従来のギターではレゾナンスの設定とそれに伴いどうしても発生してしまう音響の不均質も、ここで飛躍的に解消され、全体のピッチもナイロンギターとしてはこれ以上望む程がないほどに正確に設定されています。そして最も特筆すべきは、こうした音響的な弱点の克服が為されたあとでも機械的な響きに堕することなく、音楽的な豊かさも同時に獲得していることでしょうか。それは彼を発掘し、彼のギターによってそのキャリアの後半を形成していった名手ジョン・ウィリアムスの演奏が如実に語るところです(ジョンは1981年からスモールマンのギターを使用)。ジョンのあとも数々の名手たちが愛奏し、またJ.ペロワやG.ビアンコなど現代的感性を持った若きマエストロ達のスモールマンを使用しての演奏は、このギターが革命であると同時に普遍性を備えたものであることの証左といえるでしょう。

1999年よりラベルには二人の息子DamonとKym の名が記され、Greg Smallman&Sonとなっています。ネックは可動式になり、専用のレンチで角度を簡単に変えることができ、奏者に合った演奏性にすぐに対応できるような仕様になっています。また初期には単板仕様となっていた横裏板もラミネート加工としてより堅固な設計となり、表面板はラティス構造を基本形として継続しながらバーの設計や配置については大幅な改変が試みられています。初期において(特に1980年代)はその発音と音色にどこかまだトラディショナルなギターのニュアンスを感じさせていましたが、もともと高かった音圧はさらに増大し、響きはより乾いた感触でオーディトリアムな音響へと変化してゆきます。

[楽器情報]
グレッグ・スモールマン 1989年製Usedです。
割れなどの大きな修理、改造履歴はありません。表面板は大小の弾き傷、打痕等が全体にあります。サウンドホール高音側はおそらく製作時に貼られていた保護板をその後より小型のものに貼り換えた形跡があります。横裏板は一部に衣服等によるスクラッチ痕やわずかな塗装ムラ等がみられますが比較的良好な状態。ネックはこの時期の仕様では固定式となっており、現状でやや順反りの状態、ネック形状は普通の厚みのDシェイプ。

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区分 輸入クラシック オールド
製作家/商品名 マヌエル・ベラスケス Manuel Velazquez演奏動画あり
モデル/品番 Model/No.
001_velazquezM_03_178
弦長 Scale Length 650mm
国 Country アメリカ U.S.A
製作年 Year 1978年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides ローズウッド単板 Indian Rosewood
付属品 Option ハードケース(BAM)
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ラッカー
糸 巻:スローン
弦 高:1弦 2.9mm/6弦 4.0mm

[製作家情報]
マヌエル・ベラスケス Manuel Velazquez(1917~2014)
1917年プエルトリコ生まれ。母方の祖父母はスペイン人で、名工サントス・エルナンデスの縁戚にあたります。農業に従事する家系に生まれながらも彼は家具職人として修業を始め、同時にギターも製作するようになります。16歳で最初のギターを製作し、その頃に製作したギターの完成度の高さに感銘を受けた地元のある音楽家からニューヨーク行きを勧められ、1941年移住。第二次大戦の時期には造船所で木工に携わります。地道に製作を続けていた彼のギターは1940年代後半から地元の名演奏家たちに愛用されるようになり、その後はアンドレス・セゴビアが彼のギターを称賛するなど、瞬く間に名声を獲得してゆきます。1972年にプエルトリコに戻りそこで工房を設立、1982年には再びアメリカに戻りヴァージニア州で9年間過ごした後、フロリダに移り製作を続けます。この頃から息子のアルフレッドも製作に参加するようになり、2014年にマヌエルが亡くなった後は彼が工房を引き継いでいます。

