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製作家/商品名 ホセ・ラミレス2世 Jose Ramirez II
モデル/品番 Model/No.
001_joseramirez_02_157
弦長 Scale Length 652mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1957年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides マホガニー Mahogany
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:マホガニー
指 板:エボニー
塗 装:ラッカー
糸 巻:不明
弦 高:1弦 3.2mm/6弦 4.0mm

[製作家情報]
100年以上続く歴史ある工房にして世界的にも有名なスパニッシュギターブランドのひとつ ホセ・ラミレス Jose Ramirez。ホセ・ラミレス1世(1858~1923)の時代から現在のホセ・ラミレス5世まで、1世紀以上に渡りスパニッシュギター製作史のなかで最も重要なブランドの一つとしてその名を刻み続けており、いまなおワールドワイドにマーケットを展開する工房です。なかでもとりわけ評価が高く「Ramirez dynasty」 と言われるほどに豊饒の時代とされたホセ・ラミレス3世(1922~1995)の時期に製作されたギターは、革新的でありながら幅広いポピュラリティを獲得し、世界中のギタリストとギターファンとを魅了し続けました。

ラミレス3世を息子に持つホセ・ラミレス2世(1885~1957)は非常に早い時期から父1世の工房で働き始めます。3世によればその当時工房には1世の弟子であるエンリケ・ガルシアやフリアン・ゴメス・ラミレスといった歴史的な名工たちが働いており、製作を学ぶには絶好の環境だったと述懐しています。しかし優れたギタリストでもあった彼はある楽団からの誘いを受けて1904年に南米への演奏旅行に同行しますが、そのままアルゼンチン、ブエノスアイレスの地に居を構え、そこで家庭を持つことになります(ラミレス3世はこの時に生まれています)。1923年に1世が亡くなり、2世はその2年後にマドリッドに戻り父の工房を引き継ぎます。その時工房にはアルフォンソ・ベニート、マヌエル・ロドリゲスらが職人として製作に従事していたほか、のちに20世紀前半の代表的な名工と呼ばれることになるマルセロ・バルベロ1世(1904~1956)も徒弟として働いていました(バルベロ1世は自身が独立する前にまだ若いラミレス3世に製作の手ほどきをしています)。2世のギターは好評でいくつかの受賞歴もあり、スペイン内戦中(1936~1939)は経営的に厳しい局面を経験したもののその後はおおむね順調で、3世の仕事の充実、そして1953年にはパウリーノ・ベルナベが工房に加わることでやがて訪れる豊穣の時代の素地を着実に形成してゆきます。

[楽器情報]
ホセ・ラミレス2世 1957年作 Usedの入荷です。2世が亡くなる年に製作されたもので、当時工房で辣腕を振るっていた3世やベルナベらの監修もあったことが推測されます。

構造的には極めてオーソドックスなスタイルで、表面板力木配置はサウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に一本ずつのハーモニックバー、サウンドホール回りにやや広めの範囲で貼られた補強プレート、そして左右対称7本の扇状力木という全体構造。レゾナンスはG#~Aに設定されています。

やや強めの粘りと反発感を伴いながらきりっとした音が立ち上がってくる発音感はいかにもマドリッド的。木質で生々しい響きながら音像には密度と艶があり、音圧も充分に高い。高音が前景化してくるような音響設計はのちのラミレス3世のフラッグシップモデル1Aをさえ想起させるようなところがあり、その歌心いっぱいの音色はやはり魅力があります。

表面板のセンター、指板両脇、ボトム部低音側に複合的な割れの補修履歴があります。内側からパッチ補強はされておらず、接着のみの補修ですがそれぞれ適切な処置がされています。


定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  660,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 ホセ・ラミレス 3世 Jose Ramirez III(IM)演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. 1a C-664R IMスタンプ No.2055
001_joseramirez_03_167
弦長 Scale Length 664mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1967年
表板 Top 杉単板 Ceder
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option 軽量ケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ポリウレタン
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 2.8mm/6弦 3.8mm

[製作家情報]
100年以上続く歴史ある工房にして世界的にも有名なスパニッシュギターブランドのひとつ ホセ・ラミレス Jose Ramirez。ホセ・ラミレス1世(1858~1923)の時代から現在のホセ・ラミレス5世まで、1世紀以上に渡りスパニッシュギター製作史のなかで最も重要なブランドの一つとしてその名を刻み続けており、いまなおワールドワイドにマーケットを展開する工房です。

なかでもとりわけ評価が高く「Ramirez dynasty」 と言われるほどに豊饒の時代とされたホセ・ラミレス3世(1922~1995)の時期に製作されたギターは、革新的でありながら幅広いポピュラリティを獲得し、世界中のギタリストとギターファンとを魅了し続けました。1950年代末から1960年代、パウリーノ・ベルナベ、マリアーノ・テサーノスといった名職人が職工長として働き、高級手工品の品質を維持しながら大量生産を可能した独自の工房システムを確立します。そして1964年にこのブランドのフラッグシップモデルとして世に出した「1A」は、表面板にそれまでの松材に代わって杉材を使用、胴の厚みを大きくとり、横板は内側にシープレス材を貼り付けた二重構造、弦長は664mmで設定(通常は650mm)、さらに塗装には従来のセラック塗装からユリア樹脂のものに変更し耐久性を飛躍的に増すとともに、「ラミレストーン」と呼ばれる独特の甘く艶やかな音色を生み出し、真っ赤にカラーリングされた印象的な外観と相まってギター史上空前のポピュラリティを獲得することになります。

