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製作家/商品名 イグナシオ・フレタ1世 Ignacio Fleta I演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. No.124
001_019_fletaI_1_03_158
弦長 Scale Length 660mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1958年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides ローズウッド単板 Indian Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:黒檀
塗 装:セラックニス
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 2.8mm /6弦 4.0mm

[製作家情報]
イグナシオ・フレタ1世(1897~1977)により設立され、のちに二人の息子フランシスコ(1925~200?)とガブリエル(1929~201?)との共作となる、スペイン、バルセロナの工房。このブランドを愛用した、または現在も愛用し続けている数々の名手たちの名を挙げるまでもなく、20世紀後半以降を代表する銘器の一つとして、いまも不動の人気を誇っています。

フレタ家はもともと家具製作など木工を生業とする家系で、イグナシオも幼少からそのような環境に馴染みがありました。13歳の頃に兄弟とともにバルセロナで楽器製作工房の徒弟となり、更に研鑽を積むためフランスでPhilippe Le Ducの弦楽器工房でチェロなどのヴァイオリン属の製作を学びます。その後フレタ兄弟共同でバルセロナに工房を設立し、ギターを含む弦楽器全般を製作するブランドとして第一次大戦前後でかなりの評判となりますが、1927年に工房は解散。イグナシオは自身の工房を設立し、彼の製作するチェロやヴァイオリンをはじめとする弦楽器は非常に好評でその分野でも名声は高まってゆきます。同時に1930年ごろからトーレスタイプのギターも製作していましたが、1955年に名手セゴビアの演奏に触れ、そのあまりの素晴らしさに感動しギター製作のみに転向することになります。フレタは巨匠の演奏から霊感をも受けたのか、その新モデルはトーレススタイルとは全く異なる発想によるものとなり、1957年に製作した最初のギターをセゴビアに献呈。すると彼はその音響にいたく感動し、自身のコンサートで使用したことで一気にフレタギターは世界的な名声を得ることになります。それまでのギターでは聞くことのできなかった豊かな音量、ダイナミズム、そしてあまりにも独特で甘美な音色でまさしくこのブランドにしかできない音響を創り上げ、セゴビア以後ジョン・ウィリアムスやアルベルト・ポンセなどをはじめとして数多くの名手たちが使用し、20世紀を代表する名器の一つとなりました。

当初はIgnacio Fletaラベルで出荷され、1965年製作のNo.359よりラベルには「e hijos」と記されるようになります(※実際には1964年製作のものより~e hijos となっておりフレタ本人の記憶違いの可能性があります)。1977年の1世亡き後も、また2000年代に入りフランシスコとガブリエルの二人も世を去ったあともなお、「Ignacio Fleta e hijos」ラベルは継承され、現在は1世の孫にあたるガブリエル・フレタが製作を引き継いでいます。

[楽器情報]
イグナシオ・フレタ1世 1958年製 No.124。独特の音響と音色、機能性の高さ、構造と外観、その全ての有機的なバランスと芸術性で現在においてさえ比類のない、名品中の名品と言える素晴らしい一本です。

このブランドの歴史を俯瞰すれば、この後1960年代半ばより彼の息子達との共同作業に移ることで生産性を高め、数々の名手たちの使用によってそのイメージが一気に世界中に広まってゆくことになりますが、それに呼応するかのように楽器もまた構造的、音響的に変化してゆくことになります。本作1958年製はそうしたマーケット事情が少なからずブランドに影響を及ぼす以前の(セゴビアに献呈した有名な1957年製の翌年の作)、フレタ1世の音楽的芸術性が顕著に、しかも高次において達成された楽器となっています。

音像はまるで弦楽器のように強くまろやかで、低い重心感覚(レゾナンスはEの少し上)による音響全体が一つの発声体としての表情と肌理をもち、常に上品さを保ちながら、チャーミングとさえ言えるほどの繊細さから英雄的な剛健さまでの(クラシック音楽に不可欠な)大きな振幅を十全に表出します。加えて演奏における多様な身振り(スタッカートやスラー、クレッシェンド等々)での機能性の高さ、まるでタッチと完全にシンクロするかのような発音など、その自然な反応も素晴らしく、奏者は感情と音とが理想的に一致しているような感覚を得ることができます。ブランドの特徴とされている音量の非常な豊かさももちろんのこと、たっぷりと情感をたたえたジェントルな響きはまさにフレタ1世の独壇場で、その後の彼の作においてさえついに現れることのない馥郁たる鳴りが素晴らしい。そのロマンティックな響きのなかから奏者も予期せぬ音楽の提案がされてくる感覚があり、表現楽器としての無限のポテンシャルを感じさせる、名器と呼ぶにふさわしい一本となっています。

表面板内部構造はサウンドホール上(ネック側)に2本、下(ブリッジ側)に1本のハーモニックバーで、下側のバーは低音側から高音側に向けてほんのわずかに斜めに下がってゆくように設置されています。その下に左右対称9本の扇状力木とそれらの先端をボトム部で受け止める2本のV字型に配置されたクロージングバー、駒板位置に横幅いっぱいにあてられた薄いパッチ板、そしてサウンドホール両脇に貼られたやや厚めの補強板という構造。レゾナンスはEの少し上という設定となっています。表面板の厚みは薄めに加工されており、9本の扇状力木とクロージングバーは幅8㎜、高さ1㎜ほどの薄くフラットな形状をしているなど、のちのフレタの構造とは異なり細部の繊細さが特徴となっている。対してバーは裏板も含めどれも強固な作りですが、サウンドホール下の斜めに傾斜したハーモニックバーはのちに2本に増えており、やはりここでも振動の抑制に関してのコンセプトの変化が見られるのは興味深い。重量は1.64㎏。

