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製作家/商品名 アルカンヘル・フェルナンデス Arcangel Fernandez
モデル/品番 Model/No.
001_020_arcangel_03_203
弦長 Scale Length 650mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 2003年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option ヒスコックケース 黒
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:黒檀
塗 装:セラック
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 3.0mm /6弦 4.0mm

[製作家情報]
1931年スペイン、マドリッド生まれ。マヌエル・ラミレス、サントス・エルナンデスから続くマドリッド派の哲学を真に継承し、頑ななまでにそれを護り通したほとんど唯一の職人であり、その芸術性においても極点を示した20世紀後半のスペインを代表する製作家です。

少年時代は映画俳優志望で実際に数本の映画にも出演、13歳になると家具職人として働き始め、同時にフラメンコギターの演奏も始めます。相当な腕前だった彼は兵役を終えた頃にはプロギタリストとしての道を模索するようになりますが、1954年、当時サントス・エルナンデス(1874~1943)の後継者とされていた名工マルセロ・バルベロ1世(1904~1956)の知己を得てその工房に足繁く通うようになると、この名工のすすめに応じて弟子入りします。アルカンヘルは師バルベロの作るギターに強い興味を抱き、持ち前の探求心で加速度的に製作の腕前を上げ、瞬く間に職人として成長してゆきます。しかしバルベロは1956年に52歳の若さで他界。わずか2年間に学んだことを糧に、唯一の弟子であったアルカンヘルはバルベロの残された注文分のギターをすべて製作した後、1957年に師の工房の近くヘスス・イ・マリア通りに自身の工房を設立。この開始時からアルカンヘルの職人としての充実度はすさまじいほどで、造作と音響の両方において若さゆえの甘さなどみじんもなく、透徹した精神が隅々まで行き渡った名品を作り出しています。そしてそれはその後50年に渡り一切弛緩することなく続いてゆくことになります。後年には師の息子マルセロ・バルベロ・イーホ(1943~2005)がスタッフに加わり、共に同じ工房で製作を続けていました。

自身のラベルによるものはクラシック、フラメンコそれぞれ一貫してワンモデルのみを製作。それ以外には工房品(「Para Casa Arcangel Fernandez」ラベル)としてバルベロ・イーホやマヌエル・カセレスらが製作を担当して出荷もしています。この二人はそれぞれ自身のオリジナルラベルでの製作も行っていますが、アルカンヘル工房品として出荷されたものも完全手工品として(ラベルには製作者の名前が明記されています)極めて高いクオリティのもので評価も高く、現在中古市場でも人気のアイテムとなっています。

アルカンヘルの造作、材の選定、そしてなによりも音色に対する一切の妥協を排した製作姿勢は彼の人柄もあいまって孤高の趣を呈し、彼の楽器はそのあまりの完成度の高さゆえに、演奏者に非常な技術の洗練を要求するものとなっております。それゆえに多くのギタリストを刺激し続けている稀有な楽器ですが、2011年に製作を引退。現在ではますます稀少となっている名ブランドの一つです。


[楽器情報]
アルカンヘル・フェルナンデス 2003年製作 クラシックモデルUsed の入荷です。名工アルカンヘルの達意のクラシック、マドリッド派の純粋形態を21世紀の現在に具現化したような一本で、まさに逸品です。いかにも彼らしい硬質な、強い粘りを持った発音で、倍音を抑えた音像は一つ一つが洗練されており、凛としてストイックな佇まい。旋律になると全く自然なしなやかさとうねりを生み出し、音は楽想に応じて(あくまでも控えめながら)可愛らしさからデモーニッシュなものまでも表出する、そのクラシカルな表現力が素晴らしい。スパニッシュギターらしい重厚で豊かな音量を備えていますが、「箱がよく鳴っている」というよりも、何か大きなものがそこに存在してるかのようなアルカンヘルの特徴的な音圧感。それはモダンギター的な、小さなものを増幅しているような(どこか無理やりな感がなくもない)音量のあり方とは全く異なる極めて有機的なもので、ギターという楽器の自然な性質として現れた音圧の高さであり、その迫力はやはり比類がありません。音響バランスもすぐれていて、重心の低いしっかりとした低音から繊細かつ力強い高音までの自然なつながり。それでいて各弦はそれぞれに明確なアイデンティティを持っており、ポリフォニックな曲においては各声部の性格をしっかりと弾き分けることができます。しばしば引き合いに出される「小さなオーケストラ」のたとえを参照するなら、ここではむしろ弦楽四重奏的な、より緊密な音響が立ち現れてきます。

表面板力木配置はサウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に一本ずつのハーモニックバー、扇状力木は6本が、センターに配置された1本を境として低音側に2本、高音側に3本配置され、ボトム部でそれらの先端を受け止めるようにハの字型のクロージングバーを設置、駒板位置にはほぼ横幅いっぱいに補強プレートが貼られている、アルカンヘルのクラッシックモデルの定式の配置となっています(これらのバーや力木はそれぞれ通常のギターよりも太く高く、強固に作られています)。レゾナンスはG#の少し下に設定されています。

