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製作家/商品名 コンデ・エルマノス Conde Hermanos(Felipe)
モデル/品番 Model/No. AF25R フェリーぺ工房
010_001_conde_02_195_01
弦長 Scale Length 665mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1995年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ラッカー
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 2.8 mm/6弦 2.8 mm


〔製作家情報〕
数多いスペインのフラメンコギターブランドの中でも、屈指の定番とされるコンデ・エルマノス。ブランドの始まりはマドリッドの伝説的なマヌエル・ラミレス(1864~1916)工房で、サントス・エルナンデス(1874~1943)と共に職人として働いていたドミンゴ・エステソ(1882~1937)が、1919年に同じマドリッドのグラヴィーナに工房を開くところまで遡ります。彼の教えを直接受けた甥のファウスティーノ・コンデ(1913~1988)がその弟達マリアーノ(1916~1989)とフリオ(1918~1995)とともにエステソの工房スタッフに加わり、エステソ亡きあとも「Viuda y Sobrinos de Domingo Esteso」(エステソ未亡人とその甥達による)というラベルでこのブランドを継続してゆきます。1959年にエステソの妻(※Nicolasa Salamanca エステソギターの塗装を担当していた)が亡くなるとラベルを「Sobrinos de Domingo Esteso/Conde Hermanos」に変更し、この時からコンデ・エルマノスの名前がブランド名として使われ始めます。

1960年代に入るとそれまでエステソを踏襲していたモデルを全てデザインから内部構造に至るまでオリジナルのものに一新し、半月型にカットした有名な Media Luna ヘッドシェイプもこのころからハイエンドモデルの符牒として採用され、この時期世界的に高まる需要もあり飛躍的に名声とシェアを広げてゆきます。

1980年にはマリアーノがマドリッドのフェリーぺに工房を立ち上げ、彼の息子たち(フェリーぺ1世とマリアーノ2世の兄弟)とともに製作。グラヴィーナ工房と連携して製作していましたが、1988年にファウスティーノが亡くなったのを機にフェリーぺ工房は独自の操業を開始します。しかし翌年の1989年に後を追うようにマリアーノ1世もこの世を去り、2人の息子たちがフェリーぺ工房を継承します。ここからフェリーぺ工房は3つのコンデ工房の中でも特に時代のニーズに柔軟な対応を見せ、安定した商業ベースを維持するようになります。

そして2010年にはフェリーぺ1世はFelipe Conde、マリアーノ2世はMariano Conde としてそれぞれの独立したブランドとして工房を立ち上げ、それまでのコンデ・エルマノスの伝統を継承しながらもそれぞれの個性を濃密に注ぎ込んだ良品を現在も製作しています。

グラヴィーナ工房はファウスティーノ亡き後は彼の未亡人が2000年代まで工房を継続させていましたが現在は閉鎖しています。フリオは1950年代にアトーチャに設立されたコンデ・エルマノス工房を運営し、1995年に亡くなった後は彼の娘と孫娘が経営を引き継いで現在もConde Hermanos ブランドとして安定した生産を維持しています。

コンデ・エルマノスギターは名手パコ・デ・ルシアが愛奏していたことをはじめとし、まさに名だたるフラメンコギタリストによって使用され、フラメンコギターファンには現在も欠かすことのできないマストアイテムとなっています。


〔楽器情報〕
コンデ・エルマノス フェリーペ工房製 ネグラ(AF25R)1995年製Usedの入荷です。コンデ第一世代の要となった二人、ファウスティーノとマリアーノが相次いで世を去り、マリアーノの息子達のフェリーペ1世とマリアーノ2世が工房を継いで間もない時期のもので、実質的に「コンデ」ブランドを継承したとも言える二人の、その後のブランドの歴史を考えると束の間ともいえる円満な共同作業の一本。

内部構造はサウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に一本ずつのハーモニックバー。左右対称5本の扇状力木がお互いに間隔を十分にとって表面板下部全体に行き渡るように配置され、ボトム部にはそれらの先端を受けとめるように2本のクロージングバーがハの字型に設置されています。レゾナンスはGの少し下に設定されています。この力木構造は至ってオーソドックスなスタイルですが、コンデのハイエンドモデルでは実はむしろ珍しい(同じモデルでも力木の角度や長さがそれぞれ全く異なる設計のものが多い)。しかしながら伝統的なスタイルをここで採用することによって、コンデらしい硬質で強い粘りをもった発音と豊かなニュアンスを含んだ音色とが実現しており、その後のこのブランドのストイックな音響とは異なる表現性を備えているところが魅力となっています。

表面板のサウンドホール周りや指板脇などに弾き傷が目立つほか、打痕や掻き傷等全体に見られます。横裏板は演奏時の衣服の摩擦あとがやはり全体に見られます。横板のバール部分の木目に沿って段差が生じていますが塗装の凹みで割れには至っておりません。その他修理履歴は特になく、上記の傷等も含めフラメンコとしては年代相応のレベルと言えます。ネックは厳密にいえばわずかに順反りですが演奏性に問題はありません。フレットは1~7フレットでやや摩耗しており、指板も同様にわずかに減りが見られますが何れも現状で音、演奏性には問題ないレベルです。ネック形状は普通の厚みのDシェイプでスクエアに近いフラットな加工。糸巻きはオリジナルスペックのままフステーロ製が装着されています。


定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 コンデ・エルマノス Conde Hermanos(Felipe)
モデル/品番 Model/No. A-26 フェリーペ工房
010_001_conde_02_201_01
弦長 Scale Length 665mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 2001年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides シープレス単板 Cypress
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ラッカー
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 2.6mm/6弦 2.9mm

