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製作家/商品名 マルコ・ボルトロッツォ Marco Bortolozzo演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. トーレスモデル No.103
001_BortolozzoM_01_222
弦長 Scale Length 650mm
国 Country イタリア Italy
製作年 Year 2022年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 楓単板 Birdseye Maple
付属品 Option ハードケース黒
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:表板:セラック /横裏板:セラック
糸 巻:フステーロ Torresモデル
弦 高:1弦 2.2mm/6弦 3.6mm(余剰1.5~2.0mm)

[製作家情報]
Marco Bortolozzo マルコ・ボルトロッツォ。 イタリア、ミラノに工房を構える製作家。1980年代の初めにイタリア北東部の町ヴィッラノーヴァ・ディ・フォッサルタに生まれる。ワイン畑などの田園風景が広がるこの町で幼いころから父親の使う様々な工具を使って物を作り、同時に音楽の演奏を楽しむような青年時代を過ごした後、大学では工業デザインを専攻。ある日イエローページで偶然に見つけたというギター製作家 Dario Pontiggiaに会いに行き、彼から聞いたアントニオ・デ・トーレスの話が自身の製作家への道を決定づけたと言います。

最良の楽器は職人の直の手によって生まれるという製作哲学を持つ彼は、伝統的な工法と治具とにこだわり、木材も製材の段階から自ら行うほど。先人たちへの敬意を保ちながら、柔軟に新しい要素を彼ならではの自然なやり方で盛り込んでいったギターは新しさと懐かしさが無理なく同居した、美しく上品な佇まいのものとなっています。その造作はイタリア屈指と言ってよいほどの精緻さで、決して派手ではないものの中庸の美学を常に感じさせる意匠、そして細部まで揺るがせにしない見事な仕上げ。決して外形から到達しようとするのではなく、しっかりと耳で捉えた音響の着地点も実に的確。誠に端倪すべからざる才能の持ち主と言えるでしょう。現在のイタリア若手の中でも特に注目の俊秀です。

[楽器情報]
本邦初紹介となるマルコ・ボルトロッツォ製作のトーレスモデル 2022年12月に完成した新作の入荷です。ミゲル・リョベートが所有していたFE09 1859年製トーレスを規範として、細部において慎ましくも個性的な工夫を加えながら、トーレス的音響の的確な着地点がしっかりと見極められた素晴らしい1本に仕上がっています。

表面板のレッド・スプルース、横裏板のバーズアイメイプルともにトーレスに相応しい材をセレクトしており、これがルックスだけでなくトーンウッドとしての性質の高さを十全に備えたものとなっています。サウンドホールには木製のトルナボスを装着。表面板力木配置はサウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に1本ずつのハーモニックバー、7本の左右対称の扇状力木とそれらの先端をボトム部で受け止める2本のクロージングバーとなっており、トーレスの基本スタイルの一つ。レゾナンスはEのさらに少し下までしっかりと低い位置に設定されています。

板を薄く加工していますが(重量は1.29㎏)音は驚くほどに濃密。低いレゾナンス設定はこれ以上ない絶妙な重心感覚で全体の音響をふくよかに、トーレス的な重厚さをまとわせるのに成功しています(近年の数多のトーレスモデルが重心が低音に偏りすぎ、音も過度に乾いた響きになってしまうことが多いことを参照すると、ここでの彼のアプローチが一層適切なものに感じられます)。しっかりとした基音にメイプル独特の真綿のような触感、トルナボス機能を十全に活かした深みが加わり何とも心地よい音像で、和音では見事な厚み。木そのものが発しているとしか思えない素直な表情の変化。そしてタッチに吸い付くような発音の心地よさ。これら全てがクラシカルな気品を纏いながら、まさにトーレス的音響として着地している点は、実はこれまでのイタリアのギターではなかなか達成されてこなかったということからも、特筆に値します。

ひとつのまとまりあるバランスを形成しつつも、同時に高音~中低音~低音それぞれはしっかりとした響きのアイデンティティを持っており、それゆえ特にバロックや古典派の楽曲では各声部が独立し、立体感あるパースペクティブを形成しているところなども実に見事。

