ギターショップアウラ
ようこそ ゲスト さま
会員登録 ログイン カート お気に入り
English
ポータルサイト
アウラ音楽院
アクセス
お問い合わせ
トップ > ギターカテゴリー > 輸入クラシック 中古
輸入クラシック 中古   写真をクリックするとさらに大きなカタログ写真が表示されます。
製作家/商品名 ヘルマン・ハウザー3世 Hermann Hauser III演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. セゴビアモデル Segovia No.109
001_017_hauser_3_03_183_109
弦長 Scale Length 645mm
国 Country ドイツ Germany
製作年 Year 1983年
表板 Top 松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides インディアンローズウッド Solid Indian Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:マホガニー
指 板:エボニー
塗 装:ラッカー
糸 巻:シェラー
弦 高:1弦 2.8mm /6弦 3.9mm

〔製作家情報〕
ヘルマン・ハウザー Hermann Hauser
20世紀ドイツ最高のギターブランドであり、現在も4代目がその伝統を継承し製作を続けている、クラシックギターの世界では屈指の名門です。ヘルマン・ハウザーI世(1882-1952)が、ミゲル・リョベートが所有していたアントニオ・トーレスとアンドレス・セゴビア所有のマヌエル・ラミレスをベースにして自身のギターを改良し、後に「セゴビアモデル」と呼ばれることになる「究極の」名モデルを製作した事は良く知られています。それはトーレスがギターの改革を行って以降最大のギター製作史における事件となり、その後のギター演奏と製作との両方に大きな影響を与えることになります。1世が成し遂げた技術的な偉業は2世(1911-1988)、更に1958年生まれの3世に受け継がれ、それぞれが独特の個性を放ちつつ、このブランドならではの音色と驚異的な造作精度を維持したギターづくりを現在も続けています。1世はいまやトーレスと並ぶほどの高値がオークションではつけられ、1世のニュアンスにドイツ的な要素を加味した2世の作品もまたヴィンテージギター市場では高額で取引されています。3世はますますその工作精度に磨きをかけながら、長女のカトリン・ハウザーとともに現在も旺盛に製作を続けています。

ヘルマン・ハウザー3世(1958~)が初めてギターを製作したのは1974年、そして翌年地元の弦楽器工房で修行を始めており、ここですでにその技術は優秀だったようで、優れた徒弟に送られる賞を国から授与されるなどしています。この後ドイツ弦楽器製作の中心地とされているミッテンヴァルトの楽器製作学校に入学(父親も同地のヴァイオリン工房で修行)。これと並行して1978年から父であるハウザー2世のもとで製作を始めています。この最初期からそのクオリティはすでに瞠目すべきものがあり、マスタークラフツマンとして円満に製作していたかと思わせるものの、やはり父親の(そして祖父の)あまりにも輝かしい歴史と厳しい指導のプレッシャーは相当なものだったようです。しかし3世はここでただのコピーモデルを製作することに落ち着くことなく、ブランドの美学を十全に継承しながら自身の創意や工夫を凝らしたモデルラインナップを展開してゆきます。それは1980年代から始まり、1988年にハウザー2世が亡くなり正式にこのブランドを継いだ後の1990年代から2000年代にかけて進められてゆくことになるのですが、いわばドイツ性の極限までの洗練化とでもいうべきもので、鍵盤楽器のように整った音響設計、音像はそのクリアネスをさらに増し、さらには楽器本体の造作精度もこの上ないものになってゆく、モダンギターの趨勢には全く与することのない姿勢を保ちながら彼なりの現代性を獲得してゆくことになります。ハウザー家には彼の曾祖父の時から100年以上にわたって受け継がれてきた豊富な良材があり、これらの材を贅沢に使用した豪華な外観もまた3世の楽器の大きな魅力の一つとなっています。

〔楽器情報〕                                   
ヘルマン・ハウザー3世製作の「セゴビア」モデル、1984年製 No.109が入荷いたしました。3世最初期の佳品と呼べる1本。父2世の教えと影響を如実に受けながら、やはり非凡と言える工作精度と音響における確かな完成度は見事なもので、ハウザーブランドの名に恥じぬ個体となっています。1980年代のこの時期(つまり2世存命の時期)の特徴としては軽めなボディと明朗でスペイン的な発音とがあり、これは1世のキャラクターとも通底するもので、1990年代後半以降ドイツ的な傾向を深めてゆくものとは対照的な魅力に溢れたものとして現在も人気があります。

1世が開発したセゴビアモデルをベースにしながら、ここでは3世独自の(おそらくは2世からの影響も受けての)力木構造における試みが為されています。サウンドホール上下に1本ずつのハーモニックバーを配置し、左右対称7本の扇状力木と駒板位置には同じ幅の薄いプレートが貼り付けられているという全体の構造。サウンドホール下側のハーモニックバーはちょうど真ん中(サウンドホール真下の部分)でほんのわずかにネック側に向かって屈折しており、これは2世後期のギターにも見られた特徴です。また通常のセゴビアモデルでは設置されている2本のクロージングバー(ボトム部で扇状力木の先端を受けとめるようにハの字型に配置される)がなく扇状力木がボトム近くまで伸びています。7本の扇状力木は1世そして2世のセゴビアモデルと比べると扇の中心角の角度が小さく、力木が表面板の中央にやや寄り添うようにして配置されているのも特徴と言えます。レゾナンスはG#~Aの間に設定されています。