もともとマヌエルの製作美学の根底にはトーレス、ハウザー、サントスらのトラディショナルなものへの憧憬があり、特にハウザーの影響が濃くあらわれた1950年代から60年代のものは高い評価を得ています。1970年代から1980年代までの楽器はユーザーの需要もありボディが大型化し、ちょうど人気の絶頂にあったラミレス的な要素を感じさせる力強く豊かな音量を備えたギターになっています。その後はもとのハウザースタイルを基調とした伝統的スタイルへと回帰し、2014年にその生涯を閉じるまでアメリカ最大の巨匠と崇敬されました。

〔楽器情報〕
マヌエル・ベラスケス製作の1978年製、650mm 横裏板インディアンローズウッド仕様のUsed 入荷です。表面板力木配置はサウンドホール上(ネック側)に2本、下(ブリッジ側)に一本のハーモニックバーが配置され、その下側の方のバー中央(ちょうどサウンドホールの真下の位置)から高音側の横板に向かって斜めに伸びるもう一本のいわゆるトレブルバーを配し、7本の扇状力木とそれらの先端をボトム部で受け止めるようにハの字型に配置された2本のクロージングバー、そしてブリッジ位置には駒板と同じ幅の薄いプレート板が貼ってあるという全体の構造。レゾナンスはGの少し上に設定されています。彼の敬愛するヘルマン・ハウザー1世の有名なセゴビアモデル的な力木配置を基本とし、そこにトレブルバーを付加したような、1970年代ベラスケスの定番とも言える配置となっています。

この時期のベラスケスはどちらかと言えばスペイン的な(ホセ・ラミレス以降のマドリッドサウンド的な)全体に重厚で、おおらかで、たっぷりとした響きを志向していましたが、本作においては彼の本領たるハウザー的音響設計のヴァリエーションともいえる響きが構築されています。しっかりした重心感覚のある低音からシャープな高音までの一本の線を形成するような自然なバランス、やや強めの粘りを伴いながら跳躍するように発されるくっきりとした艶やかな音像、装飾的効果における細部の明確さ、音量と音色のダイナミクスにおけるタッチとのリニアニティの高さ、これらの特質によって生み出される旋律の自然な繋がりなど、やはり素晴らしい。ボディが軽めで箱が隅々まで響き渡るような感覚と、ハウザー的な透徹した音響とがミックスされ、結果ベラスケスにしかない、不思議なロマンティシズムを湛えた一本に仕上がっています。

オリジナルラッカー塗装により、全体は経年によるウェザーチェック(塗装の細かなひび割れ)が生じていますが現状で使用には全く問題ありません。表面板サウンドホール周りにやや集中して細かな弾き傷があり、横裏板は衣服等による摩擦あとなどありますが割れなどの大きな修理履歴はありません。ネックは真っ直ぐを維持しており、フレットは1~7フレットでほんのわずかに摩耗見られますがこちらも現状で問題ありません。ネック裏はキズ補修のため再塗装が施されており、現在とてもきれいな状態です。ネックシェイプは薄めのCシェイプ、弦高値は2.9/4.0mm(1弦/6弦 12フレット)でサドル余剰が1.5~3.0mmありますのでお好みに応じて弦高を低く設定することが可能です。糸巻はSloane製を装着。





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区分 輸入クラシック 中古
製作家/商品名 クリストファー・ディーン Christopher Dean
モデル/品番 Model/No. No.226
002_Cdean_1_02_196
弦長 Scale Length 650mm
国 Country イギリス England
製作年 Year 1996年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides ローズウッド単板 Indian Rosewood
付属品 Option ハードケース黒、スローン糸巻(元々装着のオリジナル)
備考 Notes
ネック:マホガニー
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:バルジャック
弦 高:1弦 3.2mm/6弦 4.1mm