コンディションはとても良好で、表面板サウンドホールまわりにわずかに微細な弾き傷、ブリッジ下1弦部分に弦とび補修あとがあるほかはわずかに衣服の摩擦があるのみのとなっています。ネック、フレット等演奏性に関わる部分も問題ございません。ネックは普通の厚みの
Dシェイプ。弦高は3.0/4.0mm(1弦/6弦 12フレット)でサドルには1.5~2.0mmの余剰がありますのでさらに低く設定することが可能です。糸巻はスペインの老舗ブランドFustero製を装着しており、こちらも現状で機能に問題ありません。


新入荷 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 アルカンヘル・フェルナンデス Arcangel Fernandez
モデル/品番 Model/No.
001_020_arcangel_1_03_160
弦長 Scale Length 655mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1960年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:黒檀
塗 装:セラック
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 2.7mm /6弦 3.6mm

[製作家情報]
1931年スペイン、マドリッド生まれ。1954年に当時サントス・エルナンデスの後継者とされていた名工マルセロ・バルベロ1世の知己を得て、その工房に足繁く通いギター製作を学ぶこととなります。バルベロ1世がその2年後に52歳の若さで他界したあとは自ら工房を立ち上げ、後年には師の息子マルセロ・バルベロ・イーホがスタッフに加わり、共に製作を続けていました。造作、材の選定、そしてなによりも音色に対する一切の妥協を排した製作姿勢は彼の人柄もあいまって孤高の趣を呈し、彼の楽器はそのあまりの完成度の高さゆえに、演奏者に非常な技術の洗練を要求するものとなっております。それゆえに多くのギタリストを刺激し続けている稀有な楽器ですが、2011年に製作を引退。現在ではますます稀少となっている名ブランドの一つです。

[楽器情報]
アルカンヘル・フェルナンデス 1960年製 クラシックモデルUsed、工房を立ち上げて間もない時期の作になります。このブランドのクラシックモデルとしては軽快で明るく乾いた音色で、後のような強靭で粘りのあるストイックな音色とは趣が異なり、円満にスペイン的な音響を備えた個体となっています。発音の感触や反応性もほとんどフラメンコ的とさえ言えるもので、それゆえ右手の演奏性という点でも楽に弾ける感覚があります。表面板の力木構造はアルカンヘル クラシックモデルの定型配置で、サウンドホール上下に1本ずつのハーモニックバー、扇状力木は計6本がセンターの1本を境にして低音側に2本、高音側に3本が設置されており、これらの先端をボトム部で受け止めるように2本のクロージングバーがハの字型に配置されています。さらに駒板の位置には駒板よりも少し長めの補強板が貼られています。レゾナンスはGの少し上に設定されています。表面板はやはり後年の彼のギターと比較すると薄めで、上記の力木それぞれの加工も彼の楽器としてはややサイズの小さめな加工(一般的には普通の大きさ)になっており、ボディ重量も1.49㎏と軽めとなっています。

表面板のサウンドホール高音側に一部、また指板脇低音側にも演奏時の爪による掻き傷があり一部木地が露出しているところがあります。横裏板はアルカンヘルらしい柾目のブランジリアン・ローズウッド。演奏時に腕や胸の当たる部分はその摩擦による若干の塗装変色があります。裏単のネックヒール近くには10センチほどの割れ修理歴がありますがしっかりと補強修理が施されていますので現状での問題はありません。裏板はおそらく過去に一度取り外されてオーバーホールが施されております。ネックやフレット等の演奏性にかかわる点での問題はありません。糸巻きもオリジナルのフステロよりGOTOH製のアルカンヘルモデルに交換されており、外観的に変色等は見られますが動作状況は良好です。

定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 マルセロ・バルベロ・イーホ Marcelo Barbero hijo
モデル/品番 Model/No. パラ・カサ・アルカンヘル Para Casa Arcangel 
001_021_barberohijo_03_187
弦長 Scale Length 650
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1987年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option BAMcase
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:黒檀
塗 装:ラッカー
糸 巻:ロジャース
弦 高:1弦 3.0mm /6弦 3.8mm


〔製作家情報〕
1943年マドリッド生まれ。父は20世紀前半のスペインを代表する名工の一人マルセロ・バルベロ1世(1904~1956)。わずか13歳の時に父バルベロ一世が他界したあと、その弟子であったアルカンヘル・フェルナンデス(1931~)が1957年に自身の工房を開き、バルベロ・イーホは徒弟としてアルカンヘルの工房に入ることになります。アルカンヘルは最初彼をあえてホセ・ラミレス3世の工房に修行に出し、このスペイン最大のブランドで製作の基礎を学んだ彼は、1960年の17歳の年にはすでに最初のギターを製作するまでに技術を磨いていきます。その後アルカンヘル工房に戻り、師と共にまさに職人ならではの実直さと探求心で製作に打ち込みます。「アルカンヘル・フェルナンデス工房品」のラベルを貼って出荷されたそのギターは実質バルベロ・イーホ本人による完全手工品であり、師アルカンヘルに勝るとも劣らない非常なクオリティを有したものとしてコアなギターファンに愛されました。1990年代後半からは自身のオリジナルラベルでの製作も並行して行い、ますます洗練と充実の高まりを見せていた彼でしたが、2005年1月に早すぎる死を迎えてしまいます。渋くやや硬質な粘りを持ったその音色は師アルカンヘル、さらには父バルベロ1世にまでつながるスペインギター最良の伝統を感じさせ、特に晩年に近づくほどに評価の高まりを見せるその楽器は、まさにスペインギター随一の逸品としての評価を不動のものとしています。