〔製作家情報〕
数多いスペインのフラメンコギターブランドの中でも、屈指の定番とされるコンデ・エルマノス。ブランドの始まりはマドリッドの伝説的なマヌエル・ラミレス(1864~1916)工房で、サントス・エルナンデス(1874~1943)と共に職人として働いていたドミンゴ・エステソ(1882~1937)が、1919年に同じマドリッドのグラヴィーナに工房を開くところまで遡ります。彼の教えを直接受けた甥のファウスティーノ・コンデ(1913~1988)がその弟達マリアーノ(1916~1989)とフリオ(1918~1995)とともにエステソの工房スタッフに加わり、エステソ亡きあとも「Viuda y Sobrinos de Domingo Esteso」(エステソ未亡人とその甥達による)というラベルでこのブランドを継続してゆきます。1959年にエステソの妻(※Nicolasa Salamanca エステソギターの塗装を担当していた)が亡くなるとラベルを「Sobrinos de Domingo Esteso/Conde Hermanos」に変更し、この時からコンデ・エルマノスの名前がブランド名として使われ始めます。

1960年代に入るとそれまでエステソを踏襲していたモデルを全てデザインから内部構造に至るまでオリジナルのものに一新し、半月型にカットした有名な Media Luna ヘッドシェイプもこのころからハイエンドモデルの符牒として採用され、この時期世界的に高まる需要もあり飛躍的に名声とシェアを広げてゆきます。

1980年にはマリアーノがマドリッドのフェリーぺに工房を立ち上げ、彼の息子たち(フェリーぺ1世とマリアーノ2世の兄弟)とともに製作。グラヴィーナ工房と連携して製作していましたが、1988年にファウスティーノが亡くなったのを機にフェリーぺ工房は独自の操業を開始します。しかし翌年の1989年に後を追うようにマリアーノ1世もこの世を去り、2人の息子たちがフェリーぺ工房を継承します。ここからフェリーぺ工房は3つのコンデ工房の中でも特に時代のニーズに柔軟な対応を見せ、安定した商業ベースを維持するようになります。

そして2010年にはフェリーぺ1世はFelipe Conde、マリアーノ2世はMariano Conde としてそれぞれの独立したブランドとして工房を立ち上げ、それまでのコンデ・エルマノスの伝統を継承しながらもそれぞれの個性を濃密に注ぎ込んだ良品を現在も製作しています。

グラヴィーナ工房はファウスティーノ亡き後は彼の未亡人が2000年代まで工房を継続させていましたが現在は閉鎖しています。フリオは1950年代にアトーチャに設立されたコンデ・エルマノス工房を運営し、1995年に亡くなった後は娘と孫娘が経営を引き継いで現在もConde Hermanos ブランドとして安定した生産を維持しています。

コンデ・エルマノスギターは名手パコ・デ・ルシアが愛奏していたことをはじめとし、まさに名だたるフラメンコギタリストによって使用され、フラメンコギターファンには現在も欠かすことのできないマストアイテムとなっています。

〔楽器情報〕
コンデ・エルマノス フェリーぺ工房製 モデルA26 2001年 Usedが入荷致しました。同ブランドの代表的なモデルでトレードマークとなっている闘牛をモチーフにしたと言われるMedia Lunaヘッドシェイプをはじめ威容のある外観、ブランドコンセプトが集約された特徴的な音色など、長きにわたって世界的に定番とされてきたモデルです。

表面板内部構造はサウンドホール上下に一本ずつのハーモニックバー、そして左右対称に計7本の「扇状力木」が配置されているのですが、センターに設置された1本のすぐ両脇の2本はフットブロックを起点にサウンドホール方向に広がってゆくように配置され、しかもホール下側のバーを貫通して上側のバーのところまで延伸しています。そしてその外側に配された4本(高音側2本と低音側2本)は逆にサウンドホール側を起点にボトム方向に広がってゆくように設置されており、これらすべての力木を2本のハの字型に配されたクロージングバーが受け止めるという全体の構造。このブランドのハイエンドモデル特有の特徴的な構造で、レゾナンスはG#の少し下に設定されています。

コンデと言えば特に1990年代まではその非常に硬く強い粘りを持った発音とシャープな音響が特徴ですが、特にフェリーペ工房品では2000年前後から若干ながら軽さとふくよかさを増してきており、本器においてもたっぷりとした迫力ある響きが特徴になっています。そこにはしっかりとフラメンコ的なニュアンスと身振り、そして高い機能性が備わっており、フラメンコ白の定番モデルとしての魅力を十分に備えた一本になっています。

割れなどの大きな修理履歴はありません。表面板のゴルペ低音側脇の部分や指板脇高音側などにやや集中して弾きキズがありますが、全体的には年代相応と言えるレベル。横裏板には演奏時に生じたと思われる衣服等の摩擦跡があります。ネックは厳密にはわずかに順反りですが演奏性にフィットしており問題のないレベルです。フレットは1~6フレットでわずかに摩耗見られますがこちらも演奏性には影響のないレベル。ネックはDシェイプの薄めでフラットな加工が施されており、フラメンコ定番のグリップ感。弦高は現在値で2.6mm(1弦)/2.9mm(6弦)となっています(※サドルはぎりぎりまで削られておりますため、さらに弦高を低く設定したい場合は別処置が必要になります)。糸巻はフステーロ製を装着。