[製作家情報]
1958年生まれ。イギリス、オックスフォードに工房を構える。10代の頃よりギターを演奏していましたが、17歳の時にプレゼントされたIrving Sloane のギター製作マニュアルを読んだことをきっかけに製作への興味を持ち始めます。1979年には有名なLondon College of Furnitureに入学し3年間楽器製作についての基礎を学びます(同校はゲイリー・サウスウェル、マイケル・ジーらの出身校でもあります)。ここでのカリキュラムにはホセ・ルイス・ロマニリョスやポール・フィッシャーの工房での実地研究も含まれていたことがきっかけになり、卒業後1年間ニュージーランドで家具製作に従事したのちに1982年フィッシャーの工房に職人として入ります。ディーン自身はフィッシャーのことを師として尊敬し実際に多くを学んでゆきましたが、フィッシャーはこの青年の成熟した感性と技術をすぐに見抜き、わずか3か月の「研修期間」のあとすぐに正式な職工としてフィッシャーラベルのギター製作を託すことになります。ここで充実した3年間を過ごした後に独立し自身の工房を設立、現在に至ります。

その作風は師であるフィッシャーや、さらにさかのぼってデヴィッド・ルビオをも想起させる堂々たる外観とたっぷりと濃密な艶を含んだ音色、力強い響きなどが挙げられますが、そうした彼の出自に直接つながるラインとは別にフランスのフレドリッシュ、トーレス、ハウザーからも多くのインスピレーションを得ており、とりわけサントス・エルナンデスの影響を受けています。1929年製のサントスギターを修繕する機会を得た彼は実地にオリジナルの構造を研究し、その後すぐれたサントスモデルを発表。憧れてやまないと公言する伝説的ギタリスト アンドレス・セゴビアへのオマージュさえも含んだすぐれたモデルとして高い評価を得ています。

[楽器情報]
クリストファー・ディーン製作 1996年製 No.226 Usedの入荷です。ハウザーやサントス・エルナンデス等のヒストリカルなモデルでも瞠目すべきギターを世に出している彼ですが、本器は彼のオリジナルモデル。まだ30代の時の作ですが、造作と音響の両方で完成度が高く、また彼自身の個性という点でも既に揺るぎのないアイデンティティが確立されている一本です。

撥弦の瞬間の、指先のわずかな変化にも敏感に反応する、その生々しくも繊細なレスポンスがなんとも素晴らしい。最弱音における表情の機微とニュアンスの表出から、しっかりとしたダイナミックレンジにより最強音までが充実した密度を保っており、タッチにぴったりとフィットするかのような速い反応、そして各弦のバランス等々、まずは機能的な面での演奏性は申し分のないクオリティを有しています。

慎ましく、ごく自然なエコーを伴いながら箱の奥底から素早く音が立ち上がってくるような発音で、いかにも彼らしいほのかに翳のある音色、そのストイックでジェントルな佇まいはやはりとても魅力的。柔らかな粉をほのかにまぶしたような感触の音像ですが透明感があり、凛として力強く、歪みがなく、常に上品で、時に可愛らしい。和音やアルペジオでは音の拡がりが(やたらとエコーがかかるのではなく)美しく、曲に応じて幻想的なニュアンスもしっかりと表出します。

表面板力木配置はサウンドホール上側(ネック側)に2本、下側(ブリッジ側)にも2本のハーモニックバーが設置されていますが、下側の2本のうちブリッジに近いほうの一本は低音側から高音側に向かって斜めに下がってゆくようにして設置されたバー、ここではハーモニックバーのやや低音寄りの部分を起点として高音側横板に向かって伸びています。ボディ下部は左右対称5本の扇状力木、ボトム部にはそれらの先端を受け止める2本のV字型に配置されたクロージングバー、ブリッジ位置には駒板とほぼ同じ面積でパッチ板が貼ってあるという全体の表面板構造。レゾナンスはG#の少し下に設定されています。