ハウザー的な特性である、全体に位相差のない定位感のしっかりした音響設計で、適切な重心感覚を持った低音から高音までが均質に、鍵盤的と言ってよいほどのバランスで構築されています。スペイン的な木の感触を持った音像というよりは、しっかりと音楽的に精製されたような音像が心地よい反発感を伴いながら発音されます。ハウザーにおいては時に非常な透徹さで現れるこの音像は、ここではふっくらとした奥行き(オーディトリアム感)があり、ブランドが不可避的に内包している厳しさと彼の優しさとの案配がいかにもこの時期の3世らしい。音の表情もやや明るめで、あくまで気品を失わずロマンティックに表情を変化させてゆくその表現力、スタッカートやスラ―など装飾的な身振りをはじめとする反応性など機能的な面でも秀逸です。

割れ等の大きな修理履歴はなく、表面板は指板両脇やサウンドホール高音側などに軽微な打痕や弾きキズ、駒板下には1弦位置に弦とび跡などありますが概ねきれいな状態、横裏板も衣服等による摩擦が少々あるのみできれいな状態です。ネック、フレットなど演奏性に関わる部分も問題ありません。ネックシェイプは薄めのDシェイプ、ネックとヘッドはVジョイント方式で接合されています。弦高値は2.8/3.9mm(1弦/6弦 12フレット)でサドル余剰は0.5~1.0mmとなっています。糸巻はドイツの高級メーカーScheller 製に交換されており、現状で動作状況は良好です。重量は1.60㎏。





定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  2,640,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 ビセンテ・カリージョ Vicente Carrillo
モデル/品番 Model/No. インディア エステューディオ INDIA ESTUDIO
001_carrilloV_02_208
弦長 Scale Length 650mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 2008年
表板 Top 松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides インディアンローズウッド Solid Indian Rosewood
付属品 Option スーパーライトケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ポリウレタン
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 3.2mm/6弦 3.8mm

〔製作家情報〕
1744年より代々続くギター製作の家系に生まれた当代ヴィセンテ・カリージョ Vicente Carrillo(1963~)は、著名なギタリストや弦楽器職人のアドバイスを積極的に取り入れると共に、精力的にその楽器の紹介にも取り組み2010年にはスペインの工芸家技術賞を獲得しています。良質なクラシックギターも製作していますが、特に彼のフラメンコギターは愛好者が多く、パコ・デ・ルシアやトマティートも所有していることで知られています。近年は名手カニサレスなどの使用によりますます世界的にシェアを拡大しているスペイン、クエンカの老舗ブランドです。                           

〔楽器情報〕 
ヴィセンテ・カリージョ製作 インディア・エステューディオ 2008年製 Used の入荷です。表面板はドイツ松、横裏板はインディアンローズウッド仕様のクラシックモデル。Estudioの名の通り「入門モデル」と位置づけられるもので、その機能性(音量の豊かさ、発音における反応の速さ)や演奏性(左手のグリップ感、弦のテンション感覚)において、アーティストからの厳しいフィードバックやモダンスタイルの設計なども柔軟に取り込みバランスフルな一本にまとめてしまう力量も持つ彼だけに、他のブランドの追従を許さぬような「ちょうど良い」着地点が見極められており、実に弾き心地のよいギターとなっています。加えていかにもスペイン的な明朗な響きも自然に備わっており、どのジャンルの音楽にも対応できるスタンダードな音色もまたこのブランドらしい。

カニサレスモデルなどでは格子状の力木構造を採用するなど現代的なアプローチもしていましたが、本作ではスタンダードな扇状力木の設計になっています。サウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に1本ずつのハーモニックバー、このうち下側の方のバーの中央部から高音側横板に向かって斜めに下がってゆくように設置された1本のトレブルバー的な力木と、これとは別に扇状に配置された5本の力木、ボトム部でこれらの先端を受け止めるようにハの字型に配置された2本のクロージングバーという全体の設計、レゾナンスはF#~Gの合い札に設定されています。

割れ等の大きな修理や改造歴はありません。表面板は高音側の指板脇からサウンドホールにかけて、ボトム部分の縁に沿って低音側~高音側まで弾き傷や打痕が見られます。また駒板下には1弦と3弦部分に弦飛び跡があるほか全弦のエリアで弦交換時のキズがあります。横裏板は全体に衣服による細かな摩擦跡やスクラッチ痕があり、また塗装は湿度の影響などによりやや白化していますが継続しての使用には問題ありません。ネックはほんのわずかに順反りですが標準設定の範囲内、ネック形状は薄めのDシェイプでフラットな設定になっておりコンパクトなグリップ感。弦高値は3.2/3.8mm(1弦/6弦 12フレット)でサドル余剰は2.0~2.5mmあります。スーパーライトケース(ブラック)付属。