表面板指板両脇に合計5か所、サウンドホールからブリッジにかけて1か所、ブリッジ下3か所の割れ補修履歴があります。裏板ネックヒール部両脇に1か所ずつ、エンドブロック部両脇に1か所ずつの合計4か所に割れ修理履歴があります。表面板は弦の張力による凹凸がブリッジ上下で生じていますが現状で継続しての使用には問題ありません。全体に弾きキズ打痕等は年代相応にあります。ネック、フレットなどの演奏性に関わる部分は良好で、ネックシェイプはCに近いラウンド感のあるDシェイプで握りやすいグリップ感。660㎜スケールですが弦の張りも中庸で弾きやすく感じます。






品切れ 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 イグナシオ・フレタ1世 Ignacio Fleta I演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. No.156
001_019_fletaI_1_03_159
弦長 Scale Length 660mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1959年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides ローズウッド単板 Indian Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:ロジャース
弦 高:1弦 3.2mm/6弦 3.8mm

[製作家情報]
イグナシオ・フレタ1世(1897~1977)により設立され、のちに二人の息子フランシスコ(1925~200?)とガブリエル(1929~201?)との共作となる、スペイン、バルセロナの工房。このブランドを愛用した、または現在も愛用し続けている数々の名手たちの名を挙げるまでもなく、20世紀後半以降を代表する銘器の一つとして、いまも不動の人気を誇っています。

フレタ家はもともと家具製作など木工を生業とする家系で、イグナシオも幼少からそのような環境に馴染みがありました。13歳の頃に兄弟とともにバルセロナで楽器製作工房の徒弟となり、更に研鑽を積むためフランスでPhilippe Le Ducの弦楽器工房でチェロなどのヴァイオリン属の製作を学びます。その後フレタ兄弟共同でバルセロナに工房を設立し、ギターを含む弦楽器全般を製作するブランドとして第一次大戦前後でかなりの評判となりますが、1927年に工房は解散。イグナシオは自身の工房を設立し、彼の製作するチェロやヴァイオリンをはじめとする弦楽器は非常に好評でその分野でも名声は高まってゆきます。同時に1930年ごろからトーレスタイプのギターも製作していましたが、1955年に名手セゴビアの演奏に触れ、そのあまりの素晴らしさに感動しギター製作のみに転向することになります。フレタは巨匠の演奏から霊感をも受けたのか、その新モデルはトーレススタイルとは全く異なる発想によるものとなり、1957年に製作した最初のギターをセゴビアに献呈。すると彼はその音響にいたく感動し、自身のコンサートで使用したことで一気にフレタギターは世界的な名声を得ることになります。それまでのギターでは聞くことのできなかった豊かな音量、ダイナミズム、そしてあまりにも独特で甘美な音色でまさしくこのブランドにしかできない音響を創り上げ、セゴビア以後ジョン・ウィリアムスやアルベルト・ポンセなどをはじめとして数多くの名手たちが使用し、20世紀を代表する名器の一つとなりました。

当初はIgnacio Fletaラベルで出荷され、1965年製作のNo.359よりラベルには「e hijos」と記されるようになります(※実際には1964年製作のものより~e hijos となっておりフレタ本人の記憶違いの可能性があります)。1977年の1世亡き後も、また2000年代に入りフランシスコとガブリエルの二人も世を去ったあともなお、「Ignacio Fleta e hijos」ラベルは継承され、現在は1世の孫にあたるガブリエル・フレタが製作を引き継いでいます。


[楽器情報]
イグナシオ・フレタ1世 1959年製 No.156 の入荷です。フレタ一世50年代の貴重な一本であるとともに、彼の特性を十分に感得できるギターです。

表面板内部構造はサウンドホール上(ネック側)に2本、下(ブリッジ側)に1本のハーモニックバーで、下側のバーは低音側から高音側に向けてほんのわずかに斜めに下がってゆくように設置されています。そして左右対称9本の扇状力木とそれらの先端をボトム部で受け止める2本のV字型に配置されたクロージングバー、駒板位置には駒板幅よりもやや長い範囲であてられたパッチ板、そしてサウンドホール両脇に貼られた補強板(これらは近接する横板の下部に沿うように斜めに設置されています)という構造。レゾナンスはGの少し下での設定となっています。1958年までのフレタは表面板の厚み、扇状力木とクロージングバーの形状などもかなり薄く加工されていましたが、それと比較すると特に扇状力木は本作では9本のうち中央の7本を少し高めの山型に加工されているなどの変化が見られ、レゾナンスの位置も高くなっています(1958年はEの下に設定)。

中低音~低音の厚みのある響きが素晴らしい。高音は比較的細めのすっきりとしたむしろ端正とさえ言える響きですが、十分にロマンティック。うねりを持った野性的な低音との対照がなんとも良く、曲の中でもメロディが渋い佇まいを演出する中で迫力ある低音が前景化してくるような独特パースペクティブがあります。そしてこの時期のフレタならではのタッチとの高いリニアニティもやはり特筆されます。奏者はタッチと音とが(音色の変化という点でも)一体化しているような感覚で演奏することができます。