繊細なセラック塗装仕上げで重量も1.49kgと軽く、上記の内部力木なども繊細な加工がされています。表面板全体は弾き傷やスクラッチ跡、一部塗装摩耗などがあります、横裏板は比較的きれいな状態ですが衣服等による摩擦跡が年代相応に見られます。割れ等のの大きな修理履歴はありません。ネックは厳密にはわずかに順反りですが標準設定の範囲内、フレットは1~7フレットでわずかに摩耗ありますが演奏性には影響ありません。ネック形状はやや薄めのDシェイプでフラットな加工。糸巻は出荷時はSloane製が装着されていましたが、Baljak製に交換されています。こちらも現状で機能的な問題はありません。


新入荷 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

区分 輸入クラシック 中古
製作家/商品名 ディーター・ミューラー Dieter Muller
モデル/品番 Model/No. Double top
002_MullerD_02_221
弦長 Scale Length 650mm
国 Country ドイツ Germany
製作年 Year 2021年
表板 Top 杉 Ceder
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド South American Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:マホガニー
指 板:エボニー
塗 装:表板 セラック/横裏板 ラッカー
糸 巻:シェラー
弦 高:1弦 3.7mm/6弦 4.3mm

〔製作家情報〕
マティアス・ダマン、ゲルノット・ワグナー以降のダブルトップギターの製作家として、その筆頭と衆目の一致するドイツの製作家。現代的な作風を標榜する製作家の多くが、科学的な見地も取り入れながら製作しているという例にもれず、ミューラーもまた卓越した音楽的感性と大学で学んだ物理学的なセンスをコンバインさせて、そこにドイツ人ならではの高い工作精度で楽器を仕上げきる能力を持っており、その楽器はあまたある同種のギターの中でも群を抜く仕上がりになっています。

〔楽器情報〕
ディーター・ミューラー 2021年製作のダブルトップ、レイズドフィンガーボード仕様モデルUsed です。
割れなどの大きな修理、改造履歴はありません。製作からわずか3年目の楽器だけにほぼ全体にきれいな状態を維持しており、表面板サウンドホールの高音側一部とブリッジ下部分などにわずかに細かな傷がありますが、その他は良好です。ネックは真わずかに順反りですが標準設定の範囲内、フレットは適正値を維持しており演奏性には問題ありません。ネック形状は普通の厚みのDシェイプ。ネック7フレット部分に一辺2.5㎜程の埋木補修あとがあります。弦高値は3.7/4.3㎜(1弦/6弦 12フレット)でサドルには1.5~2.0㎜の調整余剰がありますのでお好みに合わせて低く設定することが可能です。糸巻はドイツ製高級ブランドのScheller製を装着、こちらも動作状況に問題ありません。

新入荷 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

区分 国産クラシック 中古
製作家/商品名 尾野 薫 Kaoru Ono
モデル/品番 Model/No. ハウザー1世モデル Hauser model No.300
005_001_onoK_02_218_300
弦長 Scale Length 645mm
国 Country 日本 Japan
製作年 Year 2018年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides ローズウッド単板 Indian Rosewood
付属品 Option ソフトケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:スローン
弦 高:1弦 3.0mm/6弦 4.0mm

〔製作家情報〕
1953年生まれ。中学生の頃からギターを弾き始め、大学の木材工芸科在学中その知識を活かして趣味でギターを製作。 その類まれな工作技術と音響に対するセンスは注目を集めており、愛好家達の要望に応えて27歳の時にプロ製作家としての本格的な活動を開始。 同時期にアルベルト・ネジメ・オーノ(禰寝孝次郎)に師事し、彼からスペインギターの伝統的な工法を学びます。 その後渡西しアルベルト・ネジメの師であるグラナダの巨匠アントニオ・マリン・モンテロに製作技法についての指導を受け、 2001年には再びスペインに渡りホセ・ルイス・ロマニリョスの製作マスターコースも受講しています。 さらにはマドリッドの名工アルカンヘル・フェルナンデスが来日の折にも製作上の貴重なアドバイスと激励を受ける等、 現代の名工達の製作哲学に直に接し学びながら、スペイン伝統工法を科学的に考察し理論的に解析研究してゆく独自の方法でギターを製作。 日本でのスペイン伝統工法の受容の歴史において、アルベルト・ネジメと並ぶ重要な製作家の一人として精力的な活動を展開しています。 その楽器はあくまで伝統的な造りを基本としながら、十分な遠達性、バランス、倍音の統制において比類なく、極めて透徹した美しい響きを備えた、 現在国内のギター製作における最高の成果を成し遂げたものとして高い評価を得ています。