新入荷 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  198,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 ステファン・コナー Stephan Connor
モデル/品番 Model/No. No.514
001_ConnorS_02_225
弦長 Scale Length 640mm
国 Country アメリカ U.S.A
製作年 Year 2025年
表板 Top 杉 Solid Ceder
横裏板 Back & Sides インディアンローズウッド Solid Indian Rosewood
付属品 Option ハードケース 
備考 Notes
ネック:マホガニー
指 板:エボニー
塗 装:表板 セラック /横裏板 ラッカー
糸 巻:ピンウェル
弦 高:1弦 2.8mm /6弦 4.0mm


[製作家情報]
アメリカ・マサチューセッツ州ケープコッドを拠点に活動するクラシックギター製作家。1994年より最高品質の素材を用い、演奏会レベルのクラシックギター製作を専門とする。スペイン伝統の美意識を基盤にしつつ、ラティス・ブレイシング、レイズド・フィンガーボード、サウンドポートなどの革新技術を取り入れた独自の設計を確立。豊かな音量と深みのある表現力で、世界の名演奏家たちから高い評価を受けている。

エリオット・フィスク、アサド兄弟、スコット・テナント、アナベル・モンテシノス、マルコ・タマヨ、アンヘル・ロメロら、国際的な演奏家たちが彼のギターを愛用。世界各地から自ら厳選したトーンウッドを使用し、工房にて長年にわたり自然乾燥・熟成させるなど、音響と美観の両面において徹底した品質追求を行っている。


[楽器情報]
アメリカ・マサチューセッツ州ケープコッドを拠点に、世界的な評価を誇るクラシックギター製作家ステファン・コナー氏による、貴重な2025年製の中古ギター(シリアルNo.514)が入荷いたしました。

Connor氏は、伝統的なスペインギターの美学と最先端の音響工学を融合させた設計で知られ、多くの国際的演奏家から絶大な支持を集めています。ラティス・ブレイシング構造やレイズド・フィンガーボード、サウンドポートなどの革新的な要素を採用しながら、音の深みと表現力を最大限に引き出す製作技術が光る一本です。

外観にはわずかな使用感・小傷が見受けられますが、全体として良好なコンディションを保っており、演奏面でも非常に安定しています。音の立ち上がりも良く、サロンからホールまで幅広いシーンで力を発揮してくれる1本です。


新入荷 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  2,750,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 ペール・ハルグレン Per Hallgren
モデル/品番 Model/No. オリジナルモデル No.281
001_HallgrenP_02_221
弦長 Scale Length 650mm
国 Country スウェーデン Sweden
製作年 Year 2021年
表板 Top 松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides インディアンローズウッド Solid Indian Rosewood
付属品 Option ハードケース(HISCOX)
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:シェラー
弦 高:1弦 2.9mm /6弦 4.0mm

[製作家情報]
ペール・ハルグレンPer Hallgren スウェーデンの製作家。1986年より製作を始める。当時スウェーデンでは楽器製作に関する公的な教育機関がなく、ペール氏曰く「あまり上質ではない」ギターメーカーから情報をえるのがやっとというような環境であったため、ほぼ製作ガイドブックなどを頼りに独学で製作を学んでいました。1990年代にカーディフ大学のベルナール・リチャードソン博士の知遇を得て、特にギターの音響学に就いての博士の膨大な研究成果を実地に学ぶ機会を得たことが、彼の最大の契機となります。もともとスペインのトーレスから始まる伝統的な工法に深く傾倒していた彼ですが、そこに現代のテクノロジーを用いての科学的なアプローチ、同国のすぐれたギタリストたちの交流と頻繁な意見交換による実践的なデータの収集、そして彼独自のセンスによって新たな音響として帰結させており、それはスペイン的伝統が北欧の感性風土のなかで洗練、再構築されたかのような鮮烈さまとったものとなっています。また外観的にも細部まで精緻を極めた造作と洒落た意匠(ヘッドシェイプ、ロゼッタ、ラベル等々)、セラックニスの繊細な仕上げはどれも特筆すべきもので、上記のデザインには彼が愛するスペインギターの巨匠たちへのオマージュと同時に、北欧独自の歴史的な意匠などが盛り込まれ、非常に美しいものとなっています。

スウェーデン国外にはこれまで出荷されたことがなく、ヨーロッパにおいても「知られざる名工」となっていた彼ですが、同国のギタリスト、イヨラン・セルシェルが近年コンサートギターとして使用し、またMartin Fogel氏やPer-Olov Kindgren氏などのギタリストたちが彼のギターを称賛していることからようやくその名が注目を集め始めています。