これらラミレス3世がクラシックギターに対して行った改革はマーケット戦略の面でも、また製作の面でも実に独創的でしかも時代の要請に十全に応じたもので、のちのギター製作全般に大きすぎるほどの影響を及ぼしたのと同時に、まさにクラシックギターのイメージを決定するほどに一世を風靡しました。

ラミレス3世の息子4世(1953~2000)は18歳の時に父ラミレス3世の工房にて徒弟として働くようになり、1977年には正式に職人として認められます。1988年には妹のアマリアと共にブランドの経営を任されるようになり、父の製作哲学を引き継ぎながら、より時代のニーズに則した販売戦略(エステューディオモデルの製作、標準的な650mmスケールの採用等々)を展開しさらにシェアを拡大してゆきますが、3世亡き後わずか5年後の2000年にこの世を去ります。

その後もアマリアを中心に柔軟な商品開発を継続しますが、2000年代以降はむしろ名手アンドレス・セゴビアの名演と共にその音色が記憶に残る3世と4世の時代につくられたモデルに人気が集中するようになり、特に製作を担当した職人のイニシャルが刻印されていた1960年代のものは往年のファンに現在も愛奏されています。


[楽器情報]
ホセ・ラミレス3世のフラッグシップモデル「1A」の中南米ローズウッド仕様、1967年製Usedです。本作はラミレス3世が急激にその名声とマーケットを拡大してゆく、つまり工房として最も充実した時期(楽器のクオリティという点においても)のもの。出荷されるプロフェッショナルモデルにはすべてマスタービルダーのイニシャルが刻印されており、当機はIMスタンプ、イグナシオ・マンサーノ・ロサスの作になります。

内部構造は1Aモデルの基本形。サウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に各1本のハーモニックバー、そして低音側から高音側に向かって斜めにボディを横切って設置された1本のトレブルバーがホール下側のバーとちょうど中央で交差しており、これは1Aモデルの特徴的な構造(2本のハーモニックバーは低音側に高さ数mmの開口部が設けられています)。扇状力木は6本がセンターの1本を境にして高音側に2本、低音側に3本を配し、ボトム部分でそれらの先端を受け止めるように2本のクロージングバーがハの字型に配置されています。ブリッジ位置には駒板よりも長いパッチ板が貼られています。レゾナンスはG#の少し上に設定されています。

全体に細かな弾きキズ、打痕、摩擦跡、塗装ムラ等ありますが年代考慮すると比較的良好な状態です。ネックもほぼ真直ぐを維持しており、フレットは1~5フレットでやや摩耗ありますが演奏性には問題のないレベルです。糸巻はオリジナルスペックのフステロ製を装着、つまみの回転にやや緩みはありますがギア部分の機能性は維持しており使用には問題ありません。




定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  1,237,500 円
注文数 :   

製作家/商品名 ホセ・ラミレス3世 Jose Ramirez III(MC)演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. 1a C-664R MCスタンプ No.4768
001_joseramirez_03_171
弦長 Scale Length 664mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1971年
表板 Top 杉単板 Ceder
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ポリウレタン
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 3.0mm/6弦 4.3mm

[製作家情報]
100年以上続く歴史ある工房にして世界的にも有名なスパニッシュギターブランドのひとつ ホセ・ラミレス Jose Ramirez。ホセ・ラミレス1世(1858~1923)の時代から現在のホセ・ラミレス5世まで、1世紀以上に渡りスパニッシュギター製作史のなかで最も重要なブランドの一つとしてその名を刻み続けており、いまなおワールドワイドにマーケットを展開する工房です。

なかでもとりわけ評価が高く「Ramirez dynasty」 と言われるほどに豊饒の時代とされたホセ・ラミレス3世(1922~1995)の時期に製作されたギターは、革新的でありながら幅広いポピュラリティを獲得し、世界中のギタリストとギターファンとを魅了し続けました。1950年代末から1960年代、パウリーノ・ベルナベ、マリアーノ・テサーノスといった名職人が職工長として働き、高級手工品の品質を維持しながら大量生産を可能した独自の工房システムを確立します。そして1964年にこのブランドのフラッグシップモデルとして世に出した「1A」は、表面板にそれまでの松材に代わって杉材を使用、胴の厚みを大きくとり、横板は内側にシープレス材を貼り付けた二重構造、弦長は664mmで設定(通常は650mm)、さらに塗装には従来のセラック塗装からユリア樹脂のものに変更し耐久性を飛躍的に増すとともに、「ラミレストーン」と呼ばれる独特の甘く艶やかな音色を生み出し、真っ赤にカラーリングされた印象的な外観と相まってギター史上空前のポピュラリティを獲得することになります。

これらラミレス3世がクラシックギターに対して行った改革はマーケット戦略の面でも、また製作の面でも実に独創的でしかも時代の要請に十全に応じたもので、のちのギター製作全般に大きすぎるほどの影響を及ぼしたのと同時に、まさにクラシックギターのイメージを決定するほどに一世を風靡しました。