定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 コンデ・エルマノス Conde Hermanos(Felipe)
モデル/品番 Model/No. A-26 フェリーペ工房
010_001_conde_02_202
弦長 Scale Length 665mm
国 Country スペイン Spain 
製作年 Year 2002年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides シープレス単板 Cypress
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ラッカー
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 2.5mm/6弦 2.8mm


〔製作家情報〕
数多いスペインのフラメンコギターブランドの中でも、屈指の定番とされるコンデ・エルマノス。ブランドの始まりはマドリッドの伝説的なマヌエル・ラミレス(1864~1916)工房で、サントス・エルナンデス(1874~1943)と共に職人として働いていたドミンゴ・エステソ(1882~1937)が、1919年に同じマドリッドのグラヴィーナに工房を開くところまで遡ります。彼の教えを直接受けた甥のファウスティーノ・コンデ(1913~1988)がその弟達マリアーノ(1916~1989)とフリオ(1918~1995)とともにエステソの工房スタッフに加わり、エステソ亡きあとも「Viuda y Sobrinos de Domingo Esteso」(エステソ未亡人とその甥達による)というラベルでこのブランドを継続してゆきます。1959年にエステソの妻(※Nicolasa Salamanca エステソギターの塗装を担当していた)が亡くなるとラベルを「Sobrinos de Domingo Esteso/Conde Hermanos」に変更し、この時からコンデ・エルマノスの名前がブランド名として使われ始めます。

1960年代に入るとそれまでエステソを踏襲していたモデルを全てデザインから内部構造に至るまでオリジナルのものに一新し、半月型にカットした有名な Media Luna ヘッドシェイプもこのころからハイエンドモデルの符牒として採用され、この時期世界的に高まる需要もあり飛躍的に名声とシェアを広げてゆきます。

1980年にはマリアーノがマドリッドのフェリーぺに工房を立ち上げ、彼の息子たち(フェリーぺ1世とマリアーノ2世の兄弟)とともに製作。グラヴィーナ工房と連携して製作していましたが、1988年にファウスティーノが亡くなったのを機にフェリーぺ工房は独自の操業を開始します。しかし翌年の1989年に後を追うようにマリアーノ1世もこの世を去り、2人の息子たちがフェリーぺ工房を継承します。ここからフェリーぺ工房は3つのコンデ工房の中でも特に時代のニーズに柔軟な対応を見せ、安定した商業ベースを維持するようになります。

そして2010年にはフェリーぺ1世はFelipe Conde、マリアーノ2世はMariano Conde としてそれぞれの独立したブランドとして工房を立ち上げ、それまでのコンデ・エルマノスの伝統を継承しながらもそれぞれの個性を濃密に注ぎ込んだ良品を現在も製作しています。

グラヴィーナ工房はファウスティーノ亡き後は彼の未亡人が2000年代まで工房を継続させていましたが現在は閉鎖しています。フリオは1950年代にアトーチャに設立されたコンデ・エルマノス工房を運営し、1995年に亡くなった後は娘と孫娘が経営を引き継いで現在もConde Hermanos ブランドとして安定した生産を維持しています。

コンデ・エルマノスギターは名手パコ・デ・ルシアが愛奏していたことをはじめとし、まさに名だたるフラメンコギタリストによって使用され、フラメンコギターファンには現在も欠かすことのできないマストアイテムとなっています。


〔楽器情報〕
傷は少々有りますが割れなくオリジナル塗装の良好な状態です。
ネックは良好で弦高弾き易く調整されています。
音はコンデらしいフラメンコらしい響きと切れで良く鳴っています。

現新品価格:¥1,650,000(税込)

定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 コンデ・エルマノス Conde Hermanos(Felipe)
モデル/品番 Model/No. AF25R フェリーぺ工房
010_001_conde_02_202_01
弦長 Scale Length 664mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 2002年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ラッカー
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 2.1mm/6弦 2.4mm

〔製作家情報〕
数多いスペインのフラメンコギターブランドの中でも、屈指の定番とされるコンデ・エルマノス。ブランドの始まりはマドリッドの伝説的なマヌエル・ラミレス(1864~1916)工房で、サントス・エルナンデス(1874~1943)と共に職人として働いていたドミンゴ・エステソ(1882~1937)が、1919年に同じマドリッドのグラヴィーナに工房を開くところまで遡ります。彼の教えを直接受けた甥のファウスティーノ・コンデ(1913~1988)がその弟達マリアーノ(1916~1989)とフリオ(1918~1995)とともにエステソの工房スタッフに加わり、エステソ亡きあとも「Viuda y Sobrinos de Domingo Esteso」(エステソ未亡人とその甥達による)というラベルでこのブランドを継続してゆきます。1959年にエステソの妻(※Nicolasa Salamanca エステソギターの塗装を担当していた)が亡くなるとラベルを「Sobrinos de Domingo Esteso/Conde Hermanos」に変更し、この時からコンデ・エルマノスの名前がブランド名として使われ始めます。

1960年代に入るとそれまでエステソを踏襲していたモデルを全てデザインから内部構造に至るまでオリジナルのものに一新し、半月型にカットした有名な Media Luna ヘッドシェイプもこのころからハイエンドモデルの符牒として採用され、この時期世界的に高まる需要もあり飛躍的に名声とシェアを広げてゆきます。

1980年にはマリアーノがマドリッドのフェリーぺに工房を立ち上げ、彼の息子たち(フェリーぺ1世とマリアーノ2世の兄弟)とともに製作。グラヴィーナ工房と連携して製作していましたが、1988年にファウスティーノが亡くなったのを機にフェリーぺ工房は独自の操業を開始します。しかし翌年の1989年に後を追うようにマリアーノ1世もこの世を去り、2人の息子たちがフェリーぺ工房を継承します。ここからフェリーぺ工房は3つのコンデ工房の中でも特に時代のニーズに柔軟な対応を見せ、安定した商業ベースを維持するようになります。