表面板はこの時期のフレタにしばしば見られる現象ですが、ブリッジのサウンドホール側とボトム側とでやや歪みがあり、割れの修理履歴がいくつかございます。指板両脇、低音側肩部分からくびれ部にかけて、ブリッジプレートのサウンドホール側に数か所とボトム側センター部分にそれぞれ1~数か所の割れ修理履歴があり、それぞれやや厚めのプレートでしっかり補強されています。表面板は過去にゴルペ板を貼りのちに剥離させた形跡があります。表面板全体は再塗装が施されており、現在は傷などは少なめです。横裏板はおそらくオリジナル塗装の状態で、年代考慮すると傷等は少なく良好な状態です。ボトム近くにローズウッドのバールがありその木目に沿ってやや段差がありますが割れには至っておらず、継続しての使用にも問題ありません。ネックは反りもほとんどなく良好です。フレットと指板は1~8フレットで軽微な摩耗が見られますが、演奏性影響はなく継続しての使用に問題はありません。ネック形状もこの時期のフレタ1世の特徴的なコンパクトなグリップ感で、ほとんどCラウンドに近いDシェイプで薄めの加工。弦高は現在値でほぼ標準値ですがサドルに2~3㎜の余剰がありますのでお好みに応してさらに低く設定することも可能です。





定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  6,050,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 アルカンヘル・フェルナンデス Arcangel Fernandez
モデル/品番 Model/No.
001_020_arcangel_1_03_160
弦長 Scale Length 655mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1960年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 2.7mm/6弦 3.6mm

[製作家情報]
1931年スペイン、マドリッド生まれ。1954年に当時サントス・エルナンデスの後継者とされていた名工マルセロ・バルベロ1世の知己を得て、その工房に足繁く通いギター製作を学ぶこととなります。バルベロ1世がその2年後に52歳の若さで他界したあとは自ら工房を立ち上げ、後年には師の息子マルセロ・バルベロ・イーホがスタッフに加わり、共に製作を続けていました。造作、材の選定、そしてなによりも音色に対する一切の妥協を排した製作姿勢は彼の人柄もあいまって孤高の趣を呈し、彼の楽器はそのあまりの完成度の高さゆえに、演奏者に非常な技術の洗練を要求するものとなっております。それゆえに多くのギタリストを刺激し続けている稀有な楽器ですが、2011年に製作を引退。現在ではますます稀少となっている名ブランドの一つです。

[楽器情報]
アルカンヘル・フェルナンデス 1960年製 クラシックモデルUsed、工房を立ち上げて間もない時期の作になります。このブランドのクラシックモデルとしては軽快で明るく乾いた音色で、後のような強靭で粘りのあるストイックな音色とは趣が異なり、円満にスペイン的な音響を備えた個体となっています。発音の感触や反応性もほとんどフラメンコ的とさえ言えるもので、それゆえ右手の演奏性という点でも楽に弾ける感覚があります。表面板の力木構造はアルカンヘル クラシックモデルの定型配置で、サウンドホール上下に1本ずつのハーモニックバー、扇状力木は計6本がセンターの1本を境にして低音側に2本、高音側に3本が設置されており、これらの先端をボトム部で受け止めるように2本のクロージングバーがハの字型に配置されています。さらに駒板の位置には駒板よりも少し長めの補強板が貼られています。レゾナンスはGの少し上に設定されています。表面板はやはり後年の彼のギターと比較すると薄めで、上記の力木それぞれの加工も彼の楽器としてはややサイズの小さめな加工(一般的には普通の大きさ)になっており、ボディ重量も1.49㎏と軽めとなっています。

表面板のサウンドホール高音側に一部、また指板脇低音側にも演奏時の爪による掻き傷があり一部木地が露出しているところがあります。横裏板はアルカンヘルらしい柾目のブランジリアン・ローズウッド。演奏時に腕や胸の当たる部分はその摩擦による若干の塗装変色があります。裏単のネックヒール近くには10センチほどの割れ修理歴がありますがしっかりと補強修理が施されていますので現状での問題はありません。裏板はおそらく過去に一度取り外されてオーバーホールが施されております。ネックやフレット等の演奏性にかかわる点での問題はありません。糸巻きもオリジナルのフステロよりGOTOH製のアルカンヘルモデルに交換されており、外観的に変色等は見られますが動作状況は良好です。

定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  4,070,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 マルセロ・バルベロ・イーホ Marcelo Barbero Hijo演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. オリジナルモデル Original model
001_021_barberohijo_03_195
弦長 Scale Length 650mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1995年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option ハードケース(ヒスコック)
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 2.7mm/6弦 3.8mm

〔製作家情報〕
1943年マドリッド生まれ。父は20世紀前半のスペインを代表する名工の一人マルセロ・バルベロ1世(1904~1956)。わずか13歳の時に父バルベロ一世が他界したあと、その弟子であったアルカンヘル・フェルナンデス(1931~)が1957年に自身の工房を開き、バルベロ・イーホは徒弟としてアルカンヘルの工房に入ることになります。アルカンヘルは最初彼をあえてホセ・ラミレス3世の工房に修行に出し、このスペイン最大のブランドで製作の基礎を学んだ彼は、1960年の17歳の年にはすでに最初のギターを製作するまでに技術を磨いていきます。その後アルカンヘル工房に戻り、師と共にまさに職人ならではの実直さと探求心で製作に打ち込みます。「アルカンヘル・フェルナンデス工房品」のラベルを貼って出荷されたそのギターは実質バルベロ・イーホ本人による完全手工品であり、師アルカンヘルに勝るとも劣らない非常なクオリティを有したものとしてコアなギターファンに愛されました。1990年代後半からは自身のオリジナルラベルでの製作も並行して行い、ますます洗練と充実の高まりを見せていた彼でしたが、2005年1月に早すぎる死を迎えてしまいます。渋くやや硬質な粘りを持ったその音色は師アルカンヘル、さらには父バルベロ1世にまでつながるスペインギター最良の伝統を感じさせ、特に晩年に近づくほどに評価の高まりを見せるその楽器は、まさにスペインギター随一の逸品としての評価を不動のものとしています。