ラミレス3世の息子4世(1953~2000)は18歳の時に父ラミレス3世の工房にて徒弟として働くようになり、1977年には正式に職人として認められます。1988年には妹のアマリアと共にブランドの経営を任されるようになり、父の製作哲学を引き継ぎながら、より時代のニーズに則した販売戦略(エステューディオモデルの製作、標準的な650mmスケールの採用等々)を展開しさらにシェアを拡大してゆきますが、3世亡き後わずか5年後の2000年にこの世を去ります。

その後もアマリアを中心に柔軟な商品開発を継続しますが、2000年代以降はむしろ名手アンドレス・セゴビアの名演と共にその音色が記憶に残る3世と4世の時代につくられたモデルに人気が集中するようになり、特に製作を担当した職人のイニシャルが刻印されていた1960年代のものは往年のファンに現在も愛奏されています。

〔楽器情報〕
ホセ・ラミレス3世 モデル1A 1971年製作 No.4768 MCスタンプのUsed入荷です。表面板はラミレスの符牒ともいえるウェスタン・レッド・セダー(杉)、横裏板は中南米産ローズウッドで、横板内側はシープレス材となっています。MCはマヌエル・カセレス(1947~)の頭文字。カセレスは1963年にラミレスの工房に入り、当時職工長であったパウリーノ・ベルナベ(1932~2007)のもとで研鑽を積んだ後にほどなくしてマスタークラフツマンに昇格し自身のスタンプで製作を許されます。彼はラミレスから独立して自らの工房を起ち上げた後には自身のモデルのほか名工アルカンヘル・フェルナンデスとの共同作業的な仕事も注目され、数年前に工房を閉鎖し実質引退するまで実に精力的に製作活動を行い、特に2000年代に入ってからはアルカンヘルと並んでマドリッド派を代表する製作家として人気を博しました。

表面板内部構造は1A モデルの基本形を踏襲しており、サウンドホール上下に一本ずつのハーモニックバー、そしてそのうち下側のバーの中央で(つまりサウンドホールのちょうど真下のところで)低音側から高音側に向かって下がってゆくように斜めに交差するもう一本のバーを設置。そしてボディ下部は6本の扇状力木がセンターの1本を境にして高音側に2本、低音側に3本を配し、ボトム部分でそれらの先端を受け止めるように2本のクロージングバーがハの字型に配置されています。ブリッジ位置には駒板よりも長いパッチ板が貼られています。レゾナンスはG~G#の間に設定されています。

ラミレス的特性をしっかりと体現しながらも甘すぎず、ほどよい上品さをまとったカセレスらしい仕上がり。高い音圧で箱がたっぷりと鳴り、程よいエコー感と伴いながら非常な迫力で立ち上がってくる濃密な音。実はラミレスの低音は重く太くなり過ぎずに高音との同質な音響設計が構築されているのですが、ここでもむしろ高音のほうが自然に前景化してくるような感覚があり、そのコクのある音のロマンティックな響きはやはり独特の魅力があります。

裏板の下部高音側に10cmほどの割れ補修履歴がありますが見た目では判別できないほどに綺麗に処置されています(内側にはパッチ補強が施されています)。表面板は指板両脇にそれぞれ数か所の2~3mmほどの打痕を部分修正したあとがありますがその他は微細な傷が少々あるのみとなっています。ネック、フレット、糸巻などの演奏性に関わる部分は良好です。ネックはDシェイプの薄めでフラットな形状。糸巻は出荷時オリジナルのFustero 製が装着されています。





定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  770,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 ホセ・ラミレス 3世 Jose Ramirez III演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. 1a No.13502
001_joseramirez_03_179
弦長 Scale Length 664mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1979年
表板 Top 杉単板 Ceder
横裏板 Back & Sides ローズウッド単板 Indian
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ポリウレタン
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 3.3mm/6弦 4.7mm

[製作家情報]
100年以上続く歴史ある工房にして世界的にも有名なスパニッシュギターブランドのひとつ ホセ・ラミレス Jose Ramirez。ホセ・ラミレス1世(1858~1923)の時代から現在のホセ・ラミレス5世まで、1世紀以上に渡りスパニッシュギター製作史のなかで最も重要なブランドの一つとしてその名を刻み続けており、いまなおワールドワイドにマーケットを展開する工房です。

なかでもとりわけ評価が高く「Ramirez dynasty」 と言われるほどに豊饒の時代とされたホセ・ラミレス3世(1922~1995)の時期に製作されたギターは、革新的でありながら幅広いポピュラリティを獲得し、世界中のギタリストとギターファンとを魅了し続けました。1950年代末から1960年代、パウリーノ・ベルナベ、マリアーノ・テサーノスといった名職人が職工長として働き、高級手工品の品質を維持しながら大量生産を可能した独自の工房システムを確立します。そして1964年にこのブランドのフラッグシップモデルとして世に出した「1A」は、表面板にそれまでの松材に代わって杉材を使用、胴の厚みを大きくとり、横板は内側にシープレス材を貼り付けた二重構造、弦長は664mmで設定(通常は650mm)、さらに塗装には従来のセラック塗装からユリア樹脂のものに変更し耐久性を飛躍的に増すとともに、「ラミレストーン」と呼ばれる独特の甘く艶やかな音色を生み出し、真っ赤にカラーリングされた印象的な外観と相まってギター史上空前のポピュラリティを獲得することになります。