〔楽器情報〕
マルセロ・バルベロ・イーホ 1987年製作 アルカンヘル・フェルナンデス工房ラベルUsed の入荷です。「工房品」として出荷されていたモデルですが実際にはバルベロ・イーホ本人が一人で製作しており、彼自身のオリジナルとして認識されているギターです。しかしながら父バルベロ1世から弟子であるアルカンヘルに受け継がれたものを、そのアルカンヘルの弟子であるバルベロ・イーホが如実に受け継いでおり、この工房の一貫したブランドコンセプトを見て取ることができるものとなっています。漸進的にその作風を深化させていったとされる彼としては、中期の作といえるこの1987年製は、師アルカンヘルの妥協のないストイックな音響や、彼自身の晩年の気高さと比較すれば、実に円満に(ラミレス系の)マドリッド派的な音を体現しています。発音の粘りにはアルカンヘルにも似た独特のものがありますが、音色は明るく、屈託のない華やかさと迫力が魅力の一本です。

表面板内部構造はアルカンヘルクラシックモデルの定番的なもので、サウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に一本ずつのハーモニックバー、扇状力木は計6本がセンターに配された1本を境として低音側に2本、高音側に3本が、ほぼ駒板の横幅に収まるように寄り添って配置され、ボトム部にはこれらの力木の先端を受け止めるように2本のハの字型に配されたクロージングバーという構造。レゾナンスはGの少し下に設定されています。

全体はラッカーによる再塗装が施されており、塗装表面にひび割れが生じていますが本体には影響のないレベルです。表面板はブリッジ下高音側に駒板縁からボトムまで割れの修理歴があり、内側からパッチ補強が施されていります。また指板脇も割れの補修歴があり、内側はネック幅の範囲を覆うようにパッチ補強がしっかりと施されています。微小な弾きキズや摩擦あとなどが少々あり、ブリッジ下の1~3弦穴部分は弦とび跡などあります。横裏板は傷はほとんどありませんが、演奏時に胸の当たる部分などに若干の塗装ムラが見られます。ネックは厳密にいえばほんのわずかに順反りですが、出荷時の標準設定値であり問題はありません。フレットも適正値を維持しています。ネック形状は普通の厚みのDシェイプでややスクエアに加工されています。糸巻は高級ブランドRodgersの プレーンゴールドプレートモデルを装着しており、こちらも現状で機能的に良好です。




新入荷 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 ヘスス・ベレサール・ガルシア Jesus Belezar Garcia演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. No.120
001_belezarJ_1_03_173
弦長 Scale Length 659mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1973年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides ローズウッド単板 Indian Rosewood
付属品 Option ハードケース黒
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラックニス
糸 巻:フステロ
弦 高:1弦 3.0 mm/6弦 4.0mm


[製作家情報]
ヘスス・ベレサール・ガルシア(1920~1986)
スペイン、マドリッドの生まれ。13歳から機械工として働き始めた彼は同時にフラメンコギターの演奏も本格的に学んでおり、17歳の時にはプロギタリストとして活動も始めていました。1945年、25歳の時に「エルナンデス・イ・アグアド」のブランド名で知られるギターの製作者の一人マヌエル・エルナンデスの娘エミリアと結婚。彼は演奏家として「アグアド」のフラメンコギターを使用していましたが、そのような環境ゆえ次第にギター製作にも興味を持つようになります。そんな彼の気持ちを知ってか、1966年のある日義父のエルナンデスより「アグアド」の後継者になってほしいと相談を持ち掛けられます。当時すでにエルナンデスの相方であるビクトリアーノ・アグアドは身体の不自由を訴え始めており、ブランドの存続を憂いての提案であるとともに、ベレサールの実直な人間性と機械工としての技術の確かさを見込んでのことであったでしょう。彼は製作家になる決心をし、46歳にして一から製作方法を学びます、師匠はもちろんエルナンデスとアグアドの二人。2年間の修行を経て1968年に独立。機械工の仕事も辞し、ギター製作一筋に従事してゆきます。

生涯に製作したのはわずかに83本。彼自身はフラメンコギタリストでしたが、試作品として自分のために製作した最初の一本(No.1)と2本目(No.52)を含む3本のみがフラメンコギター、あとの80本はクラシックギターとなっています。独立後に製作したギターはNo.103から製造番号が付けられており、最後の1本はNo.183 。