[楽器情報]
ペール・ハルグレン 2021年製 No.281 Usedの入荷です。 伝統的なスタイルと科学的なアプローチ、そして彼自身の北欧的な感性によって仕上げられた、清爽な力強さに満ちた一本。ベルナール・リチャードソン博士による音響学研究が彼のキャリア初期において道標となったことは自身によって語られるところですが、そのリチャードソンもまた、楽器にとっての良い音響とは最後は感性的な判断によって決定的となるとハルグレン氏に強くアドバイスしていることは興味深く、特別な示唆に満ちていると言うべきでしょう。そして実際に氏は楽器を成形し弦を張った段階で、塗装による仕上げを行う前におよそ数か月をかけて自ら試奏し、楽器のフィジカルな反応に極限まで自身の感性を研ぎ澄ませながら構造部分への最終的な精錬を行うのだとのこと。

結果完成したそのモデルは、緻密に構築された音響バランス、繊細さ、力強さ、身振りと表情、そのそれぞれの幅広く豊かな振幅を備えたものとなっており、深く伝統的で、そして完全に新しい。例えばスペインギターにおける、各音の微妙な凹凸感が全体に独特の響きの肌理やパースペクティブ(高音のメロディの前景化など)を生み出すのに対し、ここでハルグレン氏が構築しているのはすべての音が等しく前景化するようなプロジェクションを持ちながら、各声部がその明確な彫塑性によって声部ごとのアイデンティティを明確化しているような音響で、言いかえれば歌と伴奏がそれぞれ同じ強度を持っているのにお互いに抵触することのないような、その意味で極めて(モダンギターの方向性とは全く異なる)現代的なフェイズ感を持った音響設計となっています。

内部構造も基本的にスペイン伝統工法をベースとした扇状力木配置。しかしそのそれぞれの配置関係は独特のもので、それぞれの間隔、角度、長さが微妙に異なる上、サウンドホール下のハーモニックバーの微妙な傾斜、ボトム部のクロージングバーが高音側に一本のみ配されしかも着地点がボトム中央ではなく低音側にやや寄った位置になっているなど全体に細かに計算された左右非対称の配置。更には裏板のバーに関しても通常の3本のバーの他、ラディアル状(放射状)配置された力木が別に設置されており、その一部がバーをトンネル状に貫通し交差しています。レゾナンスはG#の少し下に設定されています。

全面セラック塗装の極めて美しい仕上げで、ロゼッタは北欧の伝統的な意匠をモチーフにしたものだとのこと。ネックはややラウンドがかかったDシェイプタイプ。糸巻きはドイツの高級糸巻きシェラー社製を装着。表面板に数か所の軽微な弾きキズが見られるほかはわずかに衣服等の擦れあとがみられるのみで、大変に良好な状態です。HISCOX ハードケース付属。




商談中 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  880,000 円

製作家/商品名 ヘロニモ・ペーニャ・フェルナンデス Jeronimo Pena Fernandez
モデル/品番 Model/No. Especial
001_JeronimoPF_02_178
弦長 Scale Length 670mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1978年
表板 Top 杉 Solid Ceder
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド Solid South American Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ラッカー
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 2.8mm /6弦 3.9mm

[製作家情報]
ヘロニモ・ペーニャ・フェルナンデス Jeronimo Pena Fernandez(1933~)スペイン、アンダルシア州のハエン県、マルモレホに生まれ、同地に工房を構える製作家。農家の子として育ちますが、9歳の時に大工の工房に弟子入りし(この工房ではしばしば地元の演奏家たちの楽器も修理していたようです)、ここで木工と装飾彫刻を学んでゆきます。幼少期からギターには興味を持っており、1950年代には独学でギターを作り始めています。それら初期の作の一つがフラメンコギタリストPepe Marchenaを通じてある数学教授兼コレクターのもとに渡り、その出来栄えに感動した彼は自身のコレクションから勉強のために銘器を貸し与えるとともに、フレッティングについての数学的な助言を与えるなどしています。1967年(1966年と記載している文献もあります)にはギター製作家として完全に独立して仕事をするようになりますが、ここに至るまでやはり全くの独学で製作技法を学んでいたものの、その木工技術の精密さ、音とデザインの独創性、すぐれた演奏性など楽器としてのトータルな完成度の高さによって評価と人気を得てゆくことになります。

1993年には自身の製先技法を詳細に記した著書「El Arte de un Guitarrero Espanol」を上梓しており、書中では大工工房でみっちりと修行した彼らしく木材の適正な伐採時期(彼によると1月の、満月から一日経った最初に欠ける日に伐採するのが最適だという)から極めてユニークな内部構造の設計についてなどが語られています。

彼のギターの特徴はまずその外観において、ヘッドと駒板の彫刻、厳選された木材の美しさ、やや大きめなサイズ感とその全体の比類の無い威容、エレガンスにまずはあると言えます。加えて内部構造ではアントニオ・デ・トーレスの伝統的なスペイン工法を土台としながら、より緻密で複雑な設計が為され、それは音響において彼がむしろアーティスティックな感性において追求し続けた音の丸み(redondez)を体現するものとして発想されているがゆえの、ある種数学的な有機性によって統一された極めて美しいものとなっています。またこうした独創性が決して発想の特異さのみに堕することなく、楽器として音楽的な豊かさに帰結しているところはやはり特筆すべきでしょう。