これらラミレス3世がクラシックギターに対して行った改革はマーケット戦略の面でも、また製作の面でも実に独創的でしかも時代の要請に十全に応じたもので、のちのギター製作全般に大きすぎるほどの影響を及ぼしたのと同時に、まさにクラシックギターのイメージを決定するほどに一世を風靡しました。

ラミレス3世の息子4世(1953~2000)は18歳の時に父ラミレス3世の工房にて徒弟として働くようになり、1977年には正式に職人として認められます。1988年には妹のアマリアと共にブランドの経営を任されるようになり、父の製作哲学を引き継ぎながら、より時代のニーズに則した販売戦略(エステューディオモデルの製作、標準的な650mmスケールの採用等々)を展開しさらにシェアを拡大してゆきますが、3世亡き後わずか5年後の2000年にこの世を去ります。

その後もアマリアを中心に柔軟な商品開発を継続しますが、2000年代以降はむしろ名手アンドレス・セゴビアの名演と共にその音色が記憶に残る3世と4世の時代につくられたモデルに人気が集中するようになり、特に製作を担当した職人のイニシャルが刻印されていた1960年代のものは往年のファンに現在も愛奏されています。

〔楽器情報〕
ホセ・ラミレス3世のフラッグシップモデル「1A」のインディアンローズウッド仕様、1979年製Usedです。このモデルの基本形は1964年に出来上がり、それは1986年頃を境として弦長を664mmから650mmに、またボディサイズやネック仕様もそれに即したサイズへと変更するまで同じ仕様で製作され続け、世界中で大変な人気を博しました。しかしながら1960年代から1980年代前半に至るまでの時期においても、やはり時代の要請に応じてかいくつものマイナーチェンジが行われており、それぞれ年代ごとに異なる特徴のあるギターとなっています。

1960年代の末頃から70年代のラミレスではネックのボディに対する差し込み角が深くなり、同時に指板は6弦側から1弦側にかけてかなりの傾斜角で設定され、その結果弦高値が低音から高音かけて一気に低くなってゆくような独特の演奏性を確立します。またこれによって全体の立体感と音圧における迫力が更に増大し、この時期のコンサートギターにおける一つの定式を作り上げたと言えます。

本作は1979年製作 ボディ内部には「17」の数字がスタンプされており、これはラミレス公式の職人リストによるとエンリケ・ボレゲーロ・マルコス Enrique Borreguero Marcos が製作を担当したことになります(エンリケはマヌエル・ラミレス工房でサントス・エルナンデスやドミンゴ・エステソと一緒に職人として働いていた製作家のモデスト・ボレゲーロの息子)。

当機で聴かれるのは非常なスマートさを感じさせる音響であり(迫力も豊かな鳴りも失われたという意味では決してなく)、特に1970年代半ばまでの同モデルにおいてしばしば見られるダイナミズム追及のあまりにバランスを欠いた個体とは異なる、ギターという楽器におけるごく自然な音響特性を備えたものとなっていることが特筆されます。ラミレスのそれまでの(1970年代半ばまでの)独特の生々しさを備えた音の肌理はここでは洗練され、繊細で、整い、軽快ささえも感じさせる響きとなっているのですが、「ラミレストーン」最大の特徴であるロマンティックな表情と艶やかな質感はそのままに、同時に奏者のタッチ感覚に寄り添うような高いリニアニティと演奏性が追及されているのは嬉しいところ。低音の音圧とほぼ同等かと思われるほどに強い高音、ポリフォニックな演奏における彫りの深い音響とそのきれいな余韻(倍音が程よくコントロールされている)、そして終止におけるきりっとした身振りも音楽的。ここには3世が開発した1Aというモデルの純粋に高いポテンシャルが、エンリケ・ボレゲーロという職人によって無駄なくそして円満に具現化されており、現代においても通用するクオリティを十全に備えた一本となっています。

表面板内部構造は1A モデルの基本形を踏襲しており、サウンドホール上下に一本ずつのハーモニックバー、そしてそのうち下側のバーの中央で(つまりサウンドホールのちょうど真下のところで)低音側から高音側に向かって下がってゆくように斜めに交差するもう一本のバーを設置。そしてボディ下部は6本の扇状力木がセンターの1本を境にして高音側に2本、低音側に3本を配し、ボトム部分でそれらの先端を受け止めるように2本のクロージングバーがハの字型に配置されています。ブリッジ位置には駒板よりも長いパッチ板が貼られています。レゾナンスはG~G#の間に設定されています。

割れや改造、再塗装などの大きな修理履歴はなく、表面板は指板脇やサウンドホール周りに軽微な傷があるのみ、また横裏板も衣服の摩擦や経年による自然な塗装のむらなどが見られるのみで良好な状態。表面板は力木の位置に沿ってわずかに波うちが見られるものの年代考慮すると標準的な症状で問題ありません。ネック、フレット、糸巻などの演奏性に関わる部分の状態も良好です。ネック形状は普通の厚みのDシェイプでフラットな加工がされており、指板は若干のラウンド加工がされています。弦高は3.3/4.7mm(1弦/6弦 12フレット)、サドル余剰は0.5~1.0mmとなっています。






定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  495,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 ホセ・ヤコピ Jose Yacopi演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. No.2053
001_Jyacopi_1_03_170Age
弦長 Scale Length 663mm
国 Country アルゼンチン Argentin
製作年 Year 1980年代
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ラッカー
糸 巻:ルブナー
弦 高:1弦 3.2mm/6弦 3.7mm