師であるエルナンデスとアグアドの製作方法、塗装、デザイン、そして音色的に多くものを顕著に引き継ぎながらも、そのトータルクオリティと芸術性の高さにおいて非常に個性的であり、「アグアドの後継者」という枠に収まらない強固なアイデンティティを持っています。最大の特徴である響きと音色は、どこまでも優しく力強く、独特の肌理を持ち、自在に表情を変えてよく歌い、そして余計なものが何もないといったもので、師のギターが時に「スネアドラムのような」と評されるほどのマッシブな音の迫力を湧出するのに対し、ベレサールは常に揺るぎのないジェントルな強さに満ちています。そしてアグアドのギターがその天才性でしか説明がつかないような個性を放つのと同様に、ベレサールのギターもまたスペインギターの中でも特異な存在となっています。

彼を直接知るひとはみなその優しくまじめな人柄のことを話し、その彼が作ったギターもまた彼の性格そのままに、暖かく耳に心地よい響きを有したものだと語ります。亡くなる直前まで没頭するように製作に従事し、1986年8月28日惜しまれつつその生涯を閉じます。


[楽器情報]
ヘスス・ベレサール・ガルシア 1973年製作のNo.120 クラシックモデル Usedの貴重な入荷です。
ベレサールの製造番号は独立後最初に作られた1本にNo.103があてられているので、本作はブランド設立からは18本目のギターとなります。ふっくらとした優美なライン、ある種の荘厳ささえ感じさせながらあくまでも洒脱なヘッドデザイン、独特な調合によるセラックで深い光沢をたたえた塗装仕上げ等々アグアド的なものを彷彿とさせる外観がまずは非常な魅力となっています。そして音、やや硬めな発音ながらその一粒一粒は心地よい丸みを帯びた弦楽器的な音像で、高音から低音に至るまで重心の安定した響き、そして人間の声のように自然な明暗を備えています。その音楽的表現力は、やはりアグアドと同様に非常な魅力であり、まさに歌う楽器としてのギターの特性を最大限に発揮しています。その表情は可愛らしさから強靭な意志までの大きな振幅で奏者のタッチに応じ、ルネサンス・バロックの楽曲では凛とした清潔感、古典派ロマン派の演奏においては深い憂愁と愉悦まで、あくまでも上品に表現する素晴らしさ。師のギター同様に奏者にはタッチの熟練と相性が求められますが、フィットした時の豊かな感触はやはり真の名品ならでは。

内部構造も1960年代後半のアグアドギターにほぼ準拠。サウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に1本ずつのハーモニックバー、サウンドホール真下の位置から高音側横板に向かって斜めに下りてゆくように配された1本のトレブルバー、扇状力木はセンターに配された1本を境にして高音側に2本と低音側に3本の合計6本、それらの先端をボトム部で受け止める2本のハの字型に配置されたクロージングバー、ブリッジ位置には駒板とほぼ同じ大きさのパッチ板が貼られているという全体の配置。レゾナンスはG#の少し下に設定されています。

ボトム部の左右横板接合部に隙間と割れの補修履歴あり、またくびれ部分のパーフリング隙間補修歴があります。細かなスクラッチ、弾き傷等はありますが年代考慮すると比較的良好な状態。裏板塗装は全体に細かなひび割れが生じていますがさほどに外観は損ねず、また継続しての使用にも影響はありません。製作からほぼ50年を経たギターとしては良好な状態を維持しています。ネックは厳密にはほんのわずかに順反りですが演奏性等に影響はないレベル、フレットも適正状態を維持しています。ネック形状は薄めでフラットなDシェイプ、弦は中庸からやや強めの張り、弦長も660㎜ですが弾きにくさを感じません。ボディ重量は1.51Kg。

製作数の少なさという点からとは別に、おそらくはスペインギター史の中でも唯一「アグアド」の音響哲学を継承し体現したブランドという意味において、大変に貴重なブランド、貴重な一本です。






定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 ポール・フィッシャー Paul Fischer
モデル/品番 Model/No. コンセルヴァトワール Conservatoire
001_fischerP_03_194
弦長 Scale Length 640mm
国 Country イギリス England
製作年 Year 1994年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:黒檀
塗 装:ラッカー
糸 巻:ロジャース
弦 高:1弦 2.8mm /6弦 4.0 mm

〔製作家情報〕
1941年イギリス生まれ。オックスフォードに育ち、同地に工房を開きます。Robert Gobleのもとでハープシコードの製作を学び、またその他の楽器に対する造詣も深く、ヨーロッパ的な伝統に広く通暁した知性的な製作家として知られています。同国の名工デビッド・ホセ・ルビオの工房で1969年より職人としてギター製作に従事し、職工長としてPFのスタンプが許されます(PFのイニシャルが刻印されたルビオギターは現在も中古市場で愛好家の高い評価を得ています)。1975年に独立して工房を設立。最初はルビオ的な構造を踏襲したギターでしたが、これまでの研鑽とオックスフォード大学で学んだ経験をもとに、科学的な見地から音響と構造の関係を探求、独自の力木配置によるギターを製作し始めるようになります。その結果音色と音響は高度に洗練され、従来のギターでは得られなかった均整感、個性的な発音を備えた楽器となり、音響バランスにこだわる多くのプロギタリストたちから高い評価を得て、20世紀の最後に世界で最も売れたブランドの一つとなります。