ネックシェイプはCシェイプのラウンド形状で薄めに加工、そして弦高は工房出荷時の初期設定で2.2/3.6mmとクラシックギターとしてはかなり低めの設定になっており、とても弾き易く感じます。

ロゼッタやパーフリング等のデザインはマルコ氏のオリジナル。ここでも慎ましいながら繊細極まりない造作が施され、外観のささやかなアクセントとなっています。

ラベルはオークの葉が描かれた洒落たデザイン。彼が生まれた故郷ヴィッラノーヴァの町で、幼少の頃に遊び親しんだオークの老木の思い出が始まり。ミラノに移り工房を立ち上げた時、自然に庭にオークの新芽が生えてそれがみるみるうちに育っていったという。そこに新たな出発の徴を感じた彼はそのオークの葉をブランドラベルとしたのだそう。

イタリア ミラノ発、トーレスモデルの傑作です。ぜひお試しください。





品切れ 定価(税込) : 2,200,000 円 販売価格(税込) :  2,090,000 円

製作家/商品名 ペール・ハルグレン Per Hallgren演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. オリジナルモデル #281
001_HallgrenP_01_221
弦長 Scale Length 650mm
国 Country スウェーデン Sweden
製作年 Year 2021年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides ローズウッド単板 Indian rosewood
付属品 Option ハードケース付属
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸巻き:シェラー
弦 高:1弦 3.2.0mm/6弦 3.8mm

[製作家情報]
ペール・ハルグレンPer Hallgren スウェーデンの製作家。1986年より製作を始める。当時スウェーデンでは楽器製作に関する公的な教育機関がなく、ペール氏曰く「あまり上質ではない」ギターメーカーから情報をえるのがやっとというような環境であったため、ほぼ製作ガイドブックなどを頼りに独学で製作を学んでいました。1990年代にカーディフ大学のベルナール・リチャードソン博士の知遇を得て、特にギターの音響学に就いての博士の膨大な研究成果を実地に学ぶ機会を得たことが、彼の最大の契機となります。もともとスペインのトーレスから始まる伝統的な工法に深く傾倒していた彼ですが、そこに現代のテクノロジーを用いて科学的なアプローチを試み、同時に同国のすぐれたギタリストたちの交流と頻繁な意見交換とを行い、彼独自の感覚であるべき音として帰結させたそのギターは、ヨーロッパのメインストリームで連綿と続いてきた伝統が北欧の地でまったく新しい方法で一気に洗練されたかのような新しさをまとったものとなっています。精緻を極めた造作と洒落た意匠、セラックニスの見事な仕上げはどれも特筆すべきもので、デザインにはか彼が愛するスペインギターの巨匠たちへのオマージュと同時に、北欧独自の歴史的な意匠などが盛り込まれ、非常に美しいものになっています。

スウェーデン国外にはこれまで出荷されたことがなく、ヨーロッパにおいても「知られざる名工」となっていた彼ですが、同国のギタリスト、イヨラン・セルシェルが近年コンサートギターとして使用し、またMartin Fogel氏やPer-Olov Kindgren氏などのギタリストたちが彼のギターを称賛していることからようやくその名が注目を集め始めています。今回の新作はもちろん本邦初入荷。

[楽器情報]
ペール・ハルグレン クラシックオリジナルモデル 松/インディアン・ローズウッド仕様 2021年新作です。
北欧スウェーデンという地の独自の音響感覚と製作家自身が収集したデータによる確かな数学的アプローチ、そして音楽表現と演奏との関係性の追求が実に独特な音響となって結実した一本。透徹として明快な響きはスペイン的なものとは明らかに異なるニュアンスをもち、ダイナミクスの振幅は非常に広くそして奏者のタッチにしっかりと寄り添うように反応するところは、近年の音量重視のモダンギターとは一線を画すところでしょう。内部構造も基本的にスペイン伝統工法をベースとした扇状力木配置。しかしそのそれぞれの配置関係は独特のもので、それぞれの間隔、角度、長さが微妙に異なる上、サウンドホール下のハーモニックバーの微妙な傾斜、ボトム部のクロージングバーが高音側に一本のみ配されしかも着地点がボトム中央ではなく低音側にやや寄った位置になっているなど全体に細かに計算された左右非対称の配置。更には裏板のバーに関しても通常の3本のバーの他、ラディアル状(放射状)配置された力木が別に設置されており、その一部がバーをトンネル状に貫通し交差しています。レゾナンスはG#の少し下に設定されています。