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[楽器情報]
尾野薫製作のハウザー1世モデル 2018年製 No.300 Used美品の入荷です。自身のオリジナルモデルのほか、トーレス、ブーシェ、ロマニリョスなどのオマージュモデルを製作している氏ですが、通底しているのはその完璧ともいえる音響設計で、それぞれの特徴をしっかりと掴みながら高次において洗練させ、一気に解像度を増した様な鮮烈ともいえる音だと言えます。そのような尾野氏の嗜好と最も親和性が高いと言えるのはやはりハウザーであるとまずは言うことができるでしょう。絶妙な倍音のコントロールによる音像の洗練、低音から高音までの整ったバランス、適切な重心設定(レゾナンスの設定)、そしてクラシカルな表現力と、セゴビアの言葉を引用するまでもなくクラシックギター製作におけるメルクマールとなったギターを、卓越した技術で造り切ったまさに達意のハウザーモデルです。

表面板力木構造はもちろんハウザー1世作のセゴビアモデルに準拠。サウンドホール上側(ネック側)に2本
(うち一本はプレートに近い薄い形状)、下側(ブリッジ側)に1本のハーモニックバー、同じくホールの両脇には薄いプレートで補強されており、ボディ下部は左右対称7本の扇状力木とこれらの先端をボトム部で受け止めるようにハの字型に配置された2本のクロージングバー、駒板の位置にはほぼ同じ面積の補強プレートが貼られている(扇状力木はこのプレートの上を通過するように設置されている)という全体の配置。レゾナンス設定はGの少し上。

上述のようなハウザー的音響が十全に備わっており、尾野氏にしかできないであろう洗練を経て着地された響きはなんとも心地よい。撥弦の瞬間に充実した音が現れ、密度を保ったままきれいに終止してゆくそのサスティーンも素晴らしい。どちらかと言えばストイックな表情のなかに繊細なニュアンスの変化を聴かせるところなどはいかにもクラシカルな表現にふさわしいと言えるでしょう。

全面セラック塗装仕上げによる出荷時のオリジナルスペック。割れなどの大きな修理履歴はなく、表面板のサウンドホール付近と指板脇、ブリッジ下部分などにほんのわずかに微細な傷があるのみでとても良い状態です。裏板の、演奏時に胸の当たる部分はネック、フレット、糸巻等演奏性に関わる部分も良好です。ネックシェイプはやや厚めのDシェイプで好みは分かれるところですがとてもフィット感のよい形状。弦高値は3.0/4.0㎜(1弦/6弦 12フレット)でサドルには2㎜の余剰がありますのでさらに低くすることも可能です。

新入荷 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

区分 国産クラシック オールド
製作家/商品名 中出 敏彦 Toshihiko Nakade
モデル/品番 Model/No. No.1000A
005_11_nakadeT_02_171
弦長 Scale Length 655mm
国 Country 日本 Japan
製作年 Year 1971年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:マホガニー
指 板:エボニー
塗 装:カシュー
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 3.0mm/6弦 4.2mm

〔製作家情報〕
1932年東京生まれ。ジャパンヴィンテージの筆頭格として河野賢と共に名の挙がる中出阪蔵(1906~1993)の次男。父の教えのもと16歳よりヴァイオリンとギターの製作を開始し、5年後にはギター製作に専心するようになります。1960年には自身の独立した工房を開設し、オリジナルラベルでの製作を開始。その後1968年にはスペインに渡り、マドリッドの製作家エルナンデス・イ・アグアドの工房に入門。この名工からの影響が決定的となり、自身のその後の製作哲学を明確に方向づけられることとなります。外観的な意匠や楽器構造、音色的な特徴においてその影響は如実に表れており、そこに氏独自の個性を注ぎ込んだ楽器はその勇壮な鳴りと豊かな表情とで人気を博します。