そして2010年にはフェリーぺ1世はFelipe Conde、マリアーノ2世はMariano Conde としてそれぞれの独立したブランドとして工房を立ち上げ、それまでのコンデ・エルマノスの伝統を継承しながらもそれぞれの個性を濃密に注ぎ込んだ良品を現在も製作しています。

グラヴィーナ工房はファウスティーノ亡き後は彼の未亡人が2000年代まで工房を継続させていましたが現在は閉鎖しています。フリオは1950年代にアトーチャに設立されたコンデ・エルマノス工房を運営し、1995年に亡くなった後は娘と孫娘が経営を引き継いで現在もConde Hermanos ブランドとして安定した生産を維持しています。

コンデ・エルマノスギターは名手パコ・デ・ルシアが愛奏していたことをはじめとし、まさに名だたるフラメンコギタリストによって使用され、フラメンコギターファンには現在も欠かすことのできないマストアイテムとなっています。

〔楽器情報〕
コンデ・エルマノス フェリーぺ工房製 モデルAF25/R 2002年 Usedが入荷致しました。フラメンコ ネグラ(黒)の代表的なモデルとされているもの。このブランドのトレードマークとなっている闘牛をモチーフにしたと言われるMedia Lunaヘッドシェイプ、ステージ映えするオレンジ色の塗装が施された表面板など、外観の威容という点でも強いインパクトを持っています。ブランドが兄弟それぞれの独立した工房としてラインナップを展開している現在も、変わらず踏襲されている定番モデルです。

表面板内部構造はサウンドホール上下に一本ずつのハーモニックバー、そして左右対称に計7本の「扇状力木」が配置されているのですが、センターに設置された1本のすぐ両脇の2本はフットブロックを起点にサウンドホール方向に広がってゆくように配置され、しかもホール下側のバーを貫通して上側のバーのところまで延伸しています。そしてその外側に配された4本(高音側2本と低音側2本)は逆にサウンドホール側を起点にボトム方向に広がってゆくように設置されており、これらすべての力木を2本のハの字型に配されたクロージングバーが受け止めるという全体の構造。このブランドのハイエンドモデル特有の特徴的な構造で、レゾナンスはG#に設定されています。

コンデと言えば特に1990年代以降はその非常に硬く強い粘りを持った発音とシャープな音響が特徴ですが、特にフェリーペ工房品では2000年前後から若干ながら軽さとふくよかさを増してきており、本器においてもたっぷりとした迫力ある響きが特徴になっています。そこにはしっかりとフラメンコ的なニュアンスを含み、やはりネグラとしての魅力を十分に備えた一本になっています。

表面板指板両脇に割れ補修履歴があります。ネックは厳密にはわずかに順反りですが演奏性にフィットしており問題のないレベルです。フレットは1~6フレットでわずかに摩耗見られますがこちらも演奏性には影響のないレベル。ネックはDシェイプの薄めでフラットな加工が施されており、フラメンコ定番のグリップ感。表面板ゴルペ板まわりを中心に傷ありますが年代相応と言えるレベルです。糸巻はフステーロ製を装着、機能的な問題は現状ありません。

定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 コンデ・エルマノス Conde Hermanos(Felipe)
モデル/品番 Model/No. A-27 フェリーペ工房
010_001_conde_02_205
弦長 Scale Length 665mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 2005年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides シープレス単板 Cypress
付属品 Option ハードケース(ヒスコック)
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ラッカー
糸 巻:不明
弦 高:1弦 3.0mm/6弦 3.2mm

〔製作家情報〕
数多いスペインのフラメンコギターブランドの中でも、屈指の定番とされるコンデ・エルマノス。ブランドの始まりはマドリッドの伝説的なマヌエル・ラミレス(1864~1916)工房で、サントス・エルナンデス(1874~1943)と共に職人として働いていたドミンゴ・エステソ(1882~1937)が、1919年に同じマドリッドのグラヴィーナに工房を開くところまで遡ります。彼の教えを直接受けた甥のファウスティーノ・コンデ(1913~1988)がその弟達マリアーノ(1916~1989)とフリオ(1918~1995)とともにエステソの工房スタッフに加わり、エステソ亡きあとも「Viuda y Sobrinos de Domingo Esteso」(エステソ未亡人とその甥達による)というラベルでこのブランドを継続してゆきます。1959年にエステソの妻(※Nicolasa Salamanca エステソギターの塗装を担当していた)が亡くなるとラベルを「Sobrinos de Domingo Esteso/Conde Hermanos」に変更し、この時からコンデ・エルマノスの名前がブランド名として使われ始めます。

1960年代に入るとそれまでエステソを踏襲していたモデルを全てデザインから内部構造に至るまでオリジナルのものに一新し、半月型にカットした有名な Media Luna ヘッドシェイプもこのころからハイエンドモデルの符牒として採用され、この時期世界的に高まる需要もあり飛躍的に名声とシェアを広げてゆきます。

1980年にはマリアーノがマドリッドのフェリーぺに工房を立ち上げ、彼の息子たち(フェリーぺ1世とマリアーノ2世の兄弟)とともに製作。グラヴィーナ工房と連携して製作していましたが、1988年にファウスティーノが亡くなったのを機にフェリーぺ工房は独自の操業を開始します。しかし翌年の1989年に後を追うようにマリアーノ1世もこの世を去り、2人の息子たちがフェリーぺ工房を継承します。ここからフェリーぺ工房は3つのコンデ工房の中でも特に時代のニーズに柔軟な対応を見せ、安定した商業ベースを維持するようになります。

