自身のラベルによるものはクラシック、フラメンコそれぞれ一貫してワンモデルのみを製作。それ以外には工房品(「Para Casa Arcangel Fernandez」ラベル)としてバルベロ・イーホやマヌエル・カセレスらが製作を担当して出荷もしています。この二人はそれぞれ自身のオリジナルラベルでの製作も行っていますが、アルカンヘル工房品として出荷されたものも完全手工品として(ラベルには製作者の名前が明記されています)極めて高いクオリティのもので評価も高く、現在中古市場でも人気のアイテムとなっています。
自身のラベルによるものはクラシック、フラメンコそれぞれ一貫してワンモデルのみを製作。それ以外には工房品(「Para Casa Arcangel Fernandez」ラベル)としてバルベロ・イーホやマヌエル・カセレスらが製作を担当して出荷もしています。この二人はそれぞれ自身のオリジナルラベルでの製作も行っていますが、アルカンヘル工房品として出荷されたものも完全手工品として(ラベルには製作者の名前が明記されています)極めて高いクオリティのもので評価も高く、現在中古市場でも人気のアイテムとなっています。
〔楽器情報〕 マルセロ・バルベロ・イーホ製作 Para Casa Arcangel Fernandez(アルカンヘル・フェルナンデス工房品)ラベルによる1973年製Used、フラメンコモデル ブランカ(白)の入荷です。彼がアルカンヘルの工房で職人として働き始めて(つまり彼が独立した製作家として活動を始めて)間もない頃の作で、しかも彼としては比較的珍しいフラメンコモデル。
[製作家情報] フアン・フランシスコ・サルバドール・ヒメネス Juan Francisco Salvador Gimenez(1946~2010)スペイン、アンダルシア州アルメニアの La Canada de San Urbano 生まれ。ラベルには製作家名と共に「Bisnieto deTorres」と印刷されており、現在に至るクラシックギター製作の創始となり、その原型を作りあげた名工で同じアルメリア生まれのアントニオ・デ・トーレス(1817~1892)の曾孫であることが示されています。1959年、13歳のころから木工職人としての修行をはじめ、1973年の23歳の時には曾祖父の遺した型板を基にギター製作を開始。当時イギリスのSemley に工房を構えていた名工ホセ・ルイス・ロマニリョスのもとを何度か訪れ、製作に関する助言を受けています。トーレスのスタイルを踏襲し、なおも自身の研究を深めながらじっくり作られたギターには偉大なる曾祖父のそれとはまた異なる魅力があり、年間製作数がおよそ1~2本という寡作なブランドということもあって現在マーケットでは非常に珍しい楽器となっています。
1993年には自身の製先技法を詳細に記した著書「El Arte de un Guitarrero Espanol」を上梓しており、書中では大工工房でみっちりと修行した彼らしく木材の適正な伐採時期(彼によると1月の、満月から一日経った最初に欠ける日に伐採するのが最適だという)から極めてユニークな内部構造の設計についてなどが語られています。
[製作家情報] マヌエル・ベラスケス Manuel Velazquez(1917~2014) 1917年プエルトリコ生まれ。母方の祖父母はスペイン人で、名工サントス・エルナンデスの縁戚にあたります。農業に従事する家系に生まれながらも彼は家具職人として修業を始め、同時にギターも製作するようになります。16歳で最初のギターを製作し、その頃に製作したギターの完成度の高さに感銘を受けた地元のある音楽家からニューヨーク行きを勧められ、1941年移住。第二次大戦の時期には造船所で木工に携わります。地道に製作を続けていた彼のギターは1940年代後半から地元の名演奏家たちに愛用されるようになり、その後はアンドレス・セゴビアが彼のギターを称賛するなど、瞬く間に名声を獲得してゆきます。1972年にプエルトリコに戻りそこで工房を設立、1982年には再びアメリカに戻りヴァージニア州で9年間過ごした後、フロリダに移り製作を続けます。この頃から息子のアルフレッドも製作に参加するようになり、2014年にマヌエルが亡くなった後は彼が工房を引き継いでいます。