フラメンコとクラシックの両方を製作し、フラメンコではマノロ・サンルーカルらの名手が使用しそのカテゴリーでの名声が高まりますが、杉材の荘重な佇まいが印象的なクラシックがむしろ現在は人気のアイテムと言えるでしょう。付言すれば、イギリスのヘヴィメタルアーティストOzzy Osbourneの初期バンドメンバーであった夭折の天才ギタリストRandy Rhodes(彼は優れたメタルギタリストであると同時にクラシックの正統な教育も受けていました)が1979年製のヘロニモ・ペーニャ製作のクラシックモデルを愛用していたことで、ハードロックファンにはいまも伝説的かつ垂涎のアイテムの一つとなっています。

[楽器情報]
ヘロニモ・ペーニャ・フェルナンデス製作、1978年製 Especial モデル。非常に状態の良い美品Usedが入荷致しました。このブランドの符牒とも言える尖塔形のヘッドシェイプではなく、トーレスを思わせるスタイルで彫刻のデザインも異なります。またラベルも羊皮紙の巻物を紐解いたようなレトロなデザインでこれも彼の通常モデルとは異なり、Especialモデルのみの仕様のようです。ヘッドと駒板などの、印象的ですがしかしぎりぎりのところで抑制されたデザインの彫刻や意匠、彼の面目躍如たる厳選された材(おそらくSequoia杉を使用した表面板の赤みの深さ、横裏板は野趣溢れる中南米ローズウッドの組み合わせ)の美しさ、たっぷりとした容量のあるボディながらしかしスマートさを感じさせるきりっとした外観がやはり素晴らしい。指板エンド部分もささやかな木彫が施され、サウンドホールラベルを慎ましく引き立てていることも特筆すべき点でしょう。

実に特徴的な内部構造を持ったギターです。基本となるのはトーレス的なハーモニックバーと扇状力木の組み合わせ。サウンドホール上下に一本ずつのかなり強固なハーモニックバーを設置していますが、このうち下側のほうのバーはサウンドホールの真下部分を頂点として大きくネック方向に湾曲して設置されています。またネック脚を貫通するようにして1本、そしてネック脚と上側ハーモニックバーとの間にも1本の短くやや繊細な造りのバーを設置。下側ハーモニックバーの低音側のほぼくびれに近い部分からは同じように強固な造りのバーが横板に向かって斜めに下がってゆくようにしかもやはり湾曲して設置されています。サウンドホール周りにはまず一枚の補強板が貼られた上に高音側と低音側それぞれに一枚ずつの幅の狭い補強板が貼られているという二層構造。そしてボディ下部は左右対称5本の扇状力木と3本の等間隔に設置されたバー(これらはハーモニックバーよりも細く低い形状)とが交差しており、そのグリッド状になった枡目の一つ一つに対角線を結ぶようにしてX状の力木が設置されています。この小さなX状力木はサウンドホールの高音側と低音側にも(補強板縁から横板との範囲を覆うように)設置されています。これらXの延長線をつなげてゆくとちょうど表面板下部全体がモダンギターの特徴的な構造の一つラティスブレーシングと同じような格子状配置になるのが興味深い(ちなみにオーストラリアの製作家Greg Smallman が格子状力木を実用化したのも1970年代後半であり、名手ジョン・ウィリアムスが使用したのが1981年製で世界中に認知されるのは1980年代以降であるから、ヘロニモ・ペーニャとスモールマンの直接の影響関係は考えにくいのですが、両者の同時代的な進歩的精神の偶然の一致はギターの製作史を俯瞰してみると非常に象徴的なものを感じさせもします)。また裏板には両横板を繋ぐ計5本のバーと、センターの接ぎ部分にやはり二層構造で補強プレートが設置されている他、高音側と低音側のボトムからネック付け根までを繋ぐ各一本の補強板(裏板と同じ素材で作られている)がほんのわずかに湾曲して設置されてています。レゾナンスはF#とGの間に設定されています。

表面板のはスタンダードなサイズですが、ボディ厚みがアッパー部で10.6cm、ボトム部で11cmあるその容量の大きさと、木材の性質を十全に活かした響き。ふっくらとした奥行きを持ち、レゾナンスが低めながら低音に偏ることがなくむしろ高音域に渡るまで全体に整った、そして非常に洗練された統一感があり、構造的に格子状力木と近似しているせいか、弾性感をともなった、表面板から直に立ち上がってくるような発音が心地よい。音量はしかしモダンギターのような過度に増幅されたような感覚はなく、あくまでも自然に豊かに響きます。演奏において、特に高音の輪郭のはっきりした艶やかな音像が、十分なサスティーンと奥行きを持ちながらまるで形の整った玉のように連なってゆくのがなんとも魅力的で、それを低音の(低音自体も非常に引き締まった音像なのですが)たっぷりした響きが支えるような全体の音響はやはりスペインならではと言えるでしょう。