そして2010年にはフェリーぺ1世はFelipe Conde、マリアーノ2世はMariano Conde としてそれぞれの独立したブランドとして工房を立ち上げ、それまでのコンデ・エルマノスの伝統を継承しながらもそれぞれの個性を濃密に注ぎ込んだ良品を現在も製作しています。

グラヴィーナ工房はファウスティーノ亡き後は彼の未亡人が2000年代まで工房を継続させていましたが現在は閉鎖しています。フリオは1950年代にアトーチャに設立されたコンデ・エルマノス工房を運営し、1995年に亡くなった後は娘と孫娘が経営を引き継いで現在もConde Hermanos ブランドとして安定した生産を維持しています。

コンデ・エルマノスギターは名手パコ・デ・ルシアが愛奏していたことをはじめとし、まさに名だたるフラメンコギタリストによって使用され、フラメンコギターファンには現在も欠かすことのできないマストアイテムとなっています。

〔楽器情報〕
コンデ・エルマノス フェリーぺ工房品 A27 2005年Used の入荷です。横裏板シープレス単板仕様のいわゆるブランカ(白)モデル。当時のエントリーラインであったEFシリーズとプロフェッショナルラインのA26 との中間に位置するモデルで、ヘッドシェイプは有名な半月形のものではなくエステソを踏襲したデザインであることからも、EFに続くエントリー~ミドルクラスに位置づけられたものと言えるでしょう。スペイン屈指の有名ブランドだけあってミドルクラスと言えどもその音響的、機能的なクオリティは申し分なく、A26 や A25 などの強い個性をもったモデルと比較してより円満なフラメンコサウンドと弾きやすさが追及されており、オールラウンドに使用性の高いギターとなっています。

表面板内部構造はサウンドホール上側に2本(1本は短く加工されています)、下側に1本のハーモニックバー、そして左右対称5本の、それぞれの間隔を広くとった扇状力木という配置。これもまたA26等の上位機種がコンデの独創的な配置を採用しているのに対し極めてオーソドックスな設計となっています。レゾナンスは に設定されています。

コンデらしい粘りを含みながらも重すぎず、明朗な発音、各音の分離もよく、パワーと音量も十分で、フラメンコ的なニュアンスもしっかりと備えており、ミドルクラスとして申し分のない一本となっています。

表面板の指板脇低音側に割れ補修履歴があります。その他細かな弾き傷や打痕、ブリッジ下に弦とび跡などありますが全体に年代相応な状態です。ネックはほぼ真っ直ぐを維持しており、指板とフレットは1~9フレットで摩耗ありますが演奏性と音響には影響のないレベルです。ネックシェイプはフラメンコギターで採用されることの多いDシェイプのフラットに加工されたものでコンパクトなグリップ感です。弦高は3.0/3.2mm(1弦/6弦 12フレット)、サドル余剰は0.5~1.0mmとなっています。


定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  330,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 アントニオ・ピサ Antonio Pisa
モデル/品番 Model/No. Juan el Flaco(Wood peg) No.114
010_003_Apisa_02_221
弦長 Scale Length 658mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 2021年
表板 Top 杉単板 Ceder
横裏板 Back & Sides シープレス単板 Cypress
付属品 Option 軽量ケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ポリウレタン
糸 巻:ギア式木ペグ(Pegheds)
弦 高:1弦 2.9mm/6弦 3.0mm

[製作家情報]
スペイン、バリャドリッドの製作家。もともとはプロのカホン奏者であり、高い木工技術を持っていた彼は自ら製作もしていましたが、ある時ギターの修理を依頼され、これが転機になったそう。2012年より同地に工房を構え、じっくりと選定し自然乾燥を十分に行った材のみを使用した完全手工品をモットーに、年間20本にも満たない本数で地道に製作活動を続けています。メインとなるフラメンコモデルのほか、クラシックモデルも製作。現在モデルラインナップとしては本作Juan El Flacoのほか、Semilla,Rosas,Romi,Juncal の5モデルを展開しています。

[楽器情報]
アントニオ・ピサ 製作 モデル「Juan El Flaco」フラメンコブランカ 2021年製 No.114 Usedの入荷です。糸巻にはギア式のPegheds製木ペグを装着しており、全体は鮮やかな赤色で着色されたいかにもスパニッシュフラメンコな外観。音も良質で、箱が十全に鳴り、しっかりと粘りのある発音と終止、瞬間的な迫力やドライブ感、表現力などどれも不足がありません。非常にインパクトのある高い音圧ですが、音量が大きいというより音の粒が大きいという感触。

表面板内部構造はサウンドホール上側(ネック側)に2本、下側(ブリッジ側)に1本のハーモニックバー、左右対称7本の扇状力木にそれらの先端をボトム部で受け止めるクロージングバーという全体の配置。レゾナンスはF#の少し上に設定されており、ちょうどよい重心感覚。

表面板ブリッジ下1弦部分に弦とびを埋め補修した跡があります。その他若干の弾き傷等ありますが、割れ等の修理履歴はありません。ネックはほんの少し順反りですが演奏性には問題のないレベル、フレットは適正値を維持しています。ネック形状は薄めのDシェイプでフラットな加工。

(本作のモデル名はフランスの1978年生まれのフラメンコギタリストJuan el Flaco と同名ですが、いわゆるシグネイチャーモデルかどうかは不明です)