〔楽器情報〕
ポール・フィッシャー製作 1994年製 Conservatoire(コンセルヴァトワール)モデル 640㎜のショートスケール仕様の Usedです。 Virtuosoと並んでこのブランドのフラッグシップモデルとなっているフィッシャー的個性に溢れた一本。注目すべきはその表面板内部構造で、彼が ’TAUT’ システムと名付けた格子状の力木配置。表面板上部はサウンドホール上側(ネック側)に2本、下側(ブリッジ側)に1本で計3本のハーモックバーで通常のスパニッシュスタイルですが、表面板下部は計4本のトランスヴァースバーが等間隔に設置され(うち一本はちょうどブリッジサドルの位置に設置されている)これらと直角に交差するように11本の長短の力木が板の木目に沿って等間隔に隅々にまで設置されており、精緻な格子状構造を形成しています。これらの力木とバーの高さと大きさは高音側と低音側とで同じサイズで加工されており、全体が均質な振動特性を得られるような工夫がされています。レゾナンスはAの上に設定されています。薄い表面板と格子状力木構造との組み合わせはオーストラリアの製作家グレッグ・スモールマンが開発したギターが有名ですが、スモールマンは表面板の木目に対し45度の角度で力木を交差させることで、菱形状の格子構造を表面板に行き渡らせるように作られています。

低音から高音までの全ての音が均質に、同じフェーズで響いているような整ったバランス感覚があり、どの音も互いに自然に繋がるような(ギターとしてはむしろ特異と言える)音響設計が試みられています。そしてそのフラットな音響の中で、一つ一つの音には表情の意外なまでの深さと多彩さがあり、また音楽的な身振り(スラ―、スタッカート、ヴィブラート、そして速い旋律等)における反応性も非常なものがあります。

割れなどの大きな修理履歴はございません。表面板はサウンドホール周辺やブリッジ下などに細かな弾きキズや摩擦痕等が集中して見られますが年代相応のレベル、また全体はラッカー塗装のひび割れが生じていますが現状で継続使用に問題ありません。横裏板は衣服などによる細かな摩擦あとと数か所の小さな打痕等のみで良好な状態。ネックは真っ直ぐを維持しており、フレットも適正値を維持しています。ネック形状は通常の厚みのDシェイプ。弦長が640㎜のショートスケール設定に加え、ナット幅は49.5mm、ナット弦幅も41.0mmとコンパクトなサイズ感になっています。糸巻はカナダの高級ブランドRodgers製を装着しており、こちらも現状で動作状況に問題ありません。


新入荷 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 ポール・フィッシャー Paul Fischer
モデル/品番 Model/No. アルト ALTO No.906
001_fischerP_03_195
弦長 Scale Length 542mm
国 Country イギリス England
製作年 Year 1995年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option 専用ハードケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:黒檀
塗 装:ラッカー
糸 巻:メイシー
弦 高:1弦 2.9mm /6弦 4.0 mm

〔製作家情報〕
1941年イギリス生まれ。オックスフォードに育ち、同地に工房を開きます。Robert Gobleのもとでハープシコードの製作を学び、またその他の楽器に対する造詣も深く、ヨーロッパ的な伝統に広く通暁した知性的な製作家として知られています。同国の名工デビッド・ホセ・ルビオの工房で1969年より職人としてギター製作に従事し、職工長としてPFのスタンプが許されます(PFのイニシャルが刻印されたルビオギターは現在も中古市場で愛好家の高い評価を得ています)。1975年に独立して工房を設立。最初はルビオ的な構造を踏襲したギターでしたが、これまでの研鑽とオックスフォード大学で学んだ経験をもとに、科学的な見地から音響と構造の関係を探求、独自の力木配置によるギターを製作し始めるようになります。その結果音色と音響は高度に洗練され、従来のギターでは得られなかった均整感、個性的な発音を備えた楽器となり、音響バランスにこだわる多くのプロギタリストたちから高い評価を得て、20世紀の最後に世界で最も売れたブランドの一つとなります。


〔楽器情報〕
ポール・フィッシャー製作のアルトギター、1995年製 No.905 Usedの入荷です。彼の通常サイズでのフラッグシップモデルとなるConcervatoire や Virtuosoのハイスペックな仕様をそのまま落とし込んだようなギターで、使用木材のグレード、デザインから細部の仕上げ、そして音響的な質とバランスにおいて極めて充実したアルトとなっています。透明感のある洗練された音色はいかにも高級感があり、また重心もしっかりした響きなので合奏用としてだけでなく単独での使用でも十分に楽しめます。表面板内部構造は7本の左右対称の扇状力木とV字型に配置された2本のクロージングバー、そしてサウンドホール上下に計3本のハーモニックバーというオーソドックスなスタイル。レゾナンスはA#の少し上に設定されています。アルトの基本チューニングは B、E、A、D,F#,B となっていますが、レキントチューニング(A、D、G、C、E、A)に落としてご使用頂く事も可能です。