80歳を越えた後も製作は衰えず、中級者用のすぐれたミドルクラスから、国内製作家としては最高値となる250万を越えるハイスペックモデルまで、一貫して細かな部分まで手の行き届いた高品質を維持して出荷を続けてきた、そのブランドとしての気位の高さはやはり敬服に値するものでしょう。邦人製作家の最長老として、近年は限定的ながらも製作を続けていましたが、豊富なストックを誇っていた木材を全て使い終わったところで製作を引退。スペイン的なニュアンスを感じさせる国内ブランドの代表格としての地位を揺るぎないもにしてきた氏のギターは、近年は父阪蔵氏と並び、海外でも人気の高まっているアイテムとなっています。同じギター製作家(現在は引退)の中出輝明氏は兄、中出幸雄氏は弟、また中出六太郎氏は叔父になります。

〔楽器情報〕
中出敏彦1971年製作のNo.1000Aモデル Usedの入荷です。当時のこのブランドの上位機種の一つで、横裏板は中南米ローズウッド、ヘッドは師アグアドの影響を如実に受けたデザインで凝った細工のもの。スペインでの修行から帰国して間もないころの作ですが、音においても既に後年の彼のギターを特徴づける要素が十全に備わっています。

しっかりした音圧で、倍音が豊かに響き、体感的に包まれるような明るい鳴り。スペインそのものとは言えないまでも、彼自身の経験から醸成したであろうスペイン的イメージに着地させており、それがこの楽器に充実したアイデンティティを付与しています。加えておそらくは経年の弾き込みによるものか、単音には(特にアポヤンドで弾いたときなどは)たっぷりとしたコクがあり、豊かに歌うところが魅力的。

表面板力木配置はサウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に各1本のハーモニックバー、そのうち下側のほうのバーの中央部分を起点として高音側横板の下部ふくらみ部分に向かって斜めに下りてゆくもう一本のバー(トレブルバー)、扇状力木は等間隔に7本、それらの先端をボトム部で受けとめるように2本のクロージングバーがハの字型に配置されており、またちょうど駒板の位置にはほぼ同じ面積に補強プレートが貼られているという構造。扇状力木の本数と配置など若干異なる部分はありますが、これは師であるアグアドのギターを基本としているものと言えます。レゾナンスはG#の少し上に設定されています。

表面板のブリッジ下1弦側と6弦側とに1か所ずつボトムまでの割れ補修歴があります。また同じく表面板の高音側下部ふくらみ部分に数センチの割れ補修歴があります。これらは3か所とのも内側よりパッチ補強が施されております。その他やや深めの搔き傷、打痕、弾きキズが数か所あります。横裏板は衣服等による細かな摩擦あとや部分的な変色など見られますが大きな傷はありません。ネック、フレット、糸巻など演奏性にかかかわる部分も良好です。ネックシェイプは厚めのDシェイプ。弦高値は3.0/4.2mm(1弦/6弦 12フレット)、サドルには2.0~3.0mmの余剰があります。全体はカシュー塗装による仕上げで、経年により塗装表面には細かなウェザーチェックが入っていますが継続しての使用には現時点で問題ありません。


新入荷 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  165,000 円
注文数 :   

区分 国産クラシック オールド
製作家/商品名 中出 敏彦 Toshihiko Nakade
モデル/品番 Model/No. Master 35
005_11_nakadeT_02_213_35
弦長 Scale Length 630mm
国 Country 日本 Japan
製作年 Year 2013年
表板 Top スプルース単板 Spruce
横裏板 Back & Sides ローズウッド単板 Indian rosewood
付属品 Option 軽量ケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:カシュー
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 2.2mm/6弦 3.3mm