定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 フランシスコ・バルバ Francisco Barba
モデル/品番 Model/No. Flamenco Blanca
010_003_barbaF_02_186
弦長 Scale Length 667mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1986年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides シープレス単板 Cypress
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ラッカー
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 3.6mm/6弦 4.0mm


〔製作家情報〕
1939年スペイン、セヴィーリャの生まれ。最初は父親の元で大工として働いていましたが、17歳のときにギター職人として生きることを決意。独学で製作技術を習得してゆきます。スペインでは同年代のマヌエル・レジェスと並び称されるほどの評価を得ている名工ですが、日本では未だ「知る人ぞ知る」通好みのブランドとなっているのは、彼の楽器の素晴らしさを感じているフラメンコファンにとっては何とも歯がゆいところでしょう。実際に多くの名手たちが彼のギターを所有し、その音色と演奏性の高さを称賛しています。加えて造作の精緻さと意匠の美しさについても、このブランドを語るときには必ず挙げられるポイント。現在も2人の息子フアンとホセとともに、彼のキャリアスタートの時と変わらずセヴィーリャの工房で新作を製作し続けています。
ペドロ・ペーニャ、ニーニョ・デ・プーラ、キケ・パレーデス、マヌエル・モリーナ、ラファエル・リケーニ、マノーロ・フランコ他多くのフラメンコギタリストが愛用。

〔楽器情報〕
フランシスコ・バルバ製作 1986年製 フラメンコ白モデル中古の入荷です。発音と適度なサスティーン、単音と和音それぞれにおける分離と力強さ、音色のニュアンス等不足のない仕上がり。内部構造は合計9本の扇状力木が左右非対称に配置されたもの。しっかりと弾き込まれてきたたため、経年に相当の使用感があるほか、修理調整も行われています。表面板サウンドホール縁からボトム部にかけて割れのほか、指板両脇の割れ、またボトム部にもう一箇所別の割れを補修した履歴があり、一部ボディ内側からの補強もされています。表面板はその他弾き傷等の打痕を修正した履歴もあり、最終的に全体にラッカーのマットな仕上げによる再塗装が施されています。ネックは真直ぐの状態を維持していますがボディへの差し込角度をやや深めにしているため、弦高はやや高めの設定となっています。糸巻きはゴトー35G1600タイプに交換されています。

定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 アントニオ・マリン・モンテロ Antonio Marin Montero
モデル/品番 Model/No. Flamenco Blanca
010_01_marinA_1_02_171
弦長 Scale Length 657mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1971年
表板 Top 杉単板 Ceder
横裏板 Back & Sides シープレス単板 Cypress
付属品 Option 軽量ケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 2.8mm/6弦 3.2mm

〔製作家情報〕
1933年スペイン、グラナダ生まれ。世界有数のギター製作の街と言えるグラナダの中心的存在として、国内外の多くの後進の指導にあたり、その広範にわたる深い影響力などからも、現在スペインギター製作界最高のマエストロと呼ぶにふさわしい名工です。

家具職人として出発し、のち1959年より同地の製作家エドゥアルド・フェレールの工房に入り製作を学びます。1961年には同工房出身のマヌエル・ベジードとともに共同の工房を立ち上げ、まずはキャリアをスタートさせます。その後独立し製作家としての評価も高めてゆきますが、1977年にある日本人発明家の紹介でフランスの名工ロベール・ブーシェ(1898~1986)との知遇を得て、その作風を大きく変化させていきました。このフランス最大の巨匠はマリンの非凡な才能をすぐに見抜き、その後自身がグラナダに赴いたりまたマリンをフランスに招くなどして親身にギター製作についてのアドバイスを与えています。マリンはもともとアンダルシア地方色の濃いギターを製作していましたが、ブーシェとの邂逅を機に、楽器としてより高い芸術的普遍性を追及してゆきます。そうして生まれたブーシェモデルは音響と造作の両方に於いて比類ない高みに達し、その後のグラナダを代表する名品として現在不動の評価を得るに至っています。

ブーシェとの出会いのあと、1979年には有名なアルハンブラ宮殿から市街地へとカイデロ坂を下りきったところの角の場所に工房を移し、90歳を迎える現在もそこで甥のホセ・マリン、2000年代に入って新たに加わったホセ・ゴンサレス・ロペスとともに極めて精力的に製作を続けています。

また氏の人柄を慕って現在では世界中から若き才能がグラナダに集まるようになり、その影響力はさらに拡がりをみせています。2017年から同地で開催されているGranada Guitar Festival では氏の名前を冠した国際製作コンクールが併催されています。


〔楽器情報〕
アントニオ・マリン・モンテロ製作のフラメンコ ブランカ、表面板杉仕様 1971年製Used 珍しい1本が入荷しました。マリン最初期のギターで、ラベルにはmariana Pineda 7と住所が印刷されています。エドゥアルド・フェレールの工房から独立して、盟友マヌエル・ベジードとともにMontero y Bellido ブランドを立ち上げていた時期に当たりますが、物件契約の問題でほんのわずかな期間だけ二人は別々の工房でそれぞれのブランドラベルで製作をしていたことがあり、本作はその時の1本、大変に貴重なギターです。

ストレスがなく、木の箱が隅々まで響き切るような生々しい発音で、明るく、ざらっとした木質感たっぷりの音像が印象的。後年の洗練と比較すると音が反響しぶつかり合いながら飛び出してくるような荒々しさがありますが、一つ一つの音には実に細やかでニュアンス豊かな表情を有しているところなど、やはり彼の非凡さを感じさせるところでしょう。

