輸入クラシック 新作
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製作家/商品名
:
ゲルハルト・オルディゲス Gerhard Oldiges
モデル/品番 Model/No.
:
’’Homenaje’’ Romanillos 1973
弦長 Scale Length
:
650mm
国 Country
:
ドイツ Germany
製作年 Year
:
2025年
表板 Top
:
松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides
:
中南米ローズウッド Solid South American Rosewood
付属品 Option
:
ハードケース(ヒスコック)
備考 Notes
:
ネック:シポ 指 板:エボニー 塗 装:セラック 糸 巻:シェラー 弦 高:1弦 3.2mm/6弦 4.0mm 〔製作家情報〕 ゲルハルト・オルディゲス Gerhard J.Oldiges 1955年ドイツ生まれ。大学卒業後にギターやリュートなど幾つかの工房で修業を重ねたのち、1985年にマイスター制度による国家試験に合格しゲゼレを取得、1986年に創設当初のLakewood Guitars のリペア部門で働くことになります。1988年にベルギーで開催されたホセ・ルイス・ロマニリョス(1932~2022)のギター製作セミナーに参加し、この名工から彼のその後の方向性を決定づけるほどの影響を受けることになります。1989年には再び国家試験に合格しマイスターの称号を得るとともに、自身の工房を設立。 ロマニリョスとは師弟として、そして良き友人としてその後も関係は続き、スペイン、シグエンサで開催された講習会ではトビアス・ブラウンらとともに助手を務めています(この講習会には尾野薫、田邊雅啓、中野潤らが参加している)。また彼の畢生の名著と言える「アントニオ・デ・トーレス その生涯と作品」のドイツ語訳を刊行するなどギター文化を拡げてゆくためのアクションも積極的に行っています。自身もやはりトーレスを起点とするスペインの伝統的なギター、そして特にハウザー1世の製作美学に傾倒し、現在もこれらのマエストロたちのギターを規範とした、外観、音色ともに味わい深い楽器を製作。名手ジュリアン・ブリームが所有するなどプロギタリストからも高い評価を得て、非常に限られた製作本数ながら世界中で愛用者を獲得している、現代ドイツの代表的製作家の一人。 〔楽器情報〕 ゲルハルト・オルディゲス 2025年新作 ‘Homenaje’ の入荷です。名手ジュリアン・ブリームが愛奏したホセ・ルイス・ロマニリョス1973年製のギター Serial No.1930-1-73 を基に製作されたもので、2022年に惜しまれつつこの世を去ったこの稀代の名工への文字通りのオマージュモデル。(※ちなみにオリジナルのSerial No.の「1930」はロマニリョスが使用したヘルマン・ハウザー1世の表面板テンプレートが1930年製のものであったこと、「1」はこの型を使用しての1番目のギターであること、「73」は1973年を示しています) 20世紀後半以降のクラシックギター製作においてトラディショナルであることの意義を問い続け、その指標となったロマニリョス。その製作哲学にじかに接し自らの方向性を確立していったオルディゲスによる本作は、クラシックギターの純然たる本質を提示することの覚悟さえ感じさせる、濃密な美しさに満ちた一本に仕上げられています。 全体は1973年製オリジナルをベースとしながら、そこにオルディゲス自身の創意工夫、あるいは彼が直接ロマニリョス本人とまさにこの1973年製について議論したことを基にした改善などが施されており、示唆に満ちたものとなっています。ロマニリョスといえばまず何よりもあの外観のデザインが想起されますが、本作の完成度は世界屈指と言ってもよいほどで、製作家自身により厳しく選定されたヨーロピアンスプルースとブラジリアンローズウッドの目に鮮やかなコントラスト、コルドバのモスクの柱廊をイメージした有名なロゼッタ、ボディパーフリングとタイブロックの象嵌の精緻な美しさと気品、そしてこれらの細部の強さを一つの流れにして受けとめるヘッドデザインに至るまでまさに芸術的な美しさ。この点、ロマニリョス本人の作には細部に手仕事(決して達者とまでは言えなかったのですが)の生々しさが刻印され、それが独特の立体感を生み出しているのに対し、オルディゲスは同様に手の素朴さを残しつつ、絵画的なデザインとしての完成度が際立った仕上がり。 そして音が素晴らしい。ロマニリョス的音響と発音特性を見事にとらえながら、オルディゲスならではの解像度の高さとあくまでも上品な慎ましさをもって着地させており、もはやオマージュというよりも最高度の「共作」だとの感慨さえも抱かせるものとなっています。跳躍するような発音、室内楽的なパースペクティブを持った音響設計もそうですが、特筆すべきは単音における、声に比するほどの繊細な震えをもった歌もまたロマニリョス的で(あまり言われませんがロマニリョスのギターはスペインでも屈指の「歌う」楽器だと言えます)、まさに弦の運動が有機的に音へと変換されているような生々しい密度があります。それは機能面でも効果を発揮して、速い発音から終止までの持続、スタッカートやスラーなどの曖昧さのない身振り、自然なスピード感を生み出すなど、曲の要求に十全に反応します。