全面セラック塗装の極めて美しい仕上げで、ロゼッタは北欧の伝統的な意匠をモチーフにしたものだとのこと。ネックはややラウンドがかかったDシェイプタイプ。糸巻きはドイツの高級糸巻きシェラー社製を装着。HISCOX ハードケース付属。





定価(税込) : 2,200,000 円 販売価格(税込) :  2,090,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 カレル・デダイン Karel Dedain演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. ビセンテ・アリアスモデル Vicente Arias model
001_KDedain_01_223
弦長 Scale Length 640mm
国 Country ベルギー Belgium
製作年 Year 2023年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides バーズアイメイプル単板 Birdseye Maple
付属品 Option ヴィセスナット アクティブ ケース ダークグレイ 
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラックニス
糸 巻:アレッシー
弦 高:1弦 3.0 mm/6弦 4.0 mm

[製作家情報]
Karel Dedain カレル・デダイン 1976年生まれ。ベルギー、ヘント(Gent)に工房を構える製作家で同国のワルタル・ヴェレートと並んで国際的に評価の高まりを見せる俊秀です。
もともとはグラフィックアートを学んでいましたが20歳のころにフラメンコギターを演奏するようになり、木工が得意だった彼は自分のためにギターを作ろうと思い立ち、同国の製作学校 CMB(Centrum voor Muziekinstrumentenbouw)でワルタル・ヴェレートに師事します。カレル氏曰く「ベルギーにはギター製作の伝統がなく、それが逆に製作を志す者に選択の自由を与えてくれました。つまり自らのヴィジョンを実現するのに国や流派に関係なく、それらを横断しながら自らのスタイルに合うものを研究したのです。そしてまたマテリアルの面でも、様々な国へと製作に必要な木材や治具を探しに行かなければなりませんでした。」このように自らのスタイルを貪欲に追及する中でラティスやダブルトップなどのモダンギターも製作した彼は、やがてその着地点をトーレス、アリアス、ガルシア、シンプリシオ、そしてマヌエル・ラミレス工房などのスペインの名工たちによるギターに定めてゆきます。現在はそれらの精緻なレプリカモデル及び ‛Inspired’(つまり自らの創意を加えて再構築した)モデル、そして自身のオリジナルモデルを製作しています。その繊細極まりない造作とオリジナルのエッセンスを忠実に再現する稀有な完成と技術、極めて高い演奏性、完璧な音響性などは師のヴェレートにも比肩しうるクオリティを有し、高い評価を獲得してゆきます。

近年ではフランスのアート系出版社Camino Verde が刊行するウェブマガジン「Orfeo Magazine」で特集が組まれたほか(同特集では師のヴェレートらベルギーの製作家がフィーチャーされました)、同出版社が発行する製作家シリーズ(サントス・エルナンデス、ルネ・ラコート、そしてビセンテ・アリアス)での実寸図作成を担当し執筆陣にも名を連ねるなどし日本でも注目を集めています。因みに彼が作成した実寸図は実作を視野にした極めて精緻なもので、これらの書籍の資料的価値をより高める重要なコンテンツのひとつとなっています。