〔楽器情報〕
マルセロ・バルベロ・イーホ 1995年製作のオリジナルモデル Usedの入荷です。アルカンヘル・フェルナンデス工房品として出荷していたものとは別に、彼自身のラベル、父バルベロ1世と師アルカンヘルのデザインを踏襲したヘッドシェイプによるフラッグシップモデルとして、1990年代半ばより出荷され始めたもの。

基本的にアルカンヘル工房品を構造的な部分は踏襲していますが、特別に選りすぐられた材(アルカンヘルは数あるスペイン工房の中でも特にハイクオリティな材のストックで知られ、本器でも横裏板ハカランダ材の美しい柾目が特徴的)、そしてなによりもバルベロ・イーホ本人の作家としての充実度には瞠目すべきものがあり、結果このオリジナルモデルをマドリッドでも屈指の名品とするに至っています。

「楽音」としてのニュアンスを自然にそして濃密に備えた音。彼らしい心地よい粘りをともなった発音で、タッチとシンクロするような反応とともに瞬間的に充実した音像が現れ、その密度を保ちながら綺麗に終止してゆきます。倍音を見事にコントロールされた単音は凛として無駄がなく、その連なりは旋律に自然なうねりと有機性を生み出し、和音では各音のクリアネスを保ちながら豊かに拡がります。しっかりとした重心感覚の低音からぐっと引き締まる高音までの音響バランスも見事。そのバランスの中で各弦がそれぞれしっかりとしたアイデンティティを持っているので、曲の中で各旋律が自然にパースペクティヴを生み出し充実したポリフォニーを形成してゆきます。

音響の機能的な洗練とともに、彼自身の個性ともいうべき、どこか人間的で温かみがあり、常に紳士的な音のたたずまいも本当に魅力的。音像はクリアで芯がありながら絶妙に柔らかな触感があり、なんとも耳に心地よい。個性そして機能性とバランスその全体のクオリティにおいてまさしくクラシカルな完成度を備えた1本。

表面板内部構造はアルカンヘルクラシックモデルの定番的なもので、サウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に一本ずつのハーモニックバー、扇状力木は計6本がセンターに配された1本を境として低音側に2本、高音側に3本が、ほぼ駒板の横幅に収まるように寄り添って配置され、ボトム部にはこれらの力木の先端を受け止めるように2本のハの字型に配されたクロージングバーという構造。指板低音側の位置には木材にフレキシビリティを確保するため意図的にスリットが入れてあります(これはアルカンヘル工房の標準的な処置)。レゾナンスはG~G#の間に設定されています。

全体に軽微な弾きキズ、衣服等の摩擦あと、打痕等はありますが年代考慮すると良好と言える状態です。割れや改造などの大きな修理履歴はありません。ネックは真直ぐを維持しており、フレットは1~7フレットでやや摩耗見られますが適正値の範囲。ネック形状は薄めのDシェイプでフラットな加工がされています。弦高は2.7/3.8mm(1弦/6弦 12フレット)で弾きやすい設定になっています。サドル余剰は1.5~2.7mmあります。糸巻はスペイン製Fusteroを装着しておりこちらも現時点で機能的に良好です。





商談中 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  1,760,000 円

製作家/商品名 マルセロ・バルベロ・イーホ Marcelo Barbero Hijo演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. パラ・カサ・アルカンヘル Para Casa Arcangel
001_021_barberohijo_03_201
弦長 Scale Length 650mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 2001年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood 
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 3.0mm /6弦 3.9mm

〔製作家情報〕
1943年マドリッド生まれ。父は20世紀前半のスペインを代表する名工の一人マルセロ・バルベロ1世(1904~1956)。わずか13歳の時に父バルベロ一世が他界したあと、その弟子であったアルカンヘル・フェルナンデス(1931~)が1957年に自身の工房を開き、バルベロ・イーホは徒弟としてアルカンヘルの工房に入ることになります。アルカンヘルは最初彼をあえてホセ・ラミレス3世の工房に修行に出し、このスペイン最大のブランドで製作の基礎を学んだ彼は、1960年の17歳の年にはすでに最初のギターを製作するまでに技術を磨いていきます。その後アルカンヘル工房に戻り、師と共にまさに職人ならではの実直さと探求心で製作に打ち込みます。「アルカンヘル・フェルナンデス工房品」のラベルを貼って出荷されたそのギターは実質バルベロ・イーホ本人による完全手工品であり、師アルカンヘルに勝るとも劣らない非常なクオリティを有したものとしてコアなギターファンに愛されました。1990年代後半からは自身のオリジナルラベルでの製作も並行して行い、ますます洗練と充実の高まりを見せていた彼でしたが、2005年1月に早すぎる死を迎えてしまいます。渋くやや硬質な粘りを持ったその音色は師アルカンヘル、さらには父バルベロ1世にまでつながるスペインギター最良の伝統を感じさせ、特に晩年に近づくほどに評価の高まりを見せるその楽器は、まさにスペインギター随一の逸品としての評価を不動のものとしています。

〔楽器情報〕
マルセロ・バルベロ・イーホ 2001年製作のクラシックモデル、アルカンヘル工房ラベル(Para Casa Arcangel Fernandez)のUsed です。2005年にその生涯を閉じることになる彼にとって、レイトワークスと言える時期の貴重な一本。アルカンヘル工房の使用材から造作に至るまでの妥協のない品質は言わずもがな、いかにもマドリッド的な重厚さと、あくまでもジェントルな表情、雑味のない響きなど、スペインの伝統を跡付けながら、バルベロ・イーホ自身の個性もまた強く刻印された秀作となっています。