[製作家情報]
ホセ・ヤコピ(1916~2006)。スペインのビトリア生まれ。父親のガマリエル・ヤコピの工房に入り、18歳の時に最初のギターを製作しています。1949年には家族でアルゼンチンのブエノス・アイレスにほど近いサン・フェルナンドに移り住んで工房を開き、そこで生涯ギターを作り続けました。最初は父親と同様にアントニオ・デ・トーレスを規範とした伝統的なスペインギターを製作していましたが、移住する直前の1947年ごろから父親と共に発案した、通常とは逆方向に放射状に配置された扇状力木構造を採用するようになり、これがこのブランドの特徴となります。本国アルゼンチンではその需要の増大に対応するために工房品含め年間約300本のギターを出荷していた時期もありますが、最上位モデルはその1割ほどで、良質な材を使用して本人が製作しています。

非常に独特な音響と音色を備えており、中低音から低音にかけての重厚で柔らく、奥行きのある深い響きと引き締まって艶やかな高音との対比とバランスが素晴らしく、ポリフォニックな曲を演奏した時の立体感は他のギターでは味わえない魅力があります。また音色には南米的な澄んだ色気があり、これが古典と現代の両方の雰囲気を併せ持つことから、クラシック奏者からポピュラー音楽までの幅広いユーザーに愛されてきました。マリア・ルイサ・アニードやエドゥアルド・ファルーらが愛用し、また近年ではボサノヴァや南米音楽の愛好家にも絶大な支持を受けています。
現在は息子のフェルナンド・ヤコピが工房を継いでいますが、ファンの間ではやはり1960年代から亡くなる前の1990年代までのJose本人による楽器に人気が集中しています。

[楽器情報]
ラベルの年号が印字が薄くなっており正確な製作年は判りませんが、シリアルナンバーから1980年代初期の作と思われます。太く耳に柔らかい感触がある響きながら、1音1音に芯がしっかり通った、明確で強い表情を備えており、その音楽的な表現力は他にはない魅力を放っています。レゾナンス(ウルフトーン)はG#のやや下に設定されています。

表面板を中心に弾き傷等ありますが、割れなくオリジナル塗装の良好な状態です。ネック良好で弦高も弾き易く調整されています。音はバランス良くヤコピとしては伸びやかに良く鳴っています。





定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  440,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 マルセリーノ・ロペス・ニエト Marcelino Lopez Nieto演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. フリアン・ジョレンテモデル No.804
001_Mlopez_1_02_188
弦長 Scale Length 640mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1988年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 楓単板 Maple
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラックニス
糸 巻:木ペグ
弦 高:1弦 3.1mm/6弦 3.4mm


〔製作家情報〕
高級家具職人として働き始めた彼は趣味で始めたギターをD.フォルティアに習うようになり、彼が所有するトーレス、サントス等の名器を見るうちギター製作家として生きる事を決意。1949年に製作家としてデビューした彼はサントスの未亡人に貴重なアドバイスを受け一流製作家として確固たる地位を築きました。
1970年代初頭には依頼され、H.Y.アグアドの楽器を一部製作していたことは良く知られています。

〔楽器情報〕
マルセリーノ・ロペスが大きな興味と意欲を以て、所有する楽器フリアン・ジョレンテからレプリカを作成した貴重な楽器です。
ジョレンテは1827年、スペインはマドリッドのアルコルコン・デ・ポスエロと言う小村で生まれました。1851年にはマドリッドのギター工房で楽器の製作を始めています。その後に続くビセンテ・アリアスやマヌエル・ラミレスの楽器に連なるマドリッド派の礎を築いた彼の功績はロペスのみならず、ラミレスやロマニリョスも広く認めているところです。
この楽器は19世紀楽器の様な小ぶりで木ペグを用いた作りですが、上品で甘美な音色を持ち民俗学派の台頭と共に要求される様になって来た色彩感への配慮が行き届いた魅力ある作品に仕上がっています。
オリジナルセラックニス、傷僅かで綺麗な状態です。

糸巻:木ペグ




定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  770,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 マルセリーノ・ロペス・ニエト Marcelino Lopez Nieto演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. トーレスモデル No.795
001_Mlopez_1_03_189
弦長 Scale Length 650mm
国 Country スペイン Spain 
製作年 Year 1989年
表板 Top 杉単板 Ceder
横裏板 Back & Sides マホガニー単板 Mahogany
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 3.0mm/6弦 3.7mm

〔製作家情報〕
1931年スペイン、マドリッド生まれ。この時代のギター製作家の例に漏れず、彼もまた自身のキャリアを家具職人からスタートさせています。F.タレガの高弟ダニエル・フォルテアにギター演奏を師事しており、コンクールでの入賞歴もあるなど、その腕前は当時かなりのものだったようです。1947年ごろより自身の演奏用としてギターを製作するようになり、この当時サントス・エルナンデスの未亡人マチルデ・ルイスより製作法について貴重なアドバイス受けていますが、それ以外はほぼ完全な独学で製作法を学び、1949年には独立して工房を設立。マドリッド的な伝統に立脚した非常に良質なギターを製作し続けており、1971年から数年間はエルナンデス・イ・アグアドの求めに応じ、この時期の同ブランドの製作にも従事していたのは有名な話。また大変な碩学として知られ、古今の歴史的名器の収集と研究、そして自身もそれらの優れたレプリカモデルを製作している。特に意匠における工作精度の高さと洗練されたデザインはあのロマニリョス以上とも評されており、彼の楽器はどれも一流の工芸品としての完成度の高さも備え、スペインの名工たちの作品の中でも独特の気品を漂わせている。生涯にわたり演奏と製作を続け、1000本を越えるギターを完成。自身のオリジナルモデルの他、トーレスの名器La Leona を修繕した経験を十全に活かしたトーレスモデル、自家薬籠中のアグアドモデル、そして自らの出発点ともいえるサントス・エルナンデスモデルを製作していました。2018年に惜しまれつつ逝去。