[楽器情報]
カレル・デダイン製作のビセンテ・アリアス モデル 2023年の最後に届いた素晴らしい新作です。トーレスとほぼ同時代を生きたスペインの名工ビセンテ・アリアス Vicente Arias(1833~1914)の個性的なモデルの中でも取り分けそのインパクトと芸術性において名品とされるリングロゼッタデザインの一本を規範にしたモデルです。最高級のヨーロッパ松とバーズアイメイプルの組み合わせに強烈なアクセントを添える意匠、その全体の高貴なたたずまいが先ずは素晴らしい。リングは臙脂色とモスグリーンとを交互に組み合わせ、それを漆黒の地の配置、その外側と内側はこれも特徴的な色違いの半月形を合わせたような細かなデザインを等間隔に取り囲むように配置、これをパーフリングにも採用し不思議な統一感を持たせています。

音も極めてユニークで素晴らしい。木がじかに声を発しているような(つまり物質的な音ではなく)ヴィヴィッドな発音で、しかも極度に洗練された雑味のない音像。小さめなボディとは思えない音圧の高さで、しかし(それこそ大音量のモダンギターのような)不自然なところは一切なく、音楽的な抑制が絶妙になされています。メイプル特有の真綿のような触感の音が耳に心地よく、加えてオリジナルが1880年代のギターであることを充分に想起させるロマンティックな表情。音響的にも低音、中低音、高音のそれぞれのアイデンティティがしっかりとしていながら自然な全体のバランスを築き上げており、まさに弦合奏のようなパースペクティブを聴くことが出来ます。現存する本数が極めて少ないアリアスのギターをおそらく今世界で最も多く検分したであろうこの製作家の経験値のみならず、彼自身の稀有な作家性が現れた逸品となっています。

表面板内部構造はサウンドホール上下に一本ずつのハーモニックバー、ネック脚とバーの間に切妻形の補強プレート、サウンドホール両側(高音側と低音側)にも各一枚の平坦な補強プレート、その外側に短い力木が一本ずつ配置されています(この短い力木は例えばトーレスなら近接する横板のカーブに沿って設置されるところ、それとは反対にネック方向に僅かに傾いて設置されています)。そしてボディ下部には6本の扇状力木が設置されているのですが、センター(表面板の中央)がなく、扇頂点がそれぞれ微妙に異なるような独特のアシンメトリな配置になっており長さも高音側は長く低音側は短く設定されています。またボトム部でV字型に配置されることの多いいわゆるクロージングバーも本作では設置されていません。上記のような構造はトーレス以前を含めても類例がなく、アリアスの独創によるものと考えられています。ボディ重量は1.22kgと非常に軽く、レゾナンスはEの下に設定されています。

弦高値は入荷時のまま3.0/4.0㎜(1弦/6弦 12フレット)で設定されています。サドルには2.0㎜程の余剰がありますのでお好みに応じて低く調整することが可能です。本器は640㎜仕様ですので弦の張りは中庸で押さえやすくなっています。

Camino Verde社刊「ビセンテ・アリアス 忘れられた名工」での深い洞察と再現力で確かな力量を見せてくれた氏の、期待にたがわぬ充実した一本。本邦初紹介です。





品切れ 定価(税込) : 2,200,000 円 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 アンドレア・タッキ Andrea Tacchi
モデル/品番 Model/No. Omaggio alla scuola Spanola #419
001_TacchiA_01_221
弦長 Scale Length 650mm
国 Country イタリア Italy
製作年 Year 2021年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides シープレス単板 Cypress
付属品 Option ハードケース付属
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:アレッシ(オリジナルモデル)
弦 高:1弦 3.11mm/6弦 4.1mm