表面板内部構造はアルカンヘル工房のスタンダードとなっているもので、サウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に一本ずつのハーモニックバー、計6本の扇状力木がセンターに配された1本を境に高音側に3本、低音側に2本設置されており、ボトム部にはそれらの先端を受け止めるようにハの字型に配置された2本のクロージングバー、駒板の位置にはほぼ横幅いっぱいに渡って貼り付けられた補強プレートという全体の配置。6本の扇状力木は(一番高音側の一本を除いて)駒板の幅にほぼ収まるように中央に寄り添って配置されており、これは彼の父バルベロ1世そしてアルカンヘルの特徴的なパターンとなっているもの(フラメンコモデルでは一番高音側の1本は無く、左右対称に5本の力木配置となっている)。ただし本器においてわずかに異なる点としては、各力木の間隔が均等ではなくややイレギュラーな間隔配置となっていることがあげられます。レゾナンスはG#の少し下で設定。

経年による十分な弾き込みの影響もありますが、彼の後期の作としてはふくよかで、いかにもマドリッドらしい重厚さで箱が十全に響いている体感があり、例えばオリジナルモデルの透徹さと優雅さが同居したようなある種の厳しさと比較するとおおらかな味わいがあります。しかしながらその明朗な響きにおいてもどこか慎ましさ、彼ならではのジェントルな音の身振りがあり、これがやはりほかにはない魅力となっています。

割れなどの大きな修理、改造履歴はありません。全体に大小の弾き傷、スクラッチ傷等があります。表面板サウンドホール高音側は簡易保護シートを常用しているため塗装に跡が付いています。ネックは真っすぐを維持しており、フレットは1~2フレットでほんのわずかに摩耗見られますが演奏性には全く問題ありません。ネック形状は薄めのDシェイプでフラットな仕様。弦高値は3.0/3.9㎜(1弦/6弦 12フレット)でサドルには1.5~2.0㎜の調整余剰がありますのでお好みに合わせて低く設定することが可能です。糸巻は出荷時のオリジナルでフステロ製を装着しており、こちらも動作状況に問題ありません。重量は1.60㎏。






新入荷 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  2,200,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 ヘスス・ベレサール・ガルシア Jesus Belezar Garcia演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. No.120
001_belezarJ_1_03_173
弦長 Scale Length 659mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1973年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides ローズウッド単板 Indian Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 3.0mm/6弦 4.0mm


[製作家情報]
ヘスス・ベレサール・ガルシア(1920~1986)
スペイン、マドリッドの生まれ。13歳から機械工として働き始めた彼は同時にフラメンコギターの演奏も本格的に学んでおり、17歳の時にはプロギタリストとして活動も始めていました。1945年、25歳の時に「エルナンデス・イ・アグアド」のブランド名で知られるギターの製作者の一人マヌエル・エルナンデスの娘エミリアと結婚。彼は演奏家として「アグアド」のフラメンコギターを使用していましたが、そのような環境ゆえ次第にギター製作にも興味を持つようになります。そんな彼の気持ちを知ってか、1966年のある日義父のエルナンデスより「アグアド」の後継者になってほしいと相談を持ち掛けられます。当時すでにエルナンデスの相方であるビクトリアーノ・アグアドは身体の不自由を訴え始めており、ブランドの存続を憂いての提案であるとともに、ベレサールの実直な人間性と機械工としての技術の確かさを見込んでのことであったでしょう。彼は製作家になる決心をし、46歳にして一から製作方法を学びます、師匠はもちろんエルナンデスとアグアドの二人。2年間の修行を経て1968年に独立。機械工の仕事も辞し、ギター製作一筋に従事してゆきます。

生涯に製作したのはわずかに83本。彼自身はフラメンコギタリストでしたが、試作品として自分のために製作した最初の一本(No.1)と2本目(No.52)を含む3本のみがフラメンコギター、あとの80本はクラシックギターとなっています。独立後に製作したギターはNo.103から製造番号が付けられており、最後の1本はNo.183 。

師であるエルナンデスとアグアドの製作方法、塗装、デザイン、そして音色的に多くものを顕著に引き継ぎながらも、そのトータルクオリティと芸術性の高さにおいて非常に個性的であり、「アグアドの後継者」という枠に収まらない強固なアイデンティティを持っています。最大の特徴である響きと音色は、どこまでも優しく力強く、独特の肌理を持ち、自在に表情を変えてよく歌い、そして余計なものが何もないといったもので、師のギターが時に「スネアドラムのような」と評されるほどのマッシブな音の迫力を湧出するのに対し、ベレサールは常に揺るぎのないジェントルな強さに満ちています。そしてアグアドのギターがその天才性でしか説明がつかないような個性を放つのと同様に、ベレサールのギターもまたスペインギターの中でも特異な存在となっています。

彼を直接知るひとはみなその優しくまじめな人柄のことを話し、その彼が作ったギターもまた彼の性格そのままに、暖かく耳に心地よい響きを有したものだと語ります。亡くなる直前まで没頭するように製作に従事し、1986年8月28日惜しまれつつその生涯を閉じます。