音像は程よく角が取れた、ほんのりと木質の肌理を纏わせたような魅力的なもの、ここでもその明る過ぎず慎ましい色味がなんとも愛らしく、そして力強い。 表面板力木構造はサウンドホール上側(ネック側)に2本、下側(ブリッジ側)に1本で計3本のハーモニックバーを設置し、それぞれ高音側と低音側に1ヵ所ずつ開口部が設けられています。それら3本の開口部をくぐり抜けるように高音側と低音側とにそれぞれ一本の力木が表面板の木目にほぼ沿うような方向で設置されています(設置範囲は一番上と一番下のバーの間、ちょうど開口部の位置で両端が定められています)。サウンドホールの周りは大きなロゼッタで覆われたエリアをそのまま補強するようにパッチ板が貼られています。扇状力木は左右対称7本が設置され、ボトム部でこれらの先端を受け止めるように逆ハの字型に配置された2本のクロージングバー。駒板位置にはほぼ同じ面積で薄い補強板が貼られています。表板と横板との接合部分には形状の異なる2種類のペオネスが設置されているのですが、くびれ部より上は断面が三角形のもの、同じく下はすべて断面が椅子型のものを設置しています。7本の扇状力木は中央の3本が幅6.5mm高さ5mm、両外側2本ずつの計4本は幅3.5mm高さ2.5mmとサイズを変えており、これはオルディゲスがロマニリョスと1973年製モデルに関して議論をした際に出たアイディアで、ロマニリョス自身もその後の自作でしばしば採用しています。またハーモニックバーの開口部を通過して設置される力木はオリジナルでは2本ずつの計4本となっていますが、本作では1本に、しかも表面板木目に対して平行ではなくほんのわずかに斜めにして設置されています。駒板位置のパッチ補強もまたオリジナルと異なる仕様ですが、所有していたブリーム自身が後に同様のパッチプレートを追加しており、オルディゲスはこれに倣ったもの。さらにこれは力木構造とは別になりますが、横板は外側がブラジリアンローズウッド、内側は梨(Pear)の木を貼り付けて二重構造にしたものを使用(ただし厚みは併せて2mmで設定)しています。レゾナンスはGの少し下に設定されています。 ネック形状は殆どCに近いほどに丸みのあるDシェイプで薄めに作られているのでコンパクトなグリップ感。弦高値は3.2/4.0mm(1弦/6弦 12フレット)でサドル余剰は2.5~3.0mmありますのでお好みに応じてさらに低く設定することも可能ですが、弦の張りは中庸からやや弱めなので現在値のままでも左手はストレスを感じずに弾くことができます。ネックとヘッドプレートはVジョイント方式。駒板とヘッド天板もブラジリアンローズウッドを使用。糸巻はドイツの最高級ブランドScheller製で黒蝶貝ボタン仕様のものを装着しています。 現在もなおその広範な影響の深さを認識させられるように世界中の製作家(特に若い世代の充実した仕事が顕著ですが)が同様にオマージュをささげているホセ・ロマニリョス。その中でも、おそらくいま最もこれを製作するに相応しい製作家による、その極点とも言える逸品です。
定価(税込) : 4,400,000 円
販売価格(税込) :
4,180,000 円
製作家/商品名
:
ゲルハルト・オルディゲス Gerhard Oldiges
モデル/品番 Model/No.
:
1931年シンプリシオモデル ”La Flor” No.327
弦長 Scale Length
:
650mm
国 Country
:
ドイツ Germany
製作年 Year
:
2018年
表板 Top
:
松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides
:
メイプル Solid Maple
付属品 Option
:
ハードケース付属
備考 Notes
:
ネック:セドロ/天神:エボニー 塗 装:セラック 糸 巻:ロジャース(ブラス) 弦 高:1弦 3.7mm/6弦 4.0mm 〔製作家情報〕 1955年ドイツ生まれ。大学卒業後にギターやリュートなど幾つかの工房で修業を重ねたのち、1985年にマイスター制度による国家試験に合格しゲゼレを取得、1986年に創設当初のLakewood Guitars のリペア部門で働くことになります。1988年にホセ・ルイス・ロマニリョスのギター製作セミナーに参加し、この名工から彼のその後の方向性を決定づけるほどの影響を受けることになります。1989年には再び国家試験に合格しマイスターの称号を得るとともに、自身の独立した工房を設立。師であり友人であるロマニリョスの薫陶を受け、トーレスを起点とするスペインの伝統的なギター、そして特にハウザー1世の製作美学に傾倒し、現在もこれらのマエストロたちのギターを規範とした、外観、音色ともに味わい深い楽器を製作しています。 〔楽器情報〕 オルディゲス自身が自らその立脚点として挙げるトーレス、マヌエル・ラミレスへと続く系譜のなかでも、とりわけフランシスコ・シンプリシオの名は、彼が製作したギターの芸術的な完成度の高さから際立った魅力を放っていたものと思われます。本作はこの名工の1931年作#327のレプリカモデルで、横裏板に美しい楓材を使用した1本。オリジナルのニュアンスに肉薄するような入魂の作品となっています。硬質ながら真綿のような感触の楓ならではの音色はたとえようのない滋味をたたえ、この上なく上品で古雅な味わいを醸し出しています。 糸巻:ロジャース ブラス Performance video
定価(税込) : 時価
販売価格(税込) :
時価
製作家/商品名
:
ホセ・ビヒル Jose Vigil
モデル/品番 Model/No.