表面板全体はラッカー塗装に細かくにウェザーチェック(ひび割れ)が入っておりますが塗装の性質上、経年での標準的な症状ですので使用には全く問題ありません。サウンドホール周りなど少々弾きキズ、またブリッジ下1弦2弦位置に弦とび跡があります。横裏板は傷はほとんどなくとてもきれいな状態ですが、裏板センター付近に1か所木目に沿っての割れ補修歴があります。ただしとても丁寧に補修がされており、内側からもパッチ補強がされていますので見た目と状態ともに問題ありません。ネックは真っすぐを維持しており、フレットも摩耗なく良好な状態。糸巻きも動作状況問題ありません。Kingham Case社製の高級専用ハードケース付き。

新入荷 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  330,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 ポール・フィッシャー Paul Fischer
モデル/品番 Model/No. アルト ALTO No.968
001_fischerP_1_02_198
弦長 Scale Length 540mm
国 Country イギリス England
製作年 Year 1998年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option ハードケース黒
備考 Notes
ネック:マホガニー
指 板:エボニー
塗 装:表板:ラッカー/横裏板:セラック
糸 巻:ライシェル
弦 高:1弦 3.0 mm/6弦 3.4mm


〔製作家情報〕
1941年イギリス生まれ。オックスフォードに育ち、同地に工房を開きます。Robert Gobleのもとでハープシコードの製作を学び、またその他の楽器に対する造詣も深く、ヨーロッパ的な伝統に広く通暁した知性的な製作家として知られています。同国の名工デビッド・ホセ・ルビオの工房で1969年より職人としてギター製作に従事し、職工長としてPFのスタンプが許されます(PFのイニシャルが刻印されたルビオギターは現在も中古市場で愛好家の高い評価を得ています)。1975年に独立して工房を設立。最初はルビオ的な構造を踏襲したギターでしたが、これまでの研鑽とオックスフォード大学で学んだ経験をもとに、科学的な見地から音響と構造の関係を探求、独自の力木配置によるギターを製作し始めるようになります。その結果音色と音響は高度に洗練され、従来のギターでは得られなかった均整感、個性的な発音を備えた楽器となり、音響バランスにこだわる多くのプロギタリストたちから高い評価を得て、20世紀の最後に世界で最も売れたブランドの一つとなります。


〔楽器情報〕
ポール・フィッシャー製作のアルトギター、1998年製 No.968 Usedの入荷です。彼のフラッグシップモデルとなるConcervatoire や Virtuosoのハイスペックな仕様をそのまま落とし込んだようなギターで、極めて充実したアルトとなっています。アルトの基本チューニングはB、E、A、D,F#,Bとなっていますが、レキントチューニング(A、D、G、C、E、A)に落としてご使用頂く事も可能です。ギターオーケストラ合奏用として、また民族音楽などの演奏等でお楽しみ下さい。

表面板に2カ所割れ修理履歴がございますがいずれも適正な補修(接着後に内側よりプレートにて補強)がされており、今後の使用には問題ございません。ネックは真っすぐを維持しており、フレットもほぼ摩耗なく良好な状態。糸巻きはドイツ製高級糸巻きライシェルを装着し、こちらも動作状況問題ありません。専用ハードケース付き。

定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  330,000 円
注文数 :   

製作家/商品名 ホセ・ラミレス 3世 Jose Ramirez III演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. 1a C-664R IMスタンプ No.2055
001_joseramirez_03_167
弦長 Scale Length 664mm
国 Country スペイン Spain
製作年 Year 1967年
表板 Top 杉単板 Ceder
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option スーパーライトケース
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ポリウレタン
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 2.8mm /6弦 3.8mm

[製作家情報]
100年以上続く歴史ある工房にして世界的にも有名なスパニッシュギターブランドのひとつ ホセ・ラミレス Jose Ramirez。ホセ・ラミレス1世(1858~1923)の時代から現在のホセ・ラミレス5世まで、1世紀以上に渡りスパニッシュギター製作史のなかで最も重要なブランドの一つとしてその名を刻み続けており、いまなおワールドワイドにマーケットを展開する工房です。