[製作家情報] 
1956年イタリア、フィレンツェに生まれる。現代イタリアを代表する製作家。
この歴史ある街で多種多様な職人達の優れた仕事と作品とに間近に接しながら過ごした彼は、幼い頃より想像力が豊かで工作技術に長けていました。15歳には最初のギターを製作し、その後アルゼンチン人の製作家 Ricardo Brané との出会いがきっかけで、大学で機械工学を学ぶかたわら、本格的にギター製作を自らの生業とすることを決意。しかし程なくしてBrané が若くしてこの世を去り、師を失った彼は自ら探求を始めます。そしてまず彼の敬愛する同時代の製作家達を、スペイン、フランス、イギリスそしてアメリカにまで及んで訪れ、ホセ・ロマニリョス、フレタ、ラミレスⅢ世といったまさに第一線のルシアー達より製作に就いての貴重なアドバイスを受け、議論し、見識を深めてゆきます。特にフランスの伝説的な名工ロベール・ブーシェ(1896~1986)とダニエル・フレドリッシュ(1932~2021)の二人からは製作の実用的な助言だけでなく、ギター製作に適した工具や治具の作り方、そして楽器作りにおいていかにインスピレーションとイマジネーションがその芸術性に寄与していくかを学び、その美学は現在も彼の重要な基礎となっています。

1985年にはフランスのカストレで開催された’Concours International des Facteurs de Guitare’において「芸術性」で1位、「音響」で2位を獲得し、これをきっかけにイタリアの新しい世代を担う製作家として世に認められるようになります。1989年には彼のオリジナルとして最重要モデルとなる “Coclea”を発表。極めて緻密な幾何学的、数学的なアプローチと伝統的な工法、そして彼の音楽芸術への深い造詣と嗜好が融合したものとしてイタリアのみならず現代のギターの中でも非常に特殊な位置づけがされているモデルとなっています。さらに飽くなき探求を続ける彼はその後アントニオ・デ・トーレス(1817~1892)の最晩年のギターにおける工法上の秘密をやはり科学的なアプローチを経て突きとめ、その研究をもとにまたしても非常に個性的なモデル“Thucea”を作り上げます。表面板の中央にヨーロピアンスプルース、その両外側にウェスタンレッドシダーという比重の異なる木材を合わせた4ピース仕様は響板としての振動効率を最大限に上げ、発音と遠達性の両方で未聞の成果を上げたものとなりました。また彼のもう一つの重要なラインナップとして、敬愛する偉大な先人達へのOmaggio(オマージュ)シリーズがあり、エンリケ・ガルシア、フランシスコ・シンプリシオそしてロベール・ブーシェのモデルが発表されており、そのレプリカとしての枠を超えた極めて高い完成度ゆえ、ギターファンからは垂涎のマストアイテムとなっています。

彼のギターは、それがスペインやフランスのギターへのオマージュである場合においても、独特な位相による遠近感の際立った発音と、聴く人を安心させる温かみのある音色、奥行きがありながらもしっかりと引き締まった音響などが特徴で、弾き手のインスピレーションを誘発する魅力が溢れたものになっています。そして隅々まで愛情がゆきわたった精緻な造作と意匠のセンス、そのトータルな外観としての気品はやはり比類なく、現代の最上のギターブランドの一つと言えるでしょう。

現在も旺盛に製作を続け、イタリアを中心にベテランから若手まで世界中のプロフェッショナルギタリストに彼のギターはに愛用されています。


[楽器情報] 
アンドレア・タッキ 2021年製作 「オマージュ」シリーズ最新作、限定モデルです。
ラベルには“Omaggio alla scuola Spagnol”と記されており、これは彼が心から敬愛してやまないトーレス、ヴィセンテ・アリアス、エンリケ・ガルシア、フランシスコ・シンプリシオ、マヌエル・ラミレス、サントス・エルナンデス、ドミンゴ・エステソ、モデスト・ボレゲーロ、ホセ・ラミレス等々、スペインの名工たちへの文字通りのオマージュであり、それらの偉大な名前の最後に自らを置く彼の深い矜持と覚悟、そして彼の音楽とギターへの愛情そのものの表明として作られたモデルであることを示しています。表面板は彼の“Thucea”モデルを想起させる4ピース仕様で裏板はシープレスの3ピース仕様。美しいプロポーションを持ったやや小ぶりなボディはアリアスのギターを参考にしたとのこと。糸巻はタッキ氏自身の監修によるAllesiの特注モデルで古雅な様式を追求しており、特徴的なロゼッタは伝統的なエジプト文様とトーレスの意匠から想を得たもの、そして目を奪われるようなセラックの深みのある艶やかな仕上げにより、全体に比類のない気品を漂わせています。