:
アウラオリジナルモデル Aura Original model No.118
弦長 Scale Length
:
640mm
国 Country
:
スペイン Spain
製作年 Year
:
2022年
表板 Top
:
松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides
:
メイプル Solid Maple
付属品 Option
:
ハードケース
備考 Notes
:
ネック:セドロ 指 板:エボニー 塗 装:セラック 糸 巻:シャーラー・グランドチューン(スネークウッド) 弦 高:1弦 2.7mm/6弦 3.7mm [製作家情報] 1979年 スペイン、アストゥーリアス生まれ。音楽家の父親のもと幼いころから音楽に囲まれた環境で育ちました。家具木工の勉強をしながらもギター製作への情熱やみがたく、グラナダに最初の工房を開きます。同地の名工アントニオ・マリンやラファエル・モレーノ、ジョン・レイなどの工房に足繁く通い、彼らの貴重なアドバイスをもとに自身の製作美学を洗練させてゆきます。演奏者が音楽表現に自由に集中できることをモットーとする彼の楽器は、材の選択、製作過程における環境の整備から楽器の細部に至るまで、細心の配慮を維持して完成されており、実に高い精度を備えたものとなっています。素直でしっかりした発音、やや太めのふくらみのある響きは師であるアントニオ・マリンを思わせるところもあり、耳によく馴染みます。若さと洗練が同居しているあたりは、伝統に深い敬意を払いながらも現代的なものを志向する近年の優れた若手にみられる傾向ですが、慎ましさの中にそれが表現されているのがこの作家の大きな魅力でしょう。新時代を担う製作家として、アウラが注目する一人です。 〔楽器情報〕 ホセ・ビヒル製作のアウラショップオリジナルモデル、横裏板に実に美しいフレイムメイプルを使用した新作が入荷致しました。 軽めのボディで木がじかに響くようなヴィヴィッドな発音はいかにもグラナダ的な感性を感じさせるとともに、音量も申し分ありません。加えてどこか慎ましく、ヨーロッパ的な洗練も同時に備わったところはこの製作家の他にはない個性と言えるでしょう。メイプル特有の角の取れた音像は真綿のような感触があり、それがこのブランドの本質的な明朗さと実によく親和して、自然にチャーミングとさえ言える音色を備えるにいたっています。 内部構造はサウンドホール上に2本、下側に1本のハーモニックバー、左右対称5本の扇状力木と、駒板真下位置には非常に薄く加工されたトランスヴァースバーがほぼ横板いっぱいにわたって設置されているという構造。トランスヴァースバーは1~3mmほどの低さで加工されているので5本の扇状力木はその上を乗り越えてボディボトム部まで伸びています(師のアントニオ・マリンやこの構造のオリジナルであるロベール・ブーシェは1cm前後の高さがあり扇状力木はこのバーを貫通する構造になっています)。レゾナンスはG~G#に設定されています。 640mmスケールでネックは薄めのCシェイプ加工が施されており、左手のグリップ感はとてもコンパクトな印象。ショートスケールなので弦の張りは比較的柔らかめなので両手共にストレスなく弾けます。 糸巻きはシャーラー製のグランドチューンシリーズ。ハードケース付き。 Performance video
定価(税込) : 時価
販売価格(税込) :
時価
製作家/商品名
:
ホセ・ビヒル Jose Vigil
モデル/品番 Model/No.
:
アウラオリジナルモデル Aura Original model No.138
弦長 Scale Length
:
640mm
国 Country
:
スペイン Spain
製作年 Year
:
2025年
表板 Top
:
松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides
:
中南米ローズウッド Solid South American Rosewood
付属品 Option
:
ハードケース付属
備考 Notes
:
ネック:セドロ 指 板:エボニー 塗 装:セラック 糸 巻:シャーラー・グランドチューン(スネークウッド) 弦 高:1弦 2.8mm/6弦 3.4mm [製作家情報] ホセ・ビヒル Jose Vigil 1979年 スペイン、アストゥーリアス生まれ。音楽家の父親のもと幼いころから音楽に囲まれた環境で育ちました。家具木工の勉強をしながらもギター製作への情熱やみがたく、グラナダに最初の工房を開きます。同地の名工アントニオ・マリンやラファエル・モレーノ、ジョン・レイなどの工房に足繁く通い、彼らの貴重なアドバイスをもとに自身の製作美学を洗練させてゆきます。演奏者が音楽表現に自由に集中できることをモットーとする彼の楽器は、材の選択、製作過程における環境の整備から楽器の細部に至るまで、細心の配慮を維持して完成されており、実に高い精度を備えたものとなっています。素直でしっかりした発音、やや太めのふくらみのある響きは師であるアントニオ・マリンを思わせるところもあり、耳によく馴染みます。若さと洗練が同居しているあたりは、伝統に深い敬意を払いながらも現代的なものを志向する近年の優れた若手にみられる傾向ですが、慎ましさの中にそれが表現されているのがこの作家の大きな魅力でしょう。新時代を担う製作家として、アウラが注目する一人です。 〔楽器情報〕 ホセ・ビヒル 2024年新作 です。ビヒル氏がアウラモデルとしてエクスクルージブな仕様で製作してくれた1本。アントニオ・マリンに代表される現代のグラナダ的特性を身体の芯にまで沁み込ませてきたであろうこの若き製作家の、そのみずみずしさが漲った新作です。 木を叩くような生々しい木質感とともに、いかにもグラナダらしい明るい発色の、さらりとした肌理の音像がたっぷりとしたエコーをともないながら発される、その清冽なプロジェクションとインパクトのある音圧はやはり彼の重要なメンターであるアントニオ・マリンを想起させるところがあります。しかしながらそのアンダルシア的明朗さはぎりぎりのところで彼ならではの洗練を経て、解放的ながらもどこか慎ましさが同居したような(ある意味製作家自身の姿であるような)、いかにも彼らしい gentleness こそがこのギターの魅力と言えるでしょう。上述の「木を叩いたような」アタック感のある発音は同時にタッチの擦過の感触も生々しく音像化し、いかにもギターらしい「爪弾き」の音の身振りが現れます。スペインギターとしての情緒と表情の変化にも不足なく、反応も素晴らしい、まさしく機能性と表現力の両方において優れたモデルとなっています。 表面板力木構造はサウンドホール上側(ネック側)に長短1本ずつのハーモニックバー、下側(ブリッジ側)に1本のハーモニックバー、ボディ下部は左右対称5本の扇状力木、駒板の、さらに厳密にいえばサドルの位置には幅1センチほどの補強板がほぼ横幅いっぱいにわたって設置されているという全体の配置。クロージングバーは設置されていません。レゾナンスはG~G#の間に設定されています。上記の力木配置はアントニオ・マリンのブーシェモデルを直ちに想起させるものですが、ビヒル氏はここで、ブーシェモデルではブリッジ(サドルの位置)に設置されているいわゆるトランスヴァースバーをその設置範囲を一にしながら、サイズをほぼ補強プレートに近いほんの数ミリの薄さ’中央部分のみやや高めにしてあります)に設定することでブーシェモデル的構造を彼なりに再構成していると言えます。 今回入荷のモデルは640mmスケールに加え、もともと薄めで丸みのある形状で作られたネックは非常にグリップ感がコンパクトで演奏性が高く、左手のストレスを軽減しています。弦高値も2.8/3.4mm(1弦/6弦 12フレット)とクラシックのしかもショートスケールモデルとしての初期設定としては低めになっています。そして弦の張りはやや強めの設定になっており、音にはしっかりとした張りと力強さがあります。 ショップオリジナルモデルとして製作家が特別にセレクトした表面板の松、横裏板の中南米産ローズウッドともに良材で、華やかさや凝った意匠は避け、しかしながら細部まで精緻な工作精度が行き届いた全面セラックによる美しい外観も凛として上品な佇まいとなっています。
定価(税込) : 1,540,000 円
販売価格(税込) :
1,232,000 円
製作家/商品名
:
パブロ・サンチェス・オテロ Pablo Sanchez Otero
モデル/品番 Model/No.