[楽器情報]
ヘスス・ベレサール・ガルシア 1973年製作のNo.120 クラシックモデル Usedの貴重な入荷です。
ベレサールの製造番号は独立後最初に作られた1本にNo.103があてられているので、本作はブランド設立からは18本目のギターとなります。ふっくらとした優美なライン、ある種の荘厳ささえ感じさせながらあくまでも洒脱なヘッドデザイン、独特な調合によるセラックで深い光沢をたたえた塗装仕上げ等々アグアド的なものを彷彿とさせる外観がまずは非常な魅力となっています。そして音、やや硬めな発音ながらその一粒一粒は心地よい丸みを帯びた弦楽器的な音像で、高音から低音に至るまで重心の安定した響き、そして人間の声のように自然な明暗を備えています。その音楽的表現力は、やはりアグアドと同様に非常な魅力であり、まさに歌う楽器としてのギターの特性を最大限に発揮しています。その表情は可愛らしさから強靭な意志までの大きな振幅で奏者のタッチに応じ、ルネサンス・バロックの楽曲では凛とした清潔感、古典派ロマン派の演奏においては深い憂愁と愉悦まで、あくまでも上品に表現する素晴らしさ。師のギター同様に奏者にはタッチの熟練と相性が求められますが、フィットした時の豊かな感触はやはり真の名品ならでは。

内部構造も1960年代後半のアグアドギターにほぼ準拠。サウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に1本ずつのハーモニックバー、サウンドホール真下の位置から高音側横板に向かって斜めに下りてゆくように配された1本のトレブルバー、扇状力木はセンターに配された1本を境にして高音側に2本と低音側に3本の合計6本、それらの先端をボトム部で受け止める2本のハの字型に配置されたクロージングバー、ブリッジ位置には駒板とほぼ同じ大きさのパッチ板が貼られているという全体の配置。レゾナンスはG#の少し下に設定されています。

ボトム部の左右横板接合部に隙間と割れの補修履歴あり、またくびれ部分のパーフリング隙間補修歴があります。細かなスクラッチ、弾き傷等はありますが年代考慮すると比較的良好な状態。裏板塗装は全体に細かなひび割れが生じていますがさほどに外観は損ねず、また継続しての使用にも影響はありません。製作からほぼ50年を経たギターとしては良好な状態を維持しています。ネックは厳密にはほんのわずかに順反りですが演奏性等に影響はないレベル、フレットも適正状態を維持しています。ネック形状は薄めでフラットなDシェイプ、弦は中庸からやや強めの張り、弦長も660㎜ですが弾きにくさを感じません。ボディ重量は1.51Kg。

製作数の少なさという点からとは別に、おそらくはスペインギター史の中でも唯一「アグアド」の音響哲学を継承し体現したブランドという意味において、大変に貴重なブランド、貴重な一本です。






定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  3,850,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 ポール・フィッシャー Paul Fischer演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. コンセルヴァトワール Conservatoire
001_fischerP_03_194
弦長 Scale Length 640mm
国 Country イギリス England
製作年 Year 1994年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ラッカー
糸 巻:ロジャース
弦 高:1弦 2.8mm/6弦 4.0 mm

〔製作家情報〕
1941年イギリス生まれ。オックスフォードに育ち、同地に工房を開きます。Robert Gobleのもとでハープシコードの製作を学び、またその他の楽器に対する造詣も深く、ヨーロッパ的な伝統に広く通暁した知性的な製作家として知られています。同国の名工デビッド・ホセ・ルビオの工房で1969年より職人としてギター製作に従事し、職工長としてPFのスタンプが許されます(PFのイニシャルが刻印されたルビオギターは現在も中古市場で愛好家の高い評価を得ています)。1975年に独立して工房を設立。最初はルビオ的な構造を踏襲したギターでしたが、これまでの研鑽とオックスフォード大学で学んだ経験をもとに、科学的な見地から音響と構造の関係を探求、独自の力木配置によるギターを製作し始めるようになります。その結果音色と音響は高度に洗練され、従来のギターでは得られなかった均整感、個性的な発音を備えた楽器となり、音響バランスにこだわる多くのプロギタリストたちから高い評価を得て、20世紀の最後に世界で最も売れたブランドの一つとなります。

〔楽器情報〕
ポール・フィッシャー製作 1994年製 Conservatoire(コンセルヴァトワール)モデル 640㎜のショートスケール仕様の Usedです。 Virtuosoと並んでこのブランドのフラッグシップモデルとなっているフィッシャー的個性に溢れた一本。注目すべきはその表面板内部構造で、彼が ’TAUT’ システムと名付けた格子状の力木配置。表面板上部はサウンドホール上側(ネック側)に2本、下側(ブリッジ側)に1本で計3本のハーモックバーで通常のスパニッシュスタイルですが、表面板下部は計4本のトランスヴァースバーが等間隔に設置され(うち一本はちょうどブリッジサドルの位置に設置されている)これらと直角に交差するように11本の長短の力木が板の木目に沿って等間隔に隅々にまで設置されており、精緻な格子状構造を形成しています。これらの力木とバーの高さと大きさは高音側と低音側とで同じサイズで加工されており、全体が均質な振動特性を得られるような工夫がされています。レゾナンスはAの上に設定されています。薄い表面板と格子状力木構造との組み合わせはオーストラリアの製作家グレッグ・スモールマンが開発したギターが有名ですが、スモールマンは表面板の木目に対し45度の角度で力木を交差させることで、菱形状の格子構造を表面板に行き渡らせるように作られています。

低音から高音までの全ての音が均質に、同じフェーズで響いているような整ったバランス感覚があり、どの音も互いに自然に繋がるような(ギターとしてはむしろ特異と言える)音響設計が試みられています。そしてそのフラットな音響の中で、一つ一つの音には表情の意外なまでの深さと多彩さがあり、また音楽的な身振り(スラ―、スタッカート、ヴィブラート、そして速い旋律等)における反応性も非常なものがあります。