内部構造はサウンドホール上側に2本、下側にスキャロップド加工された1本のハーモニックバー、そしてその下に5本のそれぞれ高さの異なる扇状力木が左右対称に配され、ボトム部にはクロージングバーは無く、駒の真下の位置には薄いプレートが貼られています。その薄いプレートに直角に交わるように、別の10㎝にも満たない小さな一本の力木が、5本の扇状力木の中央の一本のすぐ横に配置されています。レゾナンスはGの少し上に設定されています。

音響は彼ならではの非常に密度の濃い艶やかな音色が、純粋なスペインギターとはまた違った趣をもって深い奥行きで鳴り、その表情は温かく何ともロマンティック。シープレス材を使用したことにより木質感が絶妙に加味されており、それがクラシカルな雰囲気に寄与しています。発音のレスポンスにもやはりこのブランド独特の膨らみ方があり、音量はとても豊か。弦の張りは中庸で、ネックはやや薄めのDシェイプで加工されており、握りはコンパクトで撥弦が楽な印象があります。

ラベルにはもう一つ、“IL Morino”と直筆で書かれており、これはタッキ氏自身の幼少の頃のニックネームであったそう。ギター製作に憧れる自らの心の中の少年を刻印したこのモデルは、実は彼自身のプライベート用として1本だけ製作されたもの。数年前に日本を訪れた時の感動と感謝から、今回タッキ氏よりオファーを頂き、ご本人の日本への深い愛情のしるしとして、この貴重な一本を当店でご紹介できる運びとなりました。

HISCOX ハードケース、ブランドオリジナルクロス、ブランドオリジナルアームカバー付属。




品切れ 定価(税込) : 2,750,000 円 販売価格(税込) :  2,612,500 円

製作家/商品名 アンドレア・タッキ Andrea Tacchi
モデル/品番 Model/No. ブーシェモデル Omaggio a Robert Bouchet No.424
001_TacchiA_01_222
弦長 Scale Length 650mm
国 Country イタリア Italy
製作年 Year 2022年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:アレッシ(オリジナルモデル)
弦 高:1弦 3.0mm/6弦 4.0mm


[製作家情報] 
1956年イタリア、フィレンツェに生まれる。現代イタリアを代表する製作家。
この歴史ある街で多種多様な職人達の優れた仕事と作品とに間近に接しながら過ごした彼は、幼い頃より想像力が豊かで工作技術に長けていました。15歳には最初のギターを製作し、その後アルゼンチン人の製作家 Ricardo Brané との出会いがきっかけで、大学で機械工学を学ぶかたわら、本格的にギター製作を自らの生業とすることを決意。しかし程なくしてBrané が若くしてこの世を去り、師を失った彼は自ら探求を始めます。そしてまず彼の敬愛する同時代の製作家達を、スペイン、フランス、イギリスそしてアメリカにまで及んで訪れ、ホセ・ロマニリョス、フレタ、ラミレスⅢ世といったまさに第一線のルシアー達より製作に就いての貴重なアドバイスを受け、議論し、見識を深めてゆきます。特にフランスの伝説的な名工ロベール・ブーシェ(1896~1986)とダニエル・フレドリッシュ(1932~2021)の二人からは製作の実用的な助言だけでなく、ギター製作に適した工具や治具の作り方、そして楽器作りにおいていかにインスピレーションとイマジネーションがその芸術性に寄与していくかを学び、その美学は現在も彼の重要な基礎となっています。