:
model Torres 7strings ’Aurora’ No.35
弦長 Scale Length
:
650mm
国 Country
:
スペイン Spain
製作年 Year
:
2022年
表板 Top
:
松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides
:
インディアンローズウッド Solid Indian Rosewood
付属品 Option
:
ハードケース
備考 Notes
:
ネック:セドロ 指 板:エボニー 塗 装:セラックニス 糸 巻:フステーロ(トーレス7弦用) 弦 高:1弦 3.6mm/6弦 4.2mm 〔製作家情報〕 1986年 スペイン北西部のガリシア州の美しい港湾都市ア・コルーニャに生まれる。 もともとは建築を学んでいましたが、机上での製図に終始する作業に飽き足らず、木にじかに触れることから生まれる仕事への興味が次第に増してゆきます。加えて音楽とその構造に対する深い関心は抑えがたくなり、何年か家具製作とデザインを学んだあと、2009年にバルセロナでJean Pierre Sardin のサマーコースでギター製作を受講。これを機に楽器製作を生業とする事を決心します。その後2009~2011年の2年間、美術工芸学校の古楽器製作のコースでヴァイオリンとルネサンスリュートの製作を学びます。そしてその間の2010~2012年の夏、シグエンサでの名工ホセ・ルイス・ロマニリョスの講習会に参加。そこでビウエラとスペイン伝統のギター製作法を、また楽器の修復技術についてのレクチャーを受講、彼にとって決定的な影響を受けることになりました。 その後スペインからイギリス、ノッティンガムシャーのニューアーク=オン=トレントに居を移し、同国のAdrian Lucas, James Listerらからもギターの製作を学びます。さらに2013年には居をベルギーのAmberesに移し、同地のLa Escuele Internacional de Luteria de Amberes(ILSA)にて楽器修復の学科を終了後、同校にて教鞭を執る傍ら本格的に製作活動を展開します。現在は工房を生まれ故郷であるスペイン、コルーニャに移し製作を継続。師ロマニリョスから受け継いだ、細部まで妥協を許さない繊細な造作、洒脱な意匠、トーレスを基本とするスペイン伝統工法に立脚した音色の魅力等は現在のスペインの若手の中でも静かに異彩を放っており、国内外で近年評価の高まりを見せています。 トーレスモデルをメインとするクラシックモデルの他、極めて個性的なデザインのブズーキ、マンドリン、ウクレレ、アコースティックギター等も製作。 〔カスタムモデルについて〕 カタログ掲載の通常ラインナップの他、クライアントの求めに応じてのカスタムモデルも柔軟に対応致します。 本モデルはカスタマーの依頼で製作された7弦クラシックギター。 ボディシェイプはマドリッドの名工、故マルセリーノ・ロペスのトーレス‛La Leona’モデルを規範とし、その他はロゼッタ、ヘッドシェイプその他細部の意匠に至るまでパブロ・オテロ氏による当モデルだけの完全オリジナルデザインで製作。糸巻きは老舗フステーロの威厳あるトーレスタイプの7弦用カスタムモデルを装着。全体に繊細で艶やかなセラックニスで仕上げられ、クラシックとモダンが融合したような美しいギターに仕上がっています。 アウラでは海外製作家のカスタムモデルご注文も承っております。 ご要望になるべく沿う形での完成を目指し、サイズや形状のご希望はもちろん、木材の選定からご相談させて頂きます。 自分だけの一本をお求めの方、気になる製作家で好みの仕様で作ってみたいという方、ぜひお気軽にお声を掛けて下さい。
定価(税込) : 時価
販売価格(税込) :
時価
製作家/商品名
:
パブロ・サンチェス・オテロ Pablo Sanchez Otero
モデル/品番 Model/No.