割れなどの大きな修理履歴はございません。表面板はサウンドホール周辺やブリッジ下などに細かな弾きキズや摩擦痕等が集中して見られますが年代相応のレベル、また全体はラッカー塗装のひび割れが生じていますが現状で継続使用に問題ありません。横裏板は衣服などによる細かな摩擦あとと数か所の小さな打痕等のみで良好な状態。ネックは真っ直ぐを維持しており、フレットも適正値を維持しています。ネック形状は通常の厚みのDシェイプ。弦長が640㎜のショートスケール設定に加え、ナット幅は49.5mm、ナット弦幅も41.0mmとコンパクトなサイズ感になっています。糸巻はカナダの高級ブランドRodgers製を装着しており、こちらも現状で動作状況に問題ありません。





定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  880,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 ポール・フィッシャー Paul Fischer
モデル/品番 Model/No. アルト ALTO No.906
001_fischerP_03_195
弦長 Scale Length 542mm
国 Country イギリス England
製作年 Year 1995年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option 専用ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ラッカー
糸 巻:メイシー
弦 高:1弦 2.9mm/6弦 4.0mm

〔製作家情報〕
1941年イギリス生まれ。オックスフォードに育ち、同地に工房を開きます。Robert Gobleのもとでハープシコードの製作を学び、またその他の楽器に対する造詣も深く、ヨーロッパ的な伝統に広く通暁した知性的な製作家として知られています。同国の名工デビッド・ホセ・ルビオの工房で1969年より職人としてギター製作に従事し、職工長としてPFのスタンプが許されます(PFのイニシャルが刻印されたルビオギターは現在も中古市場で愛好家の高い評価を得ています)。1975年に独立して工房を設立。最初はルビオ的な構造を踏襲したギターでしたが、これまでの研鑽とオックスフォード大学で学んだ経験をもとに、科学的な見地から音響と構造の関係を探求、独自の力木配置によるギターを製作し始めるようになります。その結果音色と音響は高度に洗練され、従来のギターでは得られなかった均整感、個性的な発音を備えた楽器となり、音響バランスにこだわる多くのプロギタリストたちから高い評価を得て、20世紀の最後に世界で最も売れたブランドの一つとなります。


〔楽器情報〕
ポール・フィッシャー製作のアルトギター、1995年製 No.905 Usedの入荷です。彼の通常サイズでのフラッグシップモデルとなるConcervatoire や Virtuosoのハイスペックな仕様をそのまま落とし込んだようなギターで、使用木材のグレード、デザインから細部の仕上げ、そして音響的な質とバランスにおいて極めて充実したアルトとなっています。透明感のある洗練された音色はいかにも高級感があり、また重心もしっかりした響きなので合奏用としてだけでなく単独での使用でも十分に楽しめます。表面板内部構造は7本の左右対称の扇状力木とV字型に配置された2本のクロージングバー、そしてサウンドホール上下に計3本のハーモニックバーというオーソドックスなスタイル。レゾナンスはA#の少し上に設定されています。アルトの基本チューニングは B、E、A、D,F#,B となっていますが、レキントチューニング(A、D、G、C、E、A)に落としてご使用頂く事も可能です。

表面板全体はラッカー塗装に細かくにウェザーチェック(ひび割れ)が入っておりますが塗装の性質上、経年での標準的な症状ですので使用には全く問題ありません。サウンドホール周りなど少々弾きキズ、またブリッジ下1弦2弦位置に弦とび跡があります。横裏板は傷はほとんどなくとてもきれいな状態ですが、裏板センター付近に1か所木目に沿っての割れ補修歴があります。ただしとても丁寧に補修がされており、内側からもパッチ補強がされていますので見た目と状態ともに問題ありません。ネックは真っすぐを維持しており、フレットも摩耗なく良好な状態。糸巻きも動作状況問題ありません。Kingham Case社製の高級専用ハードケース付き。

定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  330,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 ポール・フィッシャー Paul Fischer演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. コンセルヴァトワール Conservatoire
001_fischerP_03_196
弦長 Scale Length 640mm
国 Country イギリス England
製作年 Year 1996年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option ハードケース(ヒスコック)
備考 Notes
ネック:マホガニー
指 板:エボニー
塗 装:表板:セラック/横裏板:ラッカー
糸 巻:ロジャース
弦 高:1弦 3.0mm/6弦 3.9mm

〔製作家情報〕
1941年イギリス生まれ。オックスフォードに育ち、同地に工房を開きます。Robert Gobleのもとでハープシコードの製作を学び、またその他の楽器に対する造詣も深く、ヨーロッパ的な伝統に広く通暁した知性的な製作家として知られています。同国の名工デビッド・ホセ・ルビオの工房で1969年より職人としてギター製作に従事し、職工長としてPFのスタンプが許されます(PFのイニシャルが刻印されたルビオギターは現在も中古市場で愛好家の高い評価を得ています)。1975年に独立して工房を設立。最初はルビオ的な構造を踏襲したギターでしたが、これまでの研鑽とオックスフォード大学で学んだ経験をもとに、科学的な見地から音響と構造の関係を探求、独自の力木配置によるギターを製作し始めるようになります。その結果音色と音響は高度に洗練され、従来のギターでは得られなかった均整感、個性的な発音を備えた楽器となり、音響バランスにこだわる多くのプロギタリストたちから高い評価を得て、20世紀の最後に世界で最も売れたブランドの一つとなります。

〔楽器情報〕
ポール・フィッシャー製作 1996年製 Conservatoire(コンセルヴァトワール)モデル 640㎜のショートスケール仕様のUsedです。表面板内部構造に彼が「TAUT」システムと名付けた格子状の力木配置を採用したもので、伝統的なスペインギターとは大きく異なり、音響と構造におけるフィッシャー独自の現代性を確立したモデルとして発表当時非常に話題になったモデルです。