〔製作家情報〕
1932年東京生まれ。ジャパンヴィンテージの筆頭格として河野賢と共に名の挙がる中出阪蔵(1906~1993)の次男。父の教えのもと16歳よりヴァイオリンとギターの製作を開始し、5年後にはギター製作に専心するようになります。1960年には自身の独立した工房を開設し、オリジナルラベルでの製作を開始。その後1968年にはスペインに渡り、マドリッドの製作家エルナンデス・イ・アグアドの工房に入門。この名工からの影響が決定的となり、自身のその後の製作哲学を明確に方向づけられることとなります。外観的な意匠や楽器構造、音色的な特徴においてその影響は如実に表れており、そこに氏独自の個性を注ぎ込んだ楽器はその勇壮な鳴りと豊かな表情とで人気を博します。

80歳を越えた後も製作は衰えず、中級者用のすぐれたミドルクラスから、国内製作家としては最高値となる250万を越えるハイスペックモデルまで、一貫して細かな部分まで手の行き届いた高品質を維持して出荷を続けてきた、そのブランドとしての気位の高さはやはり敬服に値するものでしょう。邦人製作家の最長老として、近年は限定的ながらも製作を続けていましたが、豊富なストックを誇っていた木材を全て使い終わったところで製作を引退。スペイン的なニュアンスを感じさせる国内ブランドの代表格としての地位を揺るぎないもにしてきた氏のギターは、近年は父阪蔵氏と並び、海外でも人気の高まっているアイテムとなっています。同じギター製作家(現在は引退)の中出輝明氏は兄、中出幸雄氏は弟、また中出六太郎氏は叔父になります。

〔楽器情報〕
中出敏彦製作 Master 35 2013年製 630㎜ 仕様 Usedの入荷です。このブランドとしてはエントリーに位置づけられるモデルですが、材、造作そして音の完成度においてやはり敏彦氏ならではの高いクオリティを有しており、とてもリーズナブルな一本です。630mmスケールの「デメリット」(小さめなボディサイズゆえの響きへの影響など)をほとんど感じさせない充実した音圧で、倍音が豊かに鳴り、包まれるような音響はこのブランドならでは。同時に発音の反応性など楽曲演奏における機能的な面でも不足はなく、まずは円満におすすめできるエントリーモデルとなっています。

表面板力木配置はサウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に各2本のハーモニックバーが設置されており、このうち一番ブリッジ寄りの1本は低音側から高音側に向かってわずかに下がってゆくように斜めに設置されています。扇状力木は左右対称7本で、ボトム部でそれらの先端を受け止めるように2本のクロージングバーがハの字型に配置され、駒板位置にはほぼ同じ面積を薄い補強プレートが貼られているという構造。このブランドの上位モデルで採用されているアグアド的な配置とは異なり、特にサウンドホール下の2本のハーモニックバーの配置関係はイグナシオ・フレタのものを想起させます(ただしフレタは扇状力木が9本設置されています)。レゾナンスはG#~Aの間に設定されています。

全体はカシュ―塗装による仕上げでオリジナルのまま。表面板の指板脇やサウンドホールまわり、ブリッジ下などにわずかに傷ありますが軽微なもので、横裏板もわずかに数か所の打痕と衣服等による細かな摩擦のほかは綺麗な状態を維持しています。割れなどの大きな修理履歴もありません。ネック、フレット、糸巻など演奏性にかかかわる部分も良好です。ネックシェイプは薄くフラットな仕上げのDシェイプ。弦高値は2.2/3.3mm(1弦/6弦 12フレット)とかなり低めの設定。サドルには1.5~2.0mmの余剰があります。重量は軽めで1.45㎏となっています。


新入荷 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  198,000 円
注文数 :   


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