1985年にはフランスのカストレで開催された’Concours International des Facteurs de Guitare’において「芸術性」で1位、「音響」で2位を獲得し、これをきっかけにイタリアの新しい世代を担う製作家として世に認められるようになります。1989年には彼のオリジナルとして最重要モデルとなる “Coclea”を発表。極めて緻密な幾何学的、数学的なアプローチと伝統的な工法、そして彼の音楽芸術への深い造詣と嗜好が融合したものとしてイタリアのみならず現代のギターの中でも非常に特殊な位置づけがされているモデルとなっています。さらに飽くなき探求を続ける彼はその後アントニオ・デ・トーレス(1817~1892)の最晩年のギターにおける工法上の秘密をやはり科学的なアプローチを経て突きとめ、その研究をもとにまたしても非常に個性的なモデル“Thucea”を作り上げます。表面板の中央にヨーロピアンスプルース、その両外側にウェスタンレッドシダーという比重の異なる木材を合わせた4ピース仕様は響板としての振動効率を最大限に上げ、発音と遠達性の両方で未聞の成果を上げたものとなりました。また彼のもう一つの重要なラインナップとして、敬愛する偉大な先人達へのOmaggio(オマージュ)シリーズがあり、エンリケ・ガルシア、フランシスコ・シンプリシオそしてロベール・ブーシェのモデルが発表されており、そのレプリカとしての枠を超えた極めて高い完成度ゆえ、ギターファンからは垂涎のマストアイテムとなっています。

彼のギターは、それがスペインやフランスのギターへのオマージュである場合においても、独特な位相による遠近感の際立った発音と、聴く人を安心させる温かみのある音色、奥行きがありながらもしっかりと引き締まった音響などが特徴で、弾き手のインスピレーションを誘発する魅力が溢れたものになっています。そして隅々まで愛情がゆきわたった精緻な造作と意匠のセンス、そのトータルな外観としての気品はやはり比類なく、現代の最上のギターブランドの一つと言えるでしょう。

現在も旺盛に製作を続け、イタリアを中心にベテランから若手まで世界中のプロフェッショナルギタリストに彼のギターは愛用されています。

[楽器情報] 
アンドレア・タッキ 製作 Omaggio A Robert Bouchet 2022年新作入荷です。
「ロベール・ブーシェへのオマージュ」という名を冠された本作は文字通りこの稀代の名工への深い敬意とともに、タッキ氏自身の芸術的感性と工作技能の全てを注ぎ込んだような濃密な一本に仕上がっています。

まずその音が素晴らしい。かつてブーシェのギターを手にしたジュリアン・ブリームが「小さなオルガンのようだ」と評したその音響特質をしっかりと掴みつつ、タッキならではのgentlenessがそこに加味されたなんとも表情豊かな楽器となっています。発音はくっきりと、そして硬質とさえいえるものですが、その一つ一つの音にはそれこそ上記のブリームの言葉のように濃密な芯と柔らかな触感があり、力強くしかしあくまで控えめな、その凛とした佇まいが大変に魅力的。表情を繊細極まりないレベルにおいて、表面だけでなくその奥行きにおいても変化させて行く様はまさに音楽的で、奏者の心の動き(指のタッチ)に完全にシンクロする感覚がありますが、更には楽器のほうからも提案してくるような有機的なレスポンスが得られるのはもはや名器と言えるほどのレベル。和音やアルペジオでは音の分離性を保ちながら、やはり表情豊かな拡がりと奥行きを生み出し、しっかりとうねりを形成してゆきます。それは単音での旋律、和音での伴奏という基本スタイルにおいて、まるで室内楽のような音響空間となってゆくのを感じることができます。

アンドレア・タッキのもう一つの特徴として挙げることのできる、控えめなモダン性もここでは十全に備わっています。「Omaggio」(オマージュ)シリーズに現れているように、偉大なマエストロ達への敬意を表しながら、彼自身の性質としての現代感覚が音響全体を慎ましく洗練させており、その結果ルネサンスから現代に至るまでの幅広いジャンルに対応できる楽器に仕上げているのも特筆すべき点でしょう。