:
“Acineira” No.38
弦長 Scale Length
:
650mm
国 Country
:
スペイン Spain
製作年 Year
:
2023年
表板 Top
:
松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides
:
ペアウッド Solid Pearwood
付属品 Option
:
ハードケース黒
備考 Notes
:
ネック:セドロ 指 板:黒檀 塗 装:セラックニス 糸 巻:SCHALLER 弦 高:1弦 3.2mm/6弦 4.0mm 〔製作家情報〕 1986年 スペイン北西部のガリシア州の美しい港湾都市ア・コルーニャに生まれる。 もともとは建築を学んでいましたが、机上での製図に終始する作業に飽き足らず、木にじかに触れることから生まれる仕事への興味が次第に増してゆきます。加えて音楽とその構造に対する深い関心は抑えがたくなり、何年か家具製作とデザインを学んだあと、2009年にバルセロナでJean Pierre Sardin のサマーコースでギター製作を受講。これを機に楽器製作を生業とする事を決心します。その後2009~2011年の2年間、美術工芸学校の古楽器製作のコースでヴァイオリンとルネサンスリュートの製作を学びます。そしてその間の2010~2012年の夏、シグエンサでの名工ホセ・ルイス・ロマニリョスの講習会に参加。そこでビウエラとスペイン伝統のギター製作法を、また楽器の修復技術についてのレクチャーを受講、彼にとって決定的な影響を受けることになりました。 その後スペインからイギリス、ノッティンガムシャーのニューアーク=オン=トレントに居を移し、同国のAdrian Lucas, James Listerらからもギターの製作を学びます。さらに2013年には居をベルギーのAmberesに移し、同地のLa Escuele Internacional de Luteria de Amberes(ILSA)にて楽器修復の学科を終了後、同校にて教鞭を執る傍ら本格的に製作活動を展開します。現在は工房を生まれ故郷であるスペイン、コルーニャに移し製作を継続。師ロマニリョスから受け継いだ、細部まで妥協を許さない繊細な造作、洒脱な意匠、トーレスを基本とするスペイン伝統工法に立脚した音色の魅力等は現在のスペインの若手の中でも静かに異彩を放っており、国内外で近年評価の高まりを見せています。 トーレスモデルをメインとするクラシックモデルの他、極めて個性的なデザインのブズーキ、マンドリン、ウクレレ、アコースティックギター等も製作。 〔楽器情報〕 パブロ・オテロの新作は今年2023年6月スペイン、バダローナで開催された国際製作家フェスティバルのホセ・ルイス・ロマニリョスメモリアルに出品されたもので、文字通り彼にとっての最大のメンターであるこの名工へのオマージュとなるスペシャルモデル。彼のギターには(これも師の流儀に倣って)それぞれ固有名がつけられていますが、本作の“Acineira”は「ホルムオーク(常盤樫)」の意。師の自邸の庭に生えていた樫の木から加工した材を、ロマニリョス本人から直接譲り受けた彼が、その思い出を刻印するように本作の意匠にあしらっており、それを名前としたもの。すでにトーレスモデルで瞠目すべき仕事を世に出している彼ですが、その同じテンプレート(1888年製のSE114)と構造を採用しながら、ロマニリョスギターから得たインスピレーション、そして自らのクリエイションをそこに投入してつくり上げた渾身の力作となっています。 まずその外観に目を奪われますが、表面板はベアクロウの入ったヨーロピアンスプルース、横裏板は立体的な光沢のある美しいコーラルレッドのペアウッド(pearwood)を使用し、裏板は4ピース仕様。師との思い出の樫材は実に慎ましく、しかし存在感たっぷりにロゼッタの中央にあしらわれ、それを細かな長方形のモチーフと特徴的なヘリンボーンの象嵌が取り囲むというデザイン。このヘリンボーンはパーフリングや裏板のセンターにも使用され、茶と黒そして松材と同じ柔らかな黄色を基調とした文様が明るい外観の中で実に洒落たアクセントとなっています。また銀杏の葉のブランドロゴはヘッド裏に埋め込まれています。その細部まで精緻な細工はオテロ氏の真骨頂といえるものですが、本作においては特にその繊細さと大胆さが際立っており、美しいセラックニスの仕上げと相まってその佇まいはある種の高貴ささえ感じさせるほど。 表面板構造はサウンドホール上側(ネック側)に2本、下側(ブリッジ側)に1本のハーモニックバーが設置され(これら3本ともそれぞれ形状も大きさも異なる)、左右対称7本の扇状力木とそれらの先端をボトム部で受け止めるようにV字型に配置された2本のクロージングバーというパターン。レゾナンスはFの少し上に設定されています。 発音には十分な粘りがあり、しなやかでくっきりとした音像が素早く立ち上がってきますが、同時にとても深い奥行きを持っており、オールドスパニッシュを想起させる音響設計。低めのレゾナンス設定が絶妙な重心感覚を生み出しており、ボディ全体が震えるような低音から艶やかで洗練されたされた高音までの自然なバランスが素晴らしい。その清冽さと同時にどこか古雅なニュアンスを含んだ音と表情もまた彼ならではの個性と言えるでしょう。音量的にも非常に豊かに鳴っており、また多様な音楽的要求に応じて瞬間的に反応するその身振りの素早さも特筆すべき点となっています。ネック形状はDシェイプで丸みをしっかりととって加工されているのでほとんどCシェイプに近い感触、ナット幅もやや抑えたサイズで設定されているので左手にすっと収まるようなとてもコンパクトな感覚があります。 偉大なマエストロへの深い敬意と職人としての高い矜持、パブロ・オテロ入魂の濃密な一本です。
定価(税込) : 時価
販売価格(税込) :
時価
製作家/商品名
:
パブロ・サンチェス・オテロ Pablo Sanchez Otero
モデル/品番 Model/No.
:
トーレスモデル model Torres ’La Retornada No.32
弦長 Scale Length
:
650mm
国 Country
:
スペイン Spain
製作年 Year
:
2024年
表板 Top
:
松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides
:
インディアンローズウッド Solid Indian Rosewood
付属品 Option
:
ハードケース(ヒスコック)
備考 Notes
:
ネック:セドロ 指 板:エボニー 塗 装:セラック 糸 巻:バーネット 弦 高:1弦 3.5mm /6弦 4.0mm 〔製作家情報〕 パブロ・サンチェス・オテロ Pablo Sanchez Otero(1986~) スペイン北西部のガリシア州の美しい港湾都市ア・コルーニャに生まれ、現在も同地に工房を構える製作家。 もともとは建築を学んでいましたが、机上での製図に終始する作業に飽き足らず、木にじかに触れることから生まれる木工への興味が次第に増してゆきます。これがギターに対する愛情と重なってゆき、地元の工芸専門学校で何年か家具製作とデザインを学んだあと、2009年にバルセロナの製作家 Jean Pierre Sardin 主宰のサマーコースでギター製作を受講。これを機に楽器製作を生業とする事を決心します。その後2011年までの2年間、地元の美術工芸学校の古楽器製作のコースでヴァイオリンとルネサンスリュートの製作を学びます。また2010年と2012年の夏には、彼の彼の製作哲学に決定的な影響を与えることになる、名工ホセ・ルイス・ロマニリョスのシグエンサ講習会に参加。そこでロマニリョス本人の他 Jaum Bosser やステファン・リーズらからもビウエラとスペイン伝統のギター製作法を、また楽器の修復技術について学んでいます。 その間も知識と技術を磨くべく、彼はスペインからイギリス、ノッティンガムシャーのニューアーク=オン=トレントに居を移し、同国のAdrian Lucas, James Listerらからアコースティックやエレキギターの製作を学びます。さらに2013年にはベルギーのAmberesに移り、同地のLa Escuele Internacional de Luteria de Amberes(ILSA)にて楽器修復の学科を終了後、2019年まで同校にて教鞭を執る傍ら本格的に製作活動を展開します。現在は工房を生まれ故郷であるスペイン、コルーニャに移し製作と修復を精力的に行っています。 最大の師であるロマニリョスから受け継いだ、細部まで妥協を許さない繊細な造作、木の個性を活かした落ち着きのある洒脱な意匠、トーレスを基本とするスペイン伝統工法に立脚しながらどこかクロスオーバーな瑞々しい音色の魅力等は現在のスペインの若手の中でも静かに異彩を放っており、国内外で評価の高まりを見せています。 トーレスモデルをメインとするクラシックモデルの他、極めて個性的なデザインのブズーキ、マンドリン、ウクレレ、アコースティックギター等も製作しています。 〔楽器情報〕 パブロ・サンチェス・オテロ製作 'La Retornada' 2020年 ♯32 の入荷です。 本作は氏がベルギーのILSAで教鞭を執っていた頃に着手され、昨年2024年の夏に完成されたもので、当初は出荷用としてではなく、いくつかのギターフェスでの展示としてのみ公にされた、いわば秘蔵の一本と言えるもの。彼のラインナップにおけるもっとも主要なモデルであるトーレスモデル(アントニオ・デ・トーレスの銘器 1888年製のSE114をベースに、オテロ氏の個性的なセンスを盛り込んだオリジナルなモデル)と同じ設計で作られており、表面板はヨーロピアンスプルース、横裏板はインドに野生していた純粋なインディアンローズウッドで1950年ごろに英国に輸出されたものを使用しており、まさにその野趣あふれる木目に目を奪われます。全体はセラックニスによる繊細な仕上げで、この製作家ならではの慎ましくもモダンな外観を気品たっぷりにまとめあげています。 表面板力木構造はサウンドホール上側(ネック側)に2本、下側(ブリッジ側)に1本のハーモニックバー、サウンドホールの高音側と低音側にはそれぞれ1枚ずつの薄い補強板と、近接する横板のカーブに沿うように斜めにして1本ずつの短い力木が設置されています。そしてくびれ部より下は左右対称7本の扇状力木とそれらの先端をボトム部で受け止めるようにV字型に設置された2本のクロージングバーという全体の配置構造で、トーレス作のSE114の設計に忠実に倣っています。レゾナンスはF♯の少し上に設定されています。ネックは薄いCラウンドシェイプでスペイン製としてはとてもコンパクトなグリップ感があり、日本女性の方でもストレスを感じないような形状で作られています。弦高値は3.5/4.0mm(1弦/6弦 12フレット)、高音側はやや高めの設定ですが弦の張りが中庸なのでやはりさほどに弾きにくさは感じません、サドル余剰は2.5~3.5mmありますのでお好みに合わせてさらに低く調整することも可能です。重量は1.43㎏。 低音の重心感ときりっとした高音とが前景化し中低音が慎ましくそれを支えるようなバランス感で、独特の遠近感が生まれており、ポリフォニックな旋律において各声部が彫塑的に現出する感覚があります。インディアンローズウッド仕様ならではの迫力ある響きですが、表情は華やかさよりもむしろ木のナチュラルな響きゆえの落ち着きがあり、演奏において曲に明確な雰囲気を与えています。 本器に名付けられた 'La Retornada' は「帰還せし者」の意で、スペインからイギリス、ベルギーを経て生まれ故郷へと戻ってきた製作家自身の姿もまた投影したものとなっています。
定価(税込) : 1,760,000 円
販売価格(税込) :
1,408,000 円
製作家/商品名
:
パブロ・サンチェス・オテロ Pablo Sanchez Otero
モデル/品番 Model/No.
:
トーレスモデル model Torres ’La Perdiz’ No.44
弦長 Scale Length
:
650mm
国 Country
:
スペイン Spain
製作年 Year
:
2025年
表板 Top
:
松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides
:
バーズアイメイプル Solid Birdseye Maple
付属品 Option
:
ハードケース黒(Manzano case)
備考 Notes
:
ネック:セドロ 指 板:エボニー 塗 装:セラック 糸 巻:フステーロ 弦 高:1弦 3.6mm/6弦 4.5mm 〔製作家情報〕 パブロ・サンチェス・オテロ Pablo Sanchez Otero(1986~) スペイン北西部のガリシア州の美しい港湾都市ア・コルーニャに生まれ、現在も同地に工房を構える製作家。 もともとは建築を学んでいましたが、机上での製図に終始する作業に飽き足らず、木にじかに触れることから生まれる木工への興味が次第に増してゆきます。これがギターに対する愛情と重なってゆき、地元の工芸専門学校で何年か家具製作とデザインを学んだあと、2009年にバルセロナの製作家 Jean Pierre Sardin 主宰のサマーコースでギター製作を受講。これを機に楽器製作を生業とする事を決心します。その後2011年までの2年間、地元の美術工芸学校の古楽器製作のコースでヴァイオリンとルネサンスリュートの製作を学びます。また2010年と2012年の夏には、彼の彼の製作哲学に決定的な影響を与えることになる、名工ホセ・ルイス・ロマニリョスのシグエンサ講習会に参加。そこでロマニリョス本人の他 Jaum Bosser やステファン・リーズらからもビウエラとスペイン伝統のギター製作法を、また楽器の修復技術について学んでいます。 その間も知識と技術を磨くべく、彼はスペインからイギリス、ノッティンガムシャーのニューアーク=オン=トレントに居を移し、同国のAdrian Lucas, James Listerらからアコースティックやエレキギターの製作を学びます。さらに2013年にはベルギーのAmberesに移り、同地のLa Escuele Internacional de Luteria de Amberes(ILSA)にて楽器修復の学科を終了後、2019年まで同校にて教鞭を執る傍ら本格的に製作活動を展開します。現在は工房を生まれ故郷であるスペイン、コルーニャに移し製作と修復を精力的に行っています。 最大の師であるロマニリョスから受け継いだ、細部まで妥協を許さない繊細な造作、木の個性を活かした落ち着きのある洒脱な意匠、トーレスを基本とするスペイン伝統工法に立脚しながらどこかクロスオーバーな瑞々しい音色の魅力等は現在のスペインの若手の中でも静かに異彩を放っており、国内外で評価の高まりを見せています。 トーレスモデルをメインとするクラシックモデルの他、極めて個性的なデザインのブズーキ、マンドリン、ウクレレ、アコースティックギター等も製作しています。 〔楽器情報〕 パブロ・サンチェス・オテロ製作 トーレスモデル 'La Perdiz' 2025年 #44 新作の入荷です。 彼のフラッグシップモデルとなっているもので、アントニオ・デ・トーレスの銘器 1888年製のSE114をベースに、慎ましくモダンな雰囲気を纏わせたような、瑞々しく個性的なトーレスモデルに仕上がっています。本器に付けられた名前 ’La Perdiz’はヤマウズラの意で、これは横裏板に使用されたバーズアイメイプルのスペイン名‘arce ojo de perdiz’ からとったものだそう。 表面板力木構造はサウンドホール上側(ネック側)に2本、下側(ブリッジ側)に1本のハーモニックバー、サウンドホールの高音側と低音側にはそれぞれ1枚ずつの薄い補強板と、近接する横板のカーブに沿うように斜めにして1本ずつの短い力木が設置されています。そしてくびれ部より下は左右対称7本の扇状力木とそれらの先端をボトム部で受け止めるようにV字型に設置された2本のクロージングバーという全体の配置構造で、トーレス作のSE114の設計に忠実に倣っています。レゾナンスはFの少し下に設定されています。 トーレスよりもむしろロマニリョス的な発音特性で、撥弦における弾性が跳躍する粒のようにして音像化され、さらにそこに箱の容量を自然に活かしたようなふっくらとした奥行きが加わった、ナチュラルで凛とした響き。低音は重心をしっかりと感じさせながら、慎ましくも雄弁な中低音を経てきりっとした高音に至るバランスも心地よく、彫りの深い、室内楽的ともいえる音響は自然にポリフォニックな立体感を生み出しています。音色も魅力的で、バーズアイメイプル特有の真綿のような肌理の音像、そのクラシカルな佇まいがなんとも素晴らしい。必要に応じてダイナミックなうねりを生み出し、スペイン製ならではの迫力も十全に備わっているのでコンサートギターとしてのポテンシャルも高い一本です。 全体はセラックによる繊細な仕上げにより、ヨーロピアンスプルースとバーズアイメイプルの組み合わせによる明るい、ほとんど高貴ともいえる外観を引き立てています。ロゼッタなど非常に凝ったデザインながらあくまでも素材(オーク、メイプル、ウォルナット、ポプラ、レバノンセダー等)そのものの色と模様を活かしたナチュラルな意匠で慎ましくアクセントとなり、オリジナルのヘッドシェイプとその裏側に象嵌されたトレードマークの銀杏の一葉、フステーロ製の糸巻に至るまで美しく統一感のあるルックスはやはり魅力的。 ネック形状は薄いDシェイプですがほとんどラウンドに近いほど角の取れた形状をしており、しかも薄いのでかなり左手はコンパクトに感じます。弦高値は3.6/4.5mm(1弦/6弦 12フレット)と高めですが弦の張りが中庸なのでこのままでも弾きにくさはさほどに感じません、サドル余剰は2.5mmあります。重量は1.43㎏。
定価(税込) : 1,760,000 円
販売価格(税込) :
1,408,000 円
製作家/商品名
:
ショーン・ハンコック Sean Hancock
モデル/品番 Model/No.
:
ハウザー1世モデル Hauser I Model
弦長 Scale Length
:
650mm
国 Country
:
オーストラリア Australia
製作年 Year
:
2023年
表板 Top
:
松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides
:
バーズアイメイプル Solid Birdseye Maple
付属品 Option
:
ハードケース(ヒスコック:アイボリー)
備考 Notes
:
ネック:セドロ 指 板:エボニー 塗 装:セラック 糸 巻:ルブナー 弦 高:1弦 3.0mm/6弦 4.0mm [製作家情報] 1981年クイーンズランド(オーストラリア)生まれ。デンマークの木材加工業の血筋を引く父キム・ハンコックから11歳の時より製作を学ぶ。1997年16歳の時に彼の楽器がNestle Australia開催のネスカフェ・ビッグ・ブレークで1位を獲得し、これを機に本格的に製作の道を歩むことを決意、その後、Griffith大学にてプロダクトデザインを学びながら製作技術にもさらに磨きをかけてゆきます。 1999年のアメリカ旅行中に多くの名器にじかに触れる機会を得、特にヘルマン・ハウザーのギターに深い感銘を受けた彼は、セゴビアが使用したハウザーI世1937年製のレプリカモデル製作を開始します。そして2007年にはスペインでホセ・ロマニリョス主宰のマスタークラスにも参加し、スペインの伝統工法についての研鑚を積んでいます。 現在は父親のキム、兄のデインとともにHancock Guitarsとして工房を構え、それぞれの嗜好と技術を活かしたラインナップはアーチトップ、アコースティック、ウクレレなどにも及び、ハンドメイドにこだわった高品質ブランドとしてオーストラリア国内はじめ高い人気を獲得しています。 [楽器情報] ショーン・ハンコック製作のヘルマン・ハウザーモデル 2023年新作の入荷です。 彼のラインナップにおける定番モデルで、彼の出自たるこのドイツ最大の巨匠への繊細で力強いオマージュ。