[製作家情報]
1897年スペインのウエスカ生まれ。13歳のとき、フランス人製作家の弦楽器工房で働く為バルセロナに移住。
其処での弦楽器の製作、修理などの技術を習得し、その後独立し、当初は主にチェロを製作していました。
しかしその後1950年にA.セゴビアが演奏したレコードを聴いて感動し、ギター製作に専念することになり、二人の息子と3人でギター製作に専念することになりました。
そして1955年にセゴビアが使用した事により、一躍世界的に有名になったことは良く知られています。
[楽器情報]
フレタ1世(1897~1977)作による大変に状態の良い一本。このブランドを愛用した、または現在も愛用し続けている数々の名手たちの名を挙げるまでもなく、20世紀後半以降を代表する銘器の一つとして、いまも不動の人気を誇っています。いわゆるトーレスから続く現代のスペインギターの伝統とは若干異質な個性を持ちながら、その異様なまでの深い表現力と、豊かな響きゆえに、キャリアの最初期からセゴビアやジョン・ウィリアムスなどの世界最高レベルの名手たちに注目されていたことはファンの間ではおなじみの話でしょう。
本作はまさにその伝説的な時期の真っただ中の1960年製。この時期のものとしては珍しく割れもなく、大変に良好な状態。
表面板を中心に弾き傷、打ち傷等ありますが、割れなくオリジナル塗装のフレタ1世としては稀な極めて良好な状態で、ネックも反りなく弦高も調整され弾き易くなっています。
音の伸びバランスも申し分なく、まだ若々しい音質で此れからの弾き込みで更に良い響きに育つものと思われます。
[特徴]
表面板は9本の扇状力木を配し、それをハの字型の力木で受け、駒内側に補強板を施したフレタ独特の作りです。
また、サウンドホール上側のネック指板下には横バーが2本有り、表面板の最上部から、サウンドホール直ぐ上の横バーまでほぼ前面に補強板が貼られています。
更にサウンドホール下にも2本の横バーがあります。