(コンディションについて)
表面板は駒板下1弦側に弦とび跡がありますが、その他は指板脇に数か所の軽微なスクラッチあとと衣服等による微細な摩擦あとのみで、横裏板もほぼ無傷に近く、年式を考慮すると全体に非常な美品と言える一本。割れ等の大きな修理や改造等の履歴はありません。ネックもほぼ真直ぐを維持しており、フレットも適正値、糸巻きはスペインの老舗ブランドFusteroを装着し、こちらも動作状況に問題ありません。ネックは普通の厚みのDシェイプ。ネックの差し込み角、ブリッジの設定などが絶妙で、670㎜の長いスケールを全く感じさせてない左手の演奏性。弦高値は2.8/3.9mm(1弦/6弦 12フレット)で、サドル余剰は0.5~1.0mm。弦の張りはスケールの割には中庸からむしろ弱めで、この点でも左手のストレスが軽減されています。重量は1.9㎏。


定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  792,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 ホセ・ラミレス 3世 Jose Ramirez III
モデル/品番 Model/No. 1a A2569
001_joseramirez_03_190
弦長 Scale Length 650mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1990年
表板 Top 杉 Solid Ceder
横裏板 Back & Sides インディアンローズウッド Solid Indian Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ポリウレタン
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 2.7mm /6弦 3.9mm

[製作家情報]
ホセ・ラミレス3世(1922~1995)の時期に製作されたギターは、革新的でありながら幅広いポピュラリティを獲得し、世界中のギタリストとギターファンとを魅了し続けました。ラミレス3世の息子4世(1953~2000)は18歳の時に父ラミレス3世の工房にて徒弟として働くようになり、1977年には正式に職人として認められます。1988年には妹のアマリアと共にブランドの経営を任されるようになり、父の製作哲学を引き継ぎながら、より時代のニーズに則した販売戦略(エステューディオモデルの製作、標準的な650mmスケールの採用等々)を展開しさらにシェアを拡大してゆきますが、3世亡き後わずか5年後の2000年にこの世を去ります。

〔楽器情報〕
ホセ・ラミレスのフラッグシップモデル「1A」1990年製 A2569 Usedです。ラベルに「86」の赤いシールが貼ってあり、スケールは650㎜仕様。表面板指板両脇、サウンドホール周りからボトムにかけて1~5㎜ほどの打痕や弾きキズが年代相応にあります。ブリッジ下部分は1、2、3弦箇所に弦とび跡があります。横裏板は衣服の摩擦などの軽微なもののみで、ネック裏は数か所軽微な打痕があります。ネックはわずかに順反り、フレットは2~3フレットでわずかに摩耗していますがいずれも演奏性には影響のないレベルです。

定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  440,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 ホセ・ラミレス Jose Ramirez
モデル/品番 Model/No. C-650 オーディトリオ トラディシオナル X0-066
001_joseramirez_04_211
弦長 Scale Length 650mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 2011年
表板 Top 杉・ノメックス ダブルトップ Ceder/Nomex
横裏板 Back & Sides インディアンローズウッド Solid Indian Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ポリウレタン
糸 巻:ラミレス
弦 高:1弦 2.9mm/6弦 4.0mm

[製作家情報]
100年以上続く歴史あるスパニッシュギターブランド ホセ・ラミレス Jose Ramirez。ホセ・ラミレス1世(1858~1923)の時代から現在のホセ・ラミレス5世まで、1世紀以上に渡りスパニッシュギター製作史における重要なブランドの一つとしてその名を刻み続けており、いまなおワールドワイドにマーケットを展開する工房です。

なかでもとりわけ評価が高く「Ramirez dynasty」 と言われるほどに豊饒の時代とされたホセ・ラミレス3世(1922~1995)の時期に製作されたギターは、革新的でありながら幅広いポピュラリティを獲得し、世界中のギタリストとギターファンとを魅了し続けました。1950年代末から1960年代、パウリーノ・ベルナベ、マリアーノ・テサーノスといった名職人が職工長として働き、高級手工品の品質を維持しながら大量生産を可能した独自の工房システムを確立します。そして1964年にこのブランドのフラッグシップモデルとして世に出した「1A」は、表面板にそれまでの松材に代わって杉材を使用、胴の厚みを大きくとり、横板は内側にシープレス材を貼り付けた二重構造、弦長は664mmで設定(通常は650mm)、さらに塗装には従来のセラック塗装からユリア樹脂のものに変更し耐久性を飛躍的に増すとともに、「ラミレストーン」と呼ばれる独特の甘く艶やかな音色を生み出し、真っ赤にカラーリングされた印象的な外観と相まってギター史上空前のポピュラリティを獲得することになります。

これらラミレス3世がクラシックギターに対して行った改革はマーケット戦略の面でも、また製作の面でも実に独創的でしかも時代の要請に十全に応じたもので、のちのギター製作全般に大きすぎるほどの影響を及ぼしたのと同時に、まさにクラシックギターのイメージを決定するほどに一世を風靡しました。

ラミレス3世の息子4世(1953~2000)は18歳の時に父ラミレス3世の工房にて徒弟として働くようになり、1977年には正式に職人として認められます。1988年には妹のアマリアと共にブランドの経営を任されるようになり、父の製作哲学を引き継ぎながら、より時代のニーズに則した販売戦略(エステューディオモデルの製作、標準的な650mmスケールの採用等々)を展開しさらにシェアを拡大してゆきますが、3世亡き後わずか5年後の2000年にこの世を去ります。