〔楽器情報〕
おそらく原型となるのは異なるトーレスかと思われますが、有名な1856年の’Leona’を修理、調査した氏のこのモデルへのこだわりと矜持が感じられる仕上がりとなっています。独特の光沢が美しいマホガニー材を横裏板に使用し、表面板はこのブランドとしては比較的珍しい杉仕様。落ち着きのある柔らかい音が実に渋く響き、全体に古雅な味わいを醸し出しています。古今の楽器に精通し、その実地の研究を活かしてか、一本ごとに異なる意匠で製作することを好んだ氏ならではの個性的なトーレス。

全体に弾き傷、打痕等経年に応じて多くございます。ネック、フレット等の演奏性に関わる部分での問題はございません。糸巻はゴトー製に交換されています。





定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  660,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 パウリーノ・ベルナベ Paulino Bernabe演奏動画あり
モデル/品番 Model/No.
001_Pbernabe_1_02_193
弦長 Scale Length 650mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1993年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option ハードケース(Crossrock)
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:表板 セラック /横裏板 ラッカー
糸 巻:不明
弦 高:1弦 3.0mm/6弦 3.6mm


〔製作家情報〕
パウリーノ・ベルナベ1世(1932~2007)スペイン、マドリッドの製作家。自身も演奏を能くし、タレガの高弟ダニエル・フォルテアにギター演奏を師事していたのは有名な話。製作家としてはホセ・ラミレス3世の厚い信頼のもと、同工房にて1950年代から1960年代にかけて職工長を務め、この巨大ブランドの黄金期を支えた最重要人物の一人として、まずはギター製作史にその名を残す存在となりました。その後1969年に独立してからは伝統的な製法に則りながらも独自のメソッドによる個性的なギターを作り続け、1974年にドイツ、ミュンヘンで開催された国際クラフト博覧会で金メダルを受賞。そして往年のギターファンにとってはなんと言っても忘れ難い、ナルシソ・イエペスが愛用することになる有名な10弦ギターを製作することになります。息子のパウリーノ・ベルナベ Jr(1960~)は幼少の頃より父の仕事姿に親しみ、17歳の時には正式に弟子入りし20年以上に及ぶ厳しい修行と共同製作の時期を経て、2007年に1世亡き後はこのブランドを引き継ぎます。その後現在に至る2世の時代は父親のブランドコンセプトを十全に継承しつつ、より時代のニーズに合わせた(コストパフォーマンスとプレイヤビリティの双方において)充実したラインナップを展開し、若手のプロギタリストの使用率も高くなっている。現在マドリッドを代表するブランドの一つとして高い評価を得ています。

〔楽器情報〕
パウリーノ・ベルナベ1世製作 1993年製 Used 状態良好1本が入荷致しました。ラベルにはLoto 15番地に工房を移す前のCuchilleros 8番地の住所が印字されており(現在はFontaneria 10番地にさらに工房を移転)、モデル名はありません。ベルナベは2000年前後から上位機種でも数種のモデルをカタログ化していますが(現在はConcierto、Especial、Torres、Imperial、Royalの5種。なおその下にはよりリーズナブルな価格帯でAtelier シリーズとProfessional シリーズも展開していますが、これらはいわゆるワークショップモデルとなります)、この時期はそうしたモデル展開はありませんでした。ブランドヒストリーを俯瞰するならば、Cuchilleros 工房時代はそうした広範なマーケティングを展開する前の、よりベルナベ本人の作家性が濃く現れていた時期だという見方も出来ると思います。2000年代のラインナップにも通底する構造などのコンセプトは既にこの時期に完成していますが、しかし特に音響や表現性においてやはり後年のモデルにはない、ベルナベ的個性をここに聴くことが出来ます。

ラミレス工房を後にして独立して以後様々な構造的試みを行ってきた彼ですが、ここでもクラシックギターとしては珍しいXブレーシングシステムを採用。サウンドホールの上側(ネック側)は通常の一本のハーモニックバーですが、下側はちょうどホールの真下で2本のハーモニックバーがX状に交差しており、その下を3本の力木が表面板の木目に沿って等間隔に平行に(つまり扇状配置ではなく)設置されています。ブリッジ位置には駒板とほぼ同じ広さの薄いパッチ板が貼られ、3本の力木のうちセンターと高音側の2本はそのプレートの上を通過し、低音側の1本はプレートの上下で分断しています。これら3本の力木の先端をボトム部で2本のクロージングバーが受け止めるようにハの字型に設置されており、ちょうどブリッジ部分をX状のハーモニックバーとで菱形で囲むような構造になっています。そしてX状に交差したバーは二本とも低音側にわずか1㎜ほどの高さで幅数センチの開口部が設けられており、また両横板のくびれ部からそれぞれ2本ずつの短い力木が斜めに下がってゆくように(ちょうど「X」の上半分と並行になるように)配置されています。
全体に大小の三角形と菱形を組み合わせたような幾何学的な配置で斬新とさえ言える構造ですが、19世紀のロマンティックギターからトーレスそしてホセ・ラミレスを通過して彼がたどり着いた、伝統的スタイルの高度なコンピレーションと解釈することもできるもの。レゾナンスはGの少し下で設定されています。