表面板上部(くびれ部から上)はサウンドホール上側に2本、下側に1本で計3本のハーモックバーを設置している通常のスパニッシュスタイルですが、表面板下部(ブリッジを中心とする、くびれ部より下側のエリア)は計4本のトランスヴァースバーが等間隔に設置され(うち一本はちょうどブリッジサドルの位置に設置されている)、これらと直角に交差するように11本の長短の力木が表面板の木目に沿って等間隔に隅々にまで設置されており、精緻な格子状構造を形成しています。これらの力木とバーの高さと大きさは高音側と低音側とで同じサイズで加工されており、全体が均質な振動特性を得られるような工夫がされています。ただしバー自体の高さは4本の中でブリッジサドル位置のものだけがわずかに高く加工されています。また裏板のバーは設置されている計4本のうちの2本がX状に交差するXブレーシングシステムを採用しています(裏板にこのシステムを採用するのは、いくつか例はあるものの珍しい)。レゾナンスはA~A#とやや高めの設定。格子状力木構造と言えばオーストラリアの製作家グレッグ・スモールマンが開発したギターが有名ですが、スモールマンは表面板の木目に対し45度の角度で力木を交差させることで、菱形状の格子構造を表面板に行き渡らせるように作られており、また表面板上部の構造においてもより強固で複雑なシステムで設計され、フィッシャーのここでの構造とは全く異なる発想で造られています。フィッシャーはスモールマンと比較するとスペイン的なものへの憧憬がまだ色濃く残っており、例えばバルセロナの名工フランシスコ・シンプリシオの独創的な分割楕円サウンドホールのモデルを上記の「TAUT」システムで作り上げるなどの試みも行っています。

振動を均質に行き渡らせるような上記のシステムを採用していることにより、低音から高音までの全ての音が均質に、同じフェーズで響いているような整ったバランス感覚があり、どの音も互いに自然に繋がるような(ギターとしてはむしろ特異と言える)音響設計が実現しています。そしてそのフラットな音響の中で、一つ一つの音には表情の意外なまでの深さと多彩さがあり、また音楽的な身振り(スラ―、スタッカート、ヴィブラート、そして速い旋律等)における反応性も非常なものがあります。再びグレッグ・スモールマンとの比較で言えば、音量としてはオーソドックスですが各音の音像が磨かれたように艶やかで、音響全体の均質感もあり、演奏においては粒立ちの整った音がちりばめられてゆくような感覚があります。

割れなどの大きな修理履歴はございませんが、十分に弾き込まれており、全体に弾き傷やスクラッチ傷、衣服等の摩擦跡が多くみられます。表面板はセラックによる上塗り処置が施されており。現状は傷の凹凸等が目立たなくなっています。横裏板はオリジナルのラッカー塗装。ネックはほぼ真っ直ぐを維持しています。フレットは1~7フレットでやや摩耗がありますが現時点で演奏性に影響はありません。ネック形状は通常の厚みのDシェイプ。弦高は3.0/3.9mm(1弦/6弦 12フレット)でサドルには0.5~1.0㎜弱の余剰があります。640mmのスケールに加えてネックの差し込み角が浅いので、上記弦高値の割に左手は抑えやすく感じます。糸巻はカナダの高級ブランドRodgers製を装着しており、一部つまみに変形や欠損がありますが、現状で機能的な問題はありません。




定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  660,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 ポール・フィッシャー Paul Fischer
モデル/品番 Model/No. アルト ALTO No.968
001_fischerP_1_02_198
弦長 Scale Length 540mm
国 Country イギリス England
製作年 Year 1998年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:マホガニー
指 板:エボニー
塗 装:表板:ラッカー/横裏板:セラック
糸 巻:ライシェル
弦 高:1弦 3.0mm/6弦 3.4mm


〔製作家情報〕
1941年イギリス生まれ。オックスフォードに育ち、同地に工房を開きます。Robert Gobleのもとでハープシコードの製作を学び、またその他の楽器に対する造詣も深く、ヨーロッパ的な伝統に広く通暁した知性的な製作家として知られています。同国の名工デビッド・ホセ・ルビオの工房で1969年より職人としてギター製作に従事し、職工長としてPFのスタンプが許されます(PFのイニシャルが刻印されたルビオギターは現在も中古市場で愛好家の高い評価を得ています)。1975年に独立して工房を設立。最初はルビオ的な構造を踏襲したギターでしたが、これまでの研鑽とオックスフォード大学で学んだ経験をもとに、科学的な見地から音響と構造の関係を探求、独自の力木配置によるギターを製作し始めるようになります。その結果音色と音響は高度に洗練され、従来のギターでは得られなかった均整感、個性的な発音を備えた楽器となり、音響バランスにこだわる多くのプロギタリストたちから高い評価を得て、20世紀の最後に世界で最も売れたブランドの一つとなります。


〔楽器情報〕
ポール・フィッシャー製作のアルトギター、1998年製 No.968 Usedの入荷です。彼のフラッグシップモデルとなるConcervatoire や Virtuosoのハイスペックな仕様をそのまま落とし込んだようなギターで、極めて充実したアルトとなっています。アルトの基本チューニングはB、E、A、D,F#,Bとなっていますが、レキントチューニング(A、D、G、C、E、A)に落としてご使用頂く事も可能です。ギターオーケストラ合奏用として、また民族音楽などの演奏等でお楽しみ下さい。

表面板に2カ所割れ修理履歴がございますがいずれも適正な補修(接着後に内側よりプレートにて補強)がされており、今後の使用には問題ございません。ネックは真っすぐを維持しており、フレットもほぼ摩耗なく良好な状態。糸巻きはドイツ製高級糸巻きライシェルを装着し、こちらも動作状況問題ありません。専用ハードケース付き。

定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  330,000 円
注文数 :   


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