内部構造もまた現在のフラメンコモデルとは異なっていて、サウンドホール上側に2本、下側に1本のハーモニックバー、ほぼ平行に近い角度で配置された7本の扇状力木とボトム部でそれらの先端を受け止める2本のV字型に配置されたクロージングバー、駒板位置にはほぼ横幅いっぱいにわたって設置された薄い補強板という表面板構造。レゾナンスはGの少し上に設定されています。現行モデルでは扇状力木は5本でクロージングバーや駒板位置の補強板の無い、よりシンプルな構造になっています。

十分に弾き込まれてきており、表面板はゴルペ板周りや指板脇のエリアを中心に全体に弾き傷、打痕、スクラッチあとなどが多くあります。表面板のサウンドホール低音側に長さ5mmほどの深い打痕があり、内側からパッチ補修がされています。横裏板は比較的綺麗な状態ですが、年代相応に傷、衣服の摩擦あとなどがあり、低音側の肩部分に10cmほどの割れ補修履歴があります。ネック、フレットはとても良い状態でいずれも適正値を維持しています。ネックは薄めのDシェイプで、フラットでスクエアな形状に加工されています。ゴルペ板はフレイムメイプル製のセパレートタイプを装着。表面板はサウンドホールから駒板にかけて若干の沈みが見られますが、演奏性と状態ともに継続しての使用に問題の無いレベルです。糸巻きはGotoh のFusteroレプリカモデルに交換されています。


定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 マヌエル・ベジード Manuel Bellido
モデル/品番 Model/No. Especial
010_bellidoM_02_192
弦長 Scale Length 650mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1992年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides シープレス単板 Cypress
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:木ペグ
弦 高:1弦 2.5mm/6弦 3.2mm

[製作家情報]
マヌエル・ベジード Manuel Lopez Bellido 1939年 グラナダ生まれ。13歳の時に同地の家具工房Claudio Carmona 工房に徒弟として入り(その時すでに工房ですぐれた職人として働いていた友人のアントニオ・マリン・モンテロが彼に木工技術を教えています)、急速にその腕前を上げていきます。ある日友人から依頼されたバンドゥーリアの修理を手がけたことで楽器の構造に興味を持ち、やがて自らの生業とすることを決意、アントニオよりも先にCarmonaの工房を辞し、グラナダのメンター的存在として今では名高いエドゥアルド・フェレールの工房に16歳の時に入ります。しかし最初はカスタネットを主に製作、生活のため家具職人に戻ることも考えるなど迷った時期もあったようですが、彼の木工技術の才能を見抜いたエドゥアルドがバンドゥーリアとギター製作をフルタイムで行う職人として再雇用し、ここで遂にマヌエルは本格的な楽器製作に従事することになります(このあとアントニオ・マリンもまたエドゥアルドの工房に入り、再び2人は同僚となります)。そして1960年、兵役を終えた21歳の時にマヌエルは独立を決意し、盟友アントニオとともに共同ブランドMontero y Bellido を起ち上げます。

最初は自分達のラベルではなく師フェレールの工房品として、またはマヌエル・デ・ラ・チーカのラベルで出荷するなどして生計を繋ぎ、何度か工房の移転を余儀なくされるなどの困難もありながら、次第に顧客を獲得してゆきます(R.S.デ・ラ・マーサ や パコ・デ・ルシアなどの名手たちからのアクセスも入るようになります)1970年代に入ると日本をはじめ国外からの注文でますます需要も高まり、工房にはマヌエルの弟ホセ・ロペス・ベジード(1943~)、アントニオの甥のパコ・サンチャゴ・マリン(1946~)、そしてラファエル・モレーノ(1954~)らが徒弟として加わり生産体制を強化してゆきます。しかし1973年にパコ・マリンが独立し、その翌年アントニオのもう一人の甥ホセ・マリン・プラスエロ(1960~)が工房に加わりますが、ここでマヌエルとアントニオの共同作業は終わりを迎え、それぞれ独立して製作を行うことになります(ホセ・マリンはこの後アントニオの工房で製作を始めることになります)。

マヌエルのギターは師エドゥアルドから受け継いだグラナダの伝統的な作風を基礎としながら、かなり大胆に構造的な試みを現在に至るまで行っています。しばしばそれはモダンギター的な趣さえも呈するものであるのにも関わらず、音色における彼の個性はどのモデルにも通底していることはある種驚愕に値すると言えるでしょう。反応のヴィヴィッドな木質感たっぷりの響きはいかにもグラナダ的ですが、音の表情にはどこかストイックなところがあり、これがなんとも渋い味わい。フラメンコモデルを主に製作しており、このジャンルの音楽的要望にしっかりとレスポンスし、かつ汎ジャンルなニュアンスを多く含んだ音はやはり独特の魅力を備え、コアなファンの評価も高いブランドとなっています。

現在はPaseo de Las Palmas,5 の細長い工房で彼の息子たち(ヘススとマウリシオ、ただしそれぞれ独立したブランドとして)とともに製作を行っています。


[楽器情報]
マヌエル・ベジード製作 1992年製Used 木ペグ仕様のフラメンコブランカ、 Especial モデルが入荷致しました。本作はフラメンコの名手チクエロ Chicuelo が使用したもので、さすがにしっかりと弾き込まれており、十分に鍛え、熟成されたような魅力的な1本となっています。

マヌエルらしい、どの音も硬質できりっとした音像で、抒情に偏り過ぎずとも表情の変化は不足なく、常に上品な佇まい。そして発音と終止におけるその身振りの鋭敏さやうねりの感覚、弱音から強音への瞬間的な反応、ラスゲヤードのマッシブな音塊の感触はいかにもフラメンコ的な身振りに相応しく、このジャンルのギターとして十全の機能を有しています。