内部構造はオリジナルブーシェに準拠しながらも、ここでもタッキ自身のクリエイティブな工夫を慎ましく加えています。サウンドホール上側に2本、下側に1本のハーモニックバー(下側のバーは中央部に凹みのカーブを掛けたスキャロップドタイプで低音側には3mmほどの高さで開口部が設けられています)、左右対称の間隔で配置された5本の扇状力木と駒板位置に設置された「トランスヴァースバー」という全体の配置。5本の扇状力木のうち一番低音側の一本は上記ハーモニックバーの開口部を潜り抜けてサウンドホール縁近くまで延伸しています。また特徴的なのがブーシェ最大の特徴と言える「トランスヴァースバー」ですが、通常駒板と同一線上に横幅一杯にわたって設置するところ(5本の扇状力木はこのバーを貫通してボディボトム部まで伸びています)、やや高音側をネック方向に傾斜させ、範囲も高音側に寄せて設置されており、一番低音側の扇状力木はこのバーを貫通しない形で配置されています。いわばブーシェオリジナル構造に高音側と低音側とでアシンメトリの発想を盛り込んだものになっており、数多あるブーシェレプリカあるいはブーシェの影響を受けたとされるブランドにおいても同様の配置は見られない、独自のものとなっています。レゾナンスもまたここでは(おそらく意図的に)F#の少し上という低めの設定がされています。

意匠の細部に至る精緻さとセンスも特筆すべき点ですが、今回このモデルのために氏が長年温存してきたハカランダ材を使用、表面板のヨーロッパ松、ネックのマホガニー材に至るまで最高品質のマテリアルをセレクトして下さいました。そして糸巻はイタリア高級ブランドAlessi製のタッキオリジナルデザインによる特別モデルを装着(buttonはなんとタッキ氏の自作)。ネックはやや薄めのDシェイプで弦の張りも中庸、ストレスのない発音と相まって両手ともストレスなく弾ける感触です。

国内での新作が非常に貴重な現代イタリアの名工、そのフラッグシップモデルとも言える名モデルの入荷です。


品切れ 定価(税込) : 4,400,000 円 販売価格(税込) :  4,180,000 円

製作家/商品名 ポール・シェリダン Paul Sheridan演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. Lattice ClassicalNo.239
010_01_Sheridan_220
弦長 Scale Length 640mm
国 Country オーストラリア Australia
製作年 Year 2021年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides ジャラ Jarrah
付属品 Option ハードケース付属
備考 Notes
ネック:タスマニアンオーク
指 板:エボニー
塗 装:ラッカー
糸 巻:グラフ
弦 高:1弦2.8mm/6弦4.4mm

オーストラリア、パース(Perth)に工房を構える製作家で、グレッグ・スモールマン以降のオーストラリア派では最も重要なブランドの一つ。
1985年より製作を始め、当初は伝統的な工法で造られたギターでしたが、後にスモールマンの影響を受けた格子状力木(Lattice bracing)構造に移行。サウンドホール上下に太く強固なハーモニックバーが1本ずつ設置され、その下側のバーを境にしてボディ下部にまんべんなく、表面板の木目と同じ向きに等間隔に10本、それと垂直に交わるようにこちらも等間隔で8本が配置され、正面から見ると碁盤の目のような構造になっています。加えてエンドブロックからサウンドホール上のバーの付け根に向かってこれも非常に太く強固なバーが表面板に接しない形で設置されています。表面板の厚みはサウンドホール下のバーを境にネック側はかなり厚めに、格子状力木のエリアは薄く加工されています。安定性の高いタスマニアンオークによるネックはボルトによってボディに設置されており、また表面板はネック付け根部分に向かって緩やかに傾斜してレイズドフィンガーボード仕様となっています。薄いDシェイプのネックは握りやすく、高い演奏性が追求されています。

材質にもこだわりを見せ、表面板は良質なイングルマンスプルース、横裏板はオーストラリア原産のジャラ(Jarrah)をアーチ加工して使用。表面板はラッカーのマットフィニッシュでメイプルの洒落たアームレストとの相性が良く、ロゼッタの洒脱なデザインも含めヴィジュアル的にも秀逸の一本。現在2~3年のウェイティングリストを抱えているという人気のブランド、新作の初入荷です。





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