なかでもとりわけ評価が高く「Ramirez dynasty」 と言われるほどに豊饒の時代とされたホセ・ラミレス3世(1922~1995)の時期に製作されたギターは、革新的でありながら幅広いポピュラリティを獲得し、世界中のギタリストとギターファンとを魅了し続けました。1950年代末から1960年代、パウリーノ・ベルナベ、マリアーノ・テサーノスといった名職人が職工長として働き、高級手工品の品質を維持しながら大量生産を可能した独自の工房システムを確立します。そして1964年にこのブランドのフラッグシップモデルとして世に出した「1A」は、表面板にそれまでの松材に代わって杉材を使用、胴の厚みを大きくとり、横板は内側にシープレス材を貼り付けた二重構造、弦長は664mmで設定(通常は650mm)、さらに塗装には従来のセラック塗装からユリア樹脂のものに変更し耐久性を飛躍的に増すとともに、「ラミレストーン」と呼ばれる独特の甘く艶やかな音色を生み出し、真っ赤にカラーリングされた印象的な外観と相まってギター史上空前のポピュラリティを獲得することになります。

これらラミレス3世がクラシックギターに対して行った改革はマーケット戦略の面でも、また製作の面でも実に独創的でしかも時代の要請に十全に応じたもので、のちのギター製作全般に大きすぎるほどの影響を及ぼしたのと同時に、まさにクラシックギターのイメージを決定するほどに一世を風靡しました。

ラミレス3世の息子4世(1953~2000)は18歳の時に父ラミレス3世の工房にて徒弟として働くようになり、1977年には正式に職人として認められます。1988年には妹のアマリアと共にブランドの経営を任されるようになり、父の製作哲学を引き継ぎながら、より時代のニーズに則した販売戦略(エステューディオモデルの製作、標準的な650mmスケールの採用等々)を展開しさらにシェアを拡大してゆきますが、3世亡き後わずか5年後の2000年にこの世を去ります。

その後もアマリアを中心に柔軟な商品開発を継続しますが、2000年代以降はむしろ名手アンドレス・セゴビアの名演と共にその音色が記憶に残る3世と4世の時代につくられたモデルに人気が集中するようになり、特に製作を担当した職人のイニシャルが刻印されていた1960年代のものは往年のファンに現在も愛奏されています。


[楽器情報]
ホセ・ラミレス3世のフラッグシップモデル「1A」の中南米ローズウッド仕様、1967年製Usedです。本作はラミレス3世が急激にその名声とマーケットを拡大してゆく、つまり工房として最も充実した時期(楽器のクオリティという点においても)のもの。出荷されるプロフェッショナルモデルにはすべてマスタービルダーのイニシャルが刻印されており、当機はIMスタンプ、イグナシオ・マンサーノ・ロサスの作になります。

内部構造は1Aモデルの基本形。サウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に各1本のハーモニックバー、そして低音側から高音側に向かって斜めにボディを横切って設置された1本のトレブルバーがホール下側のバーとちょうど中央で交差しており、これは1Aモデルの特徴的な構造(2本のハーモニックバーは低音側に高さ数mmの開口部が設けられています)。扇状力木は6本がセンターの1本を境にして高音側に2本、低音側に3本を配し、ボトム部分でそれらの先端を受け止めるように2本のクロージングバーがハの字型に配置されています。ブリッジ位置には駒板よりも長いパッチ板が貼られています。レゾナンスはG#の少し上に設定されています。

全体に細かな弾きキズ、打痕、摩擦跡、塗装ムラ等ありますが年代考慮すると比較的良好な状態です。ネックもほぼ真直ぐを維持しており、フレットは1~5フレットでやや摩耗ありますが演奏性には問題のないレベルです。糸巻はオリジナルスペックのフステロ製を装着、つまみの回転にやや緩みはありますがギア部分の機能性は維持しており使用には問題ありません。




定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 ジョセフ・スタインマン Joseph Steinman
モデル/品番 Model/No.
001_JSteinman_03_177
弦長 Scale Length 650mm
国 Country イギリス England
製作年 Year 1977年
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides ローズウッド単板 Indian rosewood
付属品 Option ハードケース
備考 Notes
ネック:マホガニー
指 板:黒檀
塗 装:ラッカー
糸 巻:ヘフナー
弦 高:1弦 3.2mm /6弦 4.1mm

〔製作家情報〕
イギリスのブランド、ジョセフ・スタインマン 。実際に製作しているのは同国の製作家ポール・フィッシャー(1941~)になります。もともと彼の師匠であり共同製作者であったデビッド・ホセ・ルビオ(1934~2000)が、自身のギターが高額で購入できない愛好家たちのために、比較的安価なコンサートモデルとして製作したシリーズ。ラベルの「Joseph Steinman」は実際に製作した人間の名前ではなく、ヴァイオリン職人だったルビオの祖父の名前をブランド名として冠したものですが、当時からフィッシャーが製作を担当していたようです(ちなみにルビオの本名はDavid Joseph Spink)。1975年にフィッシャーが独立した際にはルビオはこのブランドの商標登録をフィッシャーに移譲し、それ以後は彼のワークショップブランドとして出荷されることになります。限定的な本数のみ製作され、そのほとんどが当時ルビオ工房のギター需要が高かった日本に輸出されたそうです。一旦製作を停止した後、2005年に同じラベルでこれも限定的に復活しています。

1970年代のものは内部構造やロゼッタなどのデザインでホセ・ルビオギターに多く準拠しており、雰囲気と音質の両方でルビオを思わせる特徴を備えたものとなっています。比較的安価な工房品とはいえ、イギリスを代表する名工の作だけあってクオリティは申し分なく、ルビオ~フィッシャーの音響を円満に備えたモデルとして現在でもマニアックなファンの間で人気のブランドとなっています。

〔楽器情報〕
ジョセフ・スタインマン 1977年製 Used の入荷です。
ルビオ工房から独立して間もないころのポール・フィッシャーによるギターで、ボディ内部には「P.F.」のスタンプと同じくイニシャルをプリントしたラベルが貼られています。ボディシェイプやロゼッタデザインなどはルビオギターを思わせるもので、本家ほどの重厚な迫力はないものの味わい深い外観。

表面板の力木構造はサウンドホールの上側(ネック側)に2本、下側(ブリッジ側)に1本の低音側から高音側に向かって少し下がってゆくように斜めに設置されたハーモニックバー、7本の左右対称の扇状力木とそれらの先端をボトム部分で受け止めるように2本のクロージングバーがV字型に配置されています。7本の扇状力木のうち高音側の2本のみ駒板に近い部分で直角に交差する短いバーが設置され、2本がそれを貫通するシステムになっています。これはルビオ初期のギターに見られた特徴的な力木構造。レゾナンスはGの少し下に設定されています。

低音から高音までバランスよく整った音圧と音像で、スペインギターの深い奥行きのある響きとはやや異なり、瞬間的に音が「現れる」ような凛とした発音の感触。やや硬質な音ですが、響きはどこかウッディで素朴な触感もあり、とても上品です。そして豊かな鳴りも十全に備えています。

クラシックモデルですが過去のオーナーによりゴルペ板(付け足した部分あり)が装着されています。割れなどの大きな修理履歴はありません。全体に微細な摩擦跡あとや小さな打痕、弾き傷など見られますが年代相応な状態と言えます。ネック、フレットは良好な状態を維持しており、ネックシェイプは普通の厚みのDシェイプ。糸巻はヘフナー製を装着しておりこちらも機能性に問題はありません。


商談中 定価(税込) : 時価 販売価格(税込) :  お問い合わせ下さい。

製作家/商品名 ホセ・ヤコピ Jose Yacopi演奏動画あり
モデル/品番 Model/No. No.2053
001_Jyacopi_1_03_170Age
弦長 Scale Length 663mm
国 Country アルゼンチン Argentin
製作年 Year 1980年代
表板 Top 松単板 Spruce
横裏板 Back & Sides 中南米ローズウッド単板 South American Rosewood
付属品 Option ハードケース付属
備考 Notes
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ラッカー
糸 巻:ルブナー
弦 高:1弦 3.2mm/6弦 3.7mm


[製作家情報]
ホセ・ヤコピ(1916~2006)。スペインのビトリア生まれ。父親のガマリエル・ヤコピの工房に入り、18歳の時に最初のギターを製作しています。1949年には家族でアルゼンチンのブエノス・アイレスにほど近いサン・フェルナンドに移り住んで工房を開き、そこで生涯ギターを作り続けました。最初は父親と同様にアントニオ・デ・トーレスを規範とした伝統的なスペインギターを製作していましたが、移住する直前の1947年ごろから父親と共に発案した、通常とは逆方向に放射状に配置された扇状力木構造を採用するようになり、これがこのブランドの特徴となります。本国アルゼンチンではその需要の増大に対応するために工房品含め年間約300本のギターを出荷していた時期もありますが、最上位モデルはその1割ほどで、良質な材を使用して本人が製作しています。

非常に独特な音響と音色を備えており、中低音から低音にかけての重厚で柔らく、奥行きのある深い響きと引き締まって艶やかな高音との対比とバランスが素晴らしく、ポリフォニックな曲を演奏した時の立体感は他のギターでは味わえない魅力があります。また音色には南米的な澄んだ色気があり、これが古典と現代の両方の雰囲気を併せ持つことから、クラシック奏者からポピュラー音楽までの幅広いユーザーに愛されてきました。マリア・ルイサ・アニードやエドゥアルド・ファルーらが愛用し、また近年ではボサノヴァや南米音楽の愛好家にも絶大な支持を受けています。
現在は息子のフェルナンド・ヤコピが工房を継いでいますが、ファンの間ではやはり1960年代から亡くなる前の1990年代までのJose本人による楽器に人気が集中しています。

[楽器情報]
ラベルの年号が印字が薄くなっており正確な製作年は判りませんが、シリアルナンバーから1980年代初期の作と思われます。太く耳に柔らかい感触がある響きながら、1音1音に芯がしっかり通った、明確で強い表情を備えており、その音楽的な表現力は他にはない魅力を放っています。レゾナンス(ウルフトーン)はG#のやや下に設定されています。

表面板を中心に弾き傷等ありますが、割れなくオリジナル塗装の良好な状態です。ネック良好で弦高も弾き易く調整されています。音はバランス良くヤコピとしては伸びやかに良く鳴っています。





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