表面板内部構造はサウンドホール上側に2本、下側にも2本のハーモニックバーを設置し、このうち一番ブリッジ側の1本は低音側から高音側にかけてやや斜めに下がってゆくように設置されており、しかもこの4本ともそれぞれが高さも形状も微妙に異なる加工がされています。サウンドホールを囲むように補強プレートが貼られ、その外側には横板に添うようにして高低音側それそれに短い(ホール上下に配されたバーの間の長さだけ)1本ずつの力木が設置されています。そして扇状力木は左右対称に9本が設置されており、このうちセンターを含む低音側5本のみその先端をボトム部で受け止めるようにクロージングバーを設置(通常では高音側と低音側それぞれに一本ずつ、V字型になるように配置される)、ブリッジの位置には駒板よりも幅の狭いプレートが横幅いっぱいにわたって設置されているという全体の構造。レゾナンスはGの少し上に設定されています。

サウンドホール下に水平のバーと斜めに傾斜したバーの2本を配し9本の扇状力木という構造はフラメンコでは極めて珍しいと同時に、あのイグナシオ・フレタのギターを想起させる配置であることはとても興味深い。様々な実験と実践を現在に至るまで重ねてきたこのブランドにとって、当然これはこの時期だけの仕様とも言えますが、実験的でありながら音響的に十全な着地がなされているところは製作家の力量の所以でしょう。

塗装はオリジナルのセラックニスで、ボディ全体にスクラッチ傷、打痕、塗装のムラと摩擦による摩耗が見られます。裏板の高音側ボトム部分に割れ補修歴があります。ネックは真っ直ぐを維持しており、フレットはやや摩耗ありますが演奏性には問題のないレベルです。木ペグは特徴的なサップの入った黒と黄色の印象的な見た目で、現状で機能的な問題はありません。ゴルペ板はヘッドプレートの形状を模した洒落たカッティング。弦高は12フレットで3.5mm/2.5mmですが、ネックの差し込み角度によりフラットな感触があるため実際の数値よりも低く感じます。ネックシェイプは薄くフラットなDシェイプに加工されています。

グラナダを代表するブランドの、珍しく、また魅力的な佳品、おすすめの一本です。

定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 ホセ・ロメロ Jose Romero
モデル/品番 Model/No. Flamenco Blanca
010_Jromero_02_194
弦長 Scale Length 660mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1994年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides シープレス単板 Cypress
付属品 Option 軽量ケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ラッカー
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 3.1mm/6弦 3.2mm


〔製作家情報〕
Jose Romero Garrido 1954年スペイン、アンダルシア地方のバエサ生まれ。幼少の時に家族でマドリッドに移り、1968年14歳の時にラミレス工房に入り見習いとして製作家としてのキャリアをスタートします。地道に修行を重ね、途中兵役のため一旦工房を離れますが除隊後に再度ラミレス工房に入り、マスタークラフツマン試験を志願、ラミレス3世の高い評価を得て21歳で正規職人任命されます。その後8年間ラミレス工房にて働いた後、1983年に自身の工房をマドリッドに開設して独立。

クラシックとフラメンコでの製作を行い、ラミレス系マドリッド派らしい重厚でたっぷりとした音響特徴を備えながら、歯切れのよいシャープな音像がどこか現代的な感覚も感じさせるギターとなっており、特にフラメンコモデルでその評価が高いブランドです。


〔楽器情報〕
ホセ・ロメロ製作のフラメンコ ブランカ(白)モデル 1994年製 No.279 Usedが入荷致しました。ラミレス工房でのマスタークラフツマンを務めていただけに全体の造りはしっかりしており、フラメンコとしてのトータルクオリティは申し分ありません。ブランカとしてはやや太めの、しかしマドリッドらしい艶やかで濃密な単音、全体に硬めのくっきりとした響きが心地よく、フラメンコに不可欠なドライブ感、アタックの強さも十全です。表現力の点でもタッチに対する表情のレスポンスが秀逸で、微妙かつ多彩な変化を出せることが魅力、それでいてあくまでも品のある音のたたずまいはロメロの特徴と言えるでしょう。

内部構造はサウンドホール上側(ネック側)に2本、下側(ブリッジ側)に1本のハーモニックバー、左右対称7本の扇状力木(センターの一本以外は短く、ボトムまで伸びずにブリッジ付近で止まっている)にその先端を受け止めるように配置される2本のクロージングバーという配置。レゾナンスはF#の少し上に設定されています。

フラメンコギターとしてしっかりと弾き込まれてきたためか、表面板高音側とブリッジ周り(3弦位置に弦とび跡あり)などは弾き傷が多く見られます。また裏板は衣服による摩擦跡やスクラッチあとなどが年代相応にあります。表面板下部の高音側と低音側に一か所ずつ10センチほどの割れ修理歴、裏板ボトム部に2か所10センチ前後の割れ修理歴がありますが適切な処置がされているので今後の使用には問題ありません。ネックは厳密にはほんのわずかに順反りですが、演奏性の保持の上で初期出荷レベルと言える程度です。フレットも同様にわずかに摩耗が生じておりますがこちらも演奏上の問題は現状ではありません。全体はロメロとしては比較的珍しいオレンジ色のラッカー仕上げ。ネックシェイプは角がありフラットなDシェイプで薄めの加工。サドルは1mmほどの高さ調整余地がありますのでさらに弦高を低く設定することも可能です。

定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。


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