その後もアマリアを中心に柔軟な商品開発を継続しますが、2000年代以降はむしろ名手アンドレス・セゴビアの名演と共にその音色が記憶に残る3世と4世の時代につくられたモデルに人気が集中するようになり、特に製作を担当した職人のイニシャルが刻印されていた1960年代のものは往年のファンに現在も愛奏されています。


〔楽器情報〕
ホセ・ラミレス C650 Auditorio Tradicional(Class 1A)2011年製 X0-066 中古の入荷です。ちょうどこの年2011年に開発し販売されたモデルで、表面板はダブルトップ、指板は高音側20フレット、指板は12フレットからエンド部分までの部分が表面板からやや盛り上がったように設定されているいわゆるレイズドフィンガーボード仕様となっており、ラミレスがモダンギターの主要なスペックを取り入れたことでも話題になったモデルです。ダブルトップはNomex という蜂の巣状の化学繊維シート(Dupont 社が開発した、耐熱性、耐炎性に優れており、あらゆる電気絶縁要件を満たすとされる素材で、航空宇宙業界や交通インフラなどに世界中で採用されている)を2枚の杉材でサンドイッチ型に貼り合わせることで形成される表面板のことで、高い音圧とレスポンスの速さ等の機能的な特徴が際立っており、主にコンサートギタリストに重用されることの多い設計です。

表面板内部構造は、サウンドホール上下に一本ずつ配されたハーモニックバー、そしてそのうち下側のバーのちょうど中央で(つまりサウンドホール真下の位置で)交差するようにして、高音側から低音側に斜めに下りてゆくようにもう一本のバーを設置。この3本のバーのそれぞれ低音側には長さ4センチ高さ1㎜ほどの開口部が設けられています。6本の扇状力木がセンターの1本を境にして高音側に2本、低音側に3本配されており、それらをボトム部で受け止める2本のクロージングバー、そして駒板の位置に貼られたパッチ板という全体の配置で。レゾナンスはG#の上に設定されています。上記の構造はラミレスの「1A」モデルの基本構造がそのまま採用されており、ラミレスがあくまで音質や音色的特徴としてのブランドカラーを保持しつつ、モダンスタイルの設計を取り入れ、より時代の要請にフィットしたモデルを打ち出した形となっています。

ダブルトップに特徴的なある種「打楽器的」ともいえる迫力よりも、従来のラミレスの音量をそのまま増幅させたような響き。全体は高音が前景化するような音響バランスで、中低音~低音は重厚さというよりも強さですっきりと高音を支えるように鳴り、結果メロディーを際立たせ濃密に歌わせるラミレスらしい特徴がここでも聴くことが出来ます。

割れ等の大きな修理履歴はありません。表面板は全体に1~3mmほどの浅い打痕が点在しており、特に低音側の縁部分は若干のスクラッチ跡なども含めやや傷が集中して見られます。横裏板は衣服等による細かな摩擦跡のみとなっており比較的綺麗な状態です。ネックは真っ直ぐっを維持しており、フレットは1~5フレットでやや摩耗見られますが現状で演奏性に影響はありません。ネックシェイプも仕様に合わせてか、このブランドのとしてはかなり薄めのDシェイプで角の取れた形状に作られており、コンパクトなグリップ感。弦高値は2.9/4.0㎜(1弦/6弦 12フレット)でサドル余剰は1.5~2.0mmあります(現状下敷きを設置しており、その状態での設定値になります)。重量は1.70㎏。オリジナルハードケース付属(一部留め具に欠損ありますがケースとしての使用には影響ありません)

新入荷 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  770,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 オリヴィエ・ファントン・ダンドン Olivier Fanton d’Andon演奏動画あり
モデル/品番 Model/No.
001_OlivierFD_02_208
弦長 Scale Length 653mm
国 Country フランス France
製作年 Year 2008年
表板 Top 松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides インディアンローズウッド Solid Indian Rosewood
付属品 Option セミハードケース
備考 Notes
ネック:マホガニー
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 3.0mm /6弦 4.0mm

フランスの伝統的なギター製作技術と現代的な感性を融合させたルシアー、Olivier Fanton d'Andon(オリヴィエ・ファントン・ダンドン)氏による2008年製の中古クラシックギターが入荷いたしました。

Fanton d'Andon氏は、フランス南部に工房を構え、精緻なクラフトマンシップと音響設計の高さで知られる気鋭のギター製作家。伝統的なトーレス〜ブーシェの流れを汲みながらも、洗練された音色バランスと繊細な表現力を備えたギターを世に送り出しています。これまでに多くのコンサートギタリストや上級奏者に愛用されており、フランス国内外で着実に評価を高めている存在です。

今回入荷した本器は、2008年製の一本。深く柔らかい音色が印象的で、特に中音域のふくらみと高音の透明感が絶妙なバランスで共存しています。ピアニッシモからフォルテシモまでのダイナミックレンジも広く、表現力を追求する奏者にとっては非常に魅力的な楽器です。