ベルナベらしい非常な音圧の高さを備え、全体に硬めな音ですが発音にはしなやかさがあり、しっかりとした引き締まった響き。上記のようなほぼ左右対称と言える構造からか、低音から高音までが同じフェーズで鳴り、自然に高音部が前景化してくる感覚があります。それゆえメロディラインが力強く響き、たっぷりと歌わせることができます。特筆すべきはその表情の機微と繊細で、あくまで上品さを保ちながら、曲想に応じて湧出するロマンティックな音色の変化がなんとも魅力的。

割れなどの大きな修理履歴はなく、表面板サウンドホールの高音側に細かな弾き傷、ブリッジ下1弦位置に弦とび跡、数か所の軽微な打痕や衣服等による摩擦あと等がありますが、年代考慮すると比較的良好な状態。ネックはほぼ真っすぐでちょうどよい状態。フレットはほんのわずかに摩耗していますが適正値の範囲内。ネック形状は普通の厚みのDシェイプ、指板はわずかにラウンド加工が施されており左手の演奏性を追及しています。





定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  1,287,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 パウリーノ・ベルナベ Paulino Bernabe演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. エスペシャル Especial
001_Pbernabe_1_02_200_01
弦長 Scale Length 650mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 2000年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:ルブナー
弦 高:1弦 3.8mm/6弦 4.5mm

〔製作家情報〕
パウリーノ・ベルナベ1世(1932~2007)スペイン、マドリッドの製作家。自身も演奏を能くし、タレガの高弟ダニエル・フォルテアにギター演奏を師事していたのは有名な話。製作家としてはホセ・ラミレス3世の厚い信頼のもと、同工房にて1950年代から1960年代にかけて職工長を務め、この巨大ブランドの黄金期を支えた最重要人物の一人として、まずはギター製作史にその名を残す存在となりました。その後1969年に独立してからは伝統的な製法に則りながらも独自のメソッドによる個性的なギターを作り続け、1974年にドイツ、ミュンヘンで開催された国際クラフト博覧会で金メダルを受賞。そして往年のギターファンにとってはなんと言っても忘れ難い、ナルシソ・イエペスが愛用することになる有名な10弦ギターを製作することになります。息子のパウリーノ・ベルナベ Jr(1960~)は幼少の頃より父の仕事姿に親しみ、17歳の時には正式に弟子入りし20年以上に及ぶ厳しい修行と共同製作の時期を経て、2007年に1世亡き後はこのブランドを引き継ぎます。その後現在に至る2世の時代は父親のブランドコンセプトを十全に継承しつつ、より時代のニーズに合わせた(コストパフォーマンスとプレイヤビリティの双方において)充実したラインナップを展開し、若手のプロギタリストの使用率も高くなっている。現在マドリッドを代表するブランドの一つとして高い評価を得ています。

〔楽器情報〕
パウリーノ・ベルナベ1世製作のモデル Especial 2000年製Used 状態良好の美品が入荷致しました。ベルナベはこのころから上位機種でも4種類以上のモデルをカタログ化しており(現在はConcierto、Especial、Torres、Imperial、Royalの5種。なおその下にはよりリーズナブルな価格帯でAtelier シリーズとProfessional シリーズも展開していますが、これらはいわゆるワークショップモデルとなります)、それぞれ使用材のグレードなどによってランク分けされていますが、当モデルは上記ラインナップの中ではConciertoと並び広く普及したモデルで、それゆえこの時期のベルナベサウンドを代表するモデルとして認知されています。

表面板内部構造はサウンドホール上下各一本のハーモニックバー(それぞれ低音側に高さ1㎜ほどの開口部が設けられています)、そして下側バーの真ん中部分、サウンドホールの丁度真下の位置から高音側と低音側の横板に向けて1本ずつ斜めに伸びる力木がちょうどハの字型になるように設置、ボトム部にも逆ハの字型に2本のクロージングバーが設置され、表面板下部の中心部分(駒板の位置)を菱形に囲むような形になっています。その菱形になったスペースの中心に表面板の木目に沿うように平行に設置された3本の力木と、駒板と同じ位置にほぼ同じ大きさの補強プレートが貼られているという配置(厳密には一番低音側の力木はプレートの上下で分断しているため4本)という独特な力木構造で、当時のEspecial モデルのスタンダードな仕様。そしてこれはこのブランドのハイスペックモデルにおける基本構造としていまも多少の改編を加えながら継続されています。