1937年製のセゴビアモデルにほぼ準拠しつつ、慎ましく彼自身の工夫が加えられ、あえてシンプルに伝統に立ち返ってゆくようなその姿勢は潔くさえあり、彼の深い矜持を感じさせます。 各音の整った粒立ちと自然なバランスというドイツ的キャラクターに加え、洗練された単音が和声的音程においては非常な深みとパースペクティヴを生み出してゆくハウザーならではの音響特性もしっかりと備わっています。タッチに対する反応性も高く、発音にはほどよい粘りと反発感があり、それゆえ音が指に吸いついてくるような感触。そして本作ではメイプル独特の真綿のような触感が音像に加わり、古雅とフレッシュネスが同居したような、いかにもクラシカルな表情。 表面板の力木配置は、サウンドホール上側(ネック側)に2本、下側(ブリッジ側)に1本のハーモニックバー、左右対称7本の扇状力木とこれらの先端をボトム部で受け止める2本のクロージングバー、ブリッジ位置には駒板とほぼ同じ範囲に薄いプレートが貼られているという全体構造。クロージングバーは低音側が高音側よりもほんの少し長く加工設置されており、通常この2本のバーは同じ長さでV字型になるように配置されますが、ここではへの字型に近い配置を採用。レゾナンスはF#の少し上に設定されています。 棹とヘッドの接合には、ハウザーやロマニリョスが用いた手間のかかるVジョイントを採用。松とバーズアイメイプルの素材感をそのまま活かしたような繊細極まりないセラック塗装、シンプルな外観のなかに、黒を基調にさりげなく茶とグレーを織り交ぜた洒脱なロゼッタを配し、さりげなく上品な味わいも演出しているところも魅力的なポイントです。 ボディは思い切って軽く加工されていますが(1.32㎏)、良材のセレクトと工作技術ゆえか、響きとしっかりと調和した安定した質感で強度が保たれており、この着地も見事。 演奏性も日本人の感触にフィットしており、ネックはCシェイプでやや薄めに加工されて握りやすく、弦の張りも中庸、発音の反応もよいので両手ともにストレスなく弾ける感覚があります。弦高は現在値で3.1mm/4.0mm(1弦/6弦 12フレット上)で標準値ですが、サドルには2mm程の余剰がありますのでお好みに応じてさらに低く設定することも可能です。 Performance video
定価(税込) : 1,650,000 円
販売価格(税込) :
1,320,000 円
製作家/商品名
:
アントニオ・ラジャ・フェレール Antonio Raya Ferrer
モデル/品番 Model/No.
:
No.250
弦長 Scale Length
:
650mm
国 Country
:
スペイン Spain
製作年 Year
:
2025年
表板 Top
:
松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides
:
インディアンローズウッド Solid Indian Rosewood
付属品 Option
:
ハードケース
備考 Notes
:
ネック:セドロ 指 板:エボニー 塗 装:セラック 糸 巻:フステーロ 弦 高:1弦 3.2mm/6弦 3.7mm [製作家情報] アントニオ・ラジャ・フェレール Antonio Raya Ferrer 1980年 スペイン、グラナダの生まれ。現在も同地に工房を構え製作を行っています。父は同地を代表する製作家の一人として日本でも人気のあったアントニオ・ラジャ・パルド(1950~2022)、そして母ピラール・フェレールは現在のグラナダ派形成の最重要人物ともいえるエドゥアルド・フェレール(1905~1988)の孫娘であり、彼は物心つく前からこの二人の名工が工房で製作する姿を見ながら育ったといいます。14歳の頃より父の工房で働き始め、17歳の時には自身のラベルで製作を開始。父親そしてグラナダの伝統に最大限の敬意を払いながら慎ましくその継承者としての任を自覚している誠実な彼は、父親同様にどこか柔和で素朴な作風が魅力的なブランドとして出発し、そして現在彼自身の成熟ゆえの帰結として、音響的そして造作精度的に高度の洗練を成し遂げた俊秀としての位置を確立するに至っています。 [楽器情報] アントニオ・ラジャ・フェレール 2025年新作 No.250 の入荷です。グラナダ派の次世代を担うべきブランドの充実した新作。彼らしい、あくまでグラナダ的伝統を基礎としながら、彼の中に自然に生成されていったであろう現代的な感性(イノヴェイティブな挑戦という意味ではなく)と、職人としての熟練が高次において極めて自然に融和しており、なんとも清々しく力強い一本に仕上がっています。 グラナダ派ならではの木を叩いたような生々しく高い音圧で明るく響き、しかし乾き過ぎず、その音像は洗練されて艶があり、発音から終止までの充実したニュアンスが持続します。各弦が明確なアイデンティティを持ちながら全体の統一したまとまりを形成しており、これが曲の中で各声部間の彫りの深さと遠近感を生み出すのに寄与しています。その響きのたたずまいは洒脱で時に紳士的でさえあり、雑味がなくクリアに拡がってゆくような投射感が心地よい。また音だけでなく外観もいかにもグラナダ的な爽やかさがあり、細部の造りの細やかさ、そしてセラック塗装の美しい仕上げに至るまで高い完成度。 表面板内部構造は、サウンドホール上側(ネック側)に1本のハーモニックバーと1枚の補強板、下側(ブリッジ側)に1本のハーモニックバー、左右対称7本の扇状力木にこれらの先端をボトム部で受け止めるようにハの字型に配置された2本のクロージングバー、駒板位置には短辺が駒板の2/3ほどの、しかし長辺は駒板よりも長い補強板がちょうど7本の扇状力木の間に収まるように設置されているという全体の構造。またサウンドホール周りにも補強板が、このパーツとしては珍しいと言えるほどに薄くされた、しかもサウンドホールと同心円上にではなく左右それぞれが「く」の字のように横板方向に張り出すような形状で造られています。また7本の扇状力木は一番両外側の計2本のみ他の5本の力木の2/3ほどの長さとなっており、隣の力木との間隔もわずかに狭く位置しています。レゾナンスはG~G#の間に設定されています。 ネック形状はDシェイプの普通の厚み。弦高は出荷時のままで 3.2/3.7mm(1弦/6弦 12フレット)、サドル余剰は1.5~2.5mmありますのでお好みに応じてさらに低く設定することも可能です。指板は高音側20フレット仕様。糸巻はスペインの高級糸巻Fustero製。重量は1.53㎏。 Performance video
定価(税込) : 1,650,000 円
販売価格(税込) :
1,320,000 円
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