外観には年式相応の小傷や使用感がございますが、演奏性・構造面においては非常に良好な状態を保っており、即戦力の一本としておすすめできます。

音色の美しさと深み、そしてフランス的エレガンスを併せ持った逸品。個性的かつ繊細な表現を求める方に、ぜひご試奏いただきたいギターです。

ご試奏や仕様の詳細につきましては、お気軽にお問い合わせください。




新入荷 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  2,200,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 パウリーノ・ベルナベ Paulino Bernabe演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. コンシエルト Concierto
001_Pbernabe_1_02_220_01
弦長 Scale Length 650mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 2020年
表板 Top 杉 Solid Ceder
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド Solid South American Rosewood
付属品 Option ヒスコック ケース 黒
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:シャーラー
弦 高:1弦 2.7mm /6弦 3.9mm

〔製作家情報〕
パウリーノ・ベルナベ1世 Paulino Bernabe(1932~2007)スペイン、マドリッドの製作家。自身も演奏を能くし、タレガの高弟ダニエル・フォルテアにギター演奏を師事していたのは有名な話。製作家としてはホセ・ラミレス3世の厚い信頼のもと、同工房にて1950年代から1960年代にかけて職工長を務め、この巨大ブランドの黄金期を支えた最重要人物の一人として、まずはギター製作史にその名を残す存在となりました。その後1969年に独立してからは伝統的な製法に則りながらも独自のメソッドによる個性的なギターを作り続け、1974年にドイツ、ミュンヘンで開催された国際クラフト博覧会で金メダルを受賞。そして往年のギターファンにとってはなんと言っても忘れ難い、ナルシソ・イエペスが愛用することになる有名な10弦ギターを製作することになります。息子のパウリーノ・ベルナベ Jr(1960~)は幼少の頃より父の仕事姿に親しみ、17歳の時には正式に弟子入りし20年以上に及ぶ厳しい修行と共同製作の時期を経て、2007年に1世亡き後はこのブランドを引き継ぎます。その後現在に至る2世の時代は父親のブランドコンセプトを十全に継承しつつ、より時代のニーズに合わせた(コストパフォーマンスとプレイヤビリティの双方において)充実したラインナップを展開し、若手のプロギタリストの使用率も高くなっています。現在マドリッドを代表するブランドの一つとして高い評価を得ています。

〔楽器情報〕
パウリーノ・ベルナベ 2020年製 コンシェルトモデル Usedの入荷です。割れ等の大きな修理履歴はなく、表面板の指板脇やサウンドホール周辺などに1㎜程度の浅く軽微な打痕が数か所あるほかはきれいな状態。裏板にはケース収納時または演奏時の衣服の摩擦等による表面的な塗装ムラが若干見られますがこちらも軽微なもの。ネックはやや順反りですが標準の範囲内、フレットは適正値を維持しています。




商談中 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  990,000 円

製作家/商品名 ルベン・モイセス・ロペス Ruben Moises Lopez演奏動画あり
モデル/品番 Model/No.
001_Rlopez_2_03_202
弦長 Scale Length 648mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 2002年
表板 Top 松 Solid Spruce
横裏板 Back & Sides インディアンローズウッド Solid Indian Rosewood
付属品 Option 軽量ケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 3.4mm/6弦 4.0mm

[製作家情報]            
1967年 スペイン、マドリッドの生まれ。父親は同地の名工として名高いマルセリーノ・ロペス・ニエト(1931~2018)。楽器ミュージアムと工房が一緒になったような自宅の環境の中で、彼は5歳の頃より木工についての基礎知識とギター製作を学び始めます。父親の工房でじっくりと熟成させるようにその技術を磨いていった彼は、満を持して1990年代の後半より自身のラベルにてギターを出荷するようになります。父親譲りの丁寧な仕事で仕上げられたギターは音色と外観とに独特の滋味を漂わせ、スペインの先達への敬意に溢れた楽器として、当初より高い評価を得てきました。現在は製作を行っておらず、父マルセリーノも他界してこの工房からの新作の知らせがなくなったことが、多くのギターファンから惜しまれています。

<楽器情報>
ルベン・モイセス・ロペス 2002年製 クラシック、オリジナルモデルです。父親であるマルセリーノ・ロペスの作風をさらに渋くしたようなヴィンテージ感漂うたたずまいは、同時代の製作家の中ではむしろ個性的とさえいえるマドリッド独特の雰囲気を湛えています。音色と響きも同様に渋く、しかしながら音量、表情、ダイナミックレンジや発音の反応性などどれも不足ありません。

全体に弾き傷、打痕等やや多くありますが大きな修理履歴はなく、ネック、フレット等演奏性に関わる部分での問題もありません。現在では貴重となってしまったブランドの珍しい中古での入荷です。





定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  385,000 円
注文数 :   


株式会社アウラ
〒110-0004
 東京都台東区下谷
 3-3-5アズール上野2F

TEL 03-3876-7207
FAX 03-3876-7206
営業時間 11:00-19:00
 (定休日:毎週水曜日)