ベルナベの特徴たる高い音圧は本作でも聴かれ、その外観の威容をそのまま音にしたような豪壮な音響はやはり見事。さらに彼の特徴として、低音から高音までこの高い音圧は一定に保たれながら維持されるので、それゆえ自然に高音がブリリアントに鳴ってゆく感覚。ごつごつとしたストイックな低音と、この濃密で艶やかな高音との組み合わせはなかなかに個性的。またベルナベはその表情おいてはむしろ抑制された渋めなものが実は多いのですが、本作においてはいかにもマドリッド的なロマンティックな表情の機微があり、その意外な繊細さもまた魅力の一本となっています。発音は素早く、余計な残響もなく、終止もすっきりときれい着地するところなど、演奏における細かな処理にしっかりと寄与しています。

表面板サウンドホールまわりを中心に細かな傷が全体にありますがいずれも浅く、目を近づけて認識できるレベルです。横裏板はほとんど傷もなくきれいな状態。ネックはやや順反りですが演奏性には問題のないレベル。フレットは適正値を維持しています。ネック形状は薄めのDシェイプ。弦高値は3.8/4.5mm(1弦/6弦 12フレット)とやや高めですがサドルに1.5~1.8mmほどの余剰があり、さらに低く設定することも可能です。ボディ重量はやや重く1.98kg(現在のベルナベJrによるものは1.6㎏ほどに軽量化されています)。糸巻はRubner製を装着しており、3弦つまみにやや緩みありますがギア部分の機能性には問題なく継続しての使用が可能です。





定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  1,210,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 パウリーノ・ベルナベ Paulino Bernabe演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. インペリアル Imperial
001_Pbernabe_1_02_203_01
弦長 Scale Length 650mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 2003年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラックニス
糸 巻:ルブナー
弦 高:1弦 3.2 mm/6弦 3.6 mm

〔製作家情報〕
パウリーノ・ベルナベ1世(1932~2007)スペイン、マドリッドの製作家。自身も演奏を能くし、タレガの高弟ダニエル・フォルテアにギター演奏を師事していたのは有名な話。製作家としてはホセ・ラミレス3世の厚い信頼のもと、同工房にて1950年代から1960年代にかけて職工長を務め、この巨大ブランドの黄金期を支えた最重要人物の一人として、まずはギター製作史にその名を残す存在となりました。その後1969年に独立してからは伝統的な製法に則りながらも独自のメソッドによる個性的なギターを作り続け、1974年にドイツ、ミュンヘンで開催された国際クラフト博覧会で金メダルを受賞。そして往年のギターファンにとってはなんと言っても忘れ難い、ナルシソ・イエペスが愛用することになる有名な10弦ギターを製作することになります。2007年に惜しくも亡くなりましたが、現在2世がブランドを引き継いでおり、スペイン、マドリッドを代表するブランドの一つとして高い評価を得ています。


〔楽器情報〕
ベルナベ1世作「Imperial」モデル2003年製Usedの入荷です。ベルナベは2000年前後から上位機種でも5種類以上のモデルをカタログ化しており(現在はConcierto、Especial、Torres、Imperial10弦、Royalの5種)、それぞれ使用材のグレードや内部構造などによってランク分けされていますが、当モデルは「Royal」とならびこのブランドのハイエンドモデルとして位置付けられているもの。自身の工房で40年以上自然乾燥させた最高級材を使用し、製作家自らが時間をかけて製作したこれらのモデルは文字通りこのブランドのフラッグシップモデルとなっています。

ベルナベ好みの印象的な板目の中南米ローズウッドを横裏板に使用(横板は内側にシープレスを貼り付けた二重構造)。ロゼッタを始め赤と黒を基調にした意匠、やや大きめのたっぷりとしたボディライン、鏡面仕上げによるセラック塗装は全体を艶やかに飾り、いかにもこのブランドらしい威容を備えた外観となっています。

内部構造はクラシックギターとしては珍しいXブレーシングを採用。サウンドホールの上側(ネック側)は通常のハーモニックバーですが、下側はちょうどホールの真下で2本のハーモニックバーがX状に交差しており、ボディ下部は3本の力木を表面板の木目に沿って等間隔に平行に配置。ブリッジ位置には駒板とほぼ同じ広さの薄いパッチ板が貼られ、3本の力木のうちセンターと高音側の2本はそのプレートの上を通過し、低音側の1本はプレートの上下で分断しています。その3本の力木の先端をボトム部でハの字型に配された2本のクロージングバーが受け止めるように配置、その他にも細部で工夫を凝らした構造が試みられています。レゾナンスはF#~Gで設定されています。

音量出力がもともと高いことが特徴のブランドゆえ豪放で華やかなイメージがありますが、音色に関しては実は渋く、表情も落ち着いています。単音ではくっきりとした端正とさえいえる響き、それが和音になると深い奥行きが生まれ、そのコントラストがとても音楽的。そしてやはり音量と発音の迫力はマドリッド派の中でも一頭地を抜いている素晴らしいもので、ブランドの面目躍如たるもの。先代ベルナベによる非常に優れたギターといえるでしょう。

表面板全体に細かな弾き傷や打痕、ブリッジ下部分は1弦2弦の弦とび等があります。横裏板は比較的きれいですがやはり衣服等による摩擦あとが年代相応にあり、またネック裏は5フレット付近にやや深い傷があります。割れ等の大きな修理履歴はありません。ネックは普通の厚みのDシェイプ加工で、現状で若干の順反りですが演奏性にほぼ影響はないレベル、フレットは1~5フレットでほんのわずかに摩耗が見られますがこちらも適正なレベルを保持しています。




定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  1,870,000 